DM三井製糖株式会社のプレスリリース
DM三井製糖株式会社(代表取締役社長:森本卓、以下「当社」)は、国立大学法人東京大学未来ビジョン研究センター(以下「東京大学」)を代表機関とする「共創の場支援プログラム(COI-NEXT)※1/ビヨンド・“ゼロカーボン”を目指す“Co-JUNKAN”プラットフォーム研究拠点※2」に参画し、CO2固定化能が高い多収性サトウキビを原料とした食料増産とバイオ燃料やグリーンケミカル製造を図る農工融合型のグリーントランスフォーメーション(GX)技術の開発に取り組んでまいります。
1.本件の趣旨・背景
世界的な人口増加に伴い、生態系を保持しつつ持続的な食料増産を行う必要性が益々高まっております。同時に、カーボンニュートラル社会の実現に向けた流れの中で、化石資源の消費を減少させることも求められております。
COI-NEXTでは、これらの諸課題に対して、要素技術を持つ個社が個別最適化により解決するのではなく、産学官連携により産業全体として同時に解決する新しい農工融合型GX技術の開発を行います。上流の農林業や食品産業が質・量ともに安定した副産物や間伐材等を排出し、下流のバイオマス産業がそれらを高付加価値製品に変換することで利益を創出し、上流産業へもその利益を還元することで、産業全体の経済的な強化による持続的発展を目指します。
当社では、“Co-JUNKAN”プラットフォーム研究拠点における研究課題5「食品生産と生態系保全を強化するGX技術の実証・社会実装」において東京大学と共同研究を行います。具体的には、高繊維多収性サトウキビの安定生産や、製糖産業における副産物の高付加価値化(バイオ燃料やグリーンケミカルの製造等)、およびその周辺領域の技術開発のため、国内外において当社グループの製糖および精糖に関する知見に基づいた協力を行い、参画機関とも共創し、実証・社会実装を促進するような貢献を目指します。
当社は、本取り組みについて、祖業である砂糖事業の源となるサトウキビの可能性を追求し、食料増産のみならずバイオ燃料、グリーンケミカルの社会実装も狙う点に共感し参画いたしました。当社砂糖事業の強化と同時に新事業の可能性を探るべく、当社グループの力を結集してCOI-NEXTの活動を通じ、社会的な要請である低・脱炭素、循環型社会実現に貢献してまいります。
2.本件の概要
(1)研究拠点名称・代表者
研究拠点名称 |
「ビヨンド・“ゼロカーボン”を目指す“Co-JUNKAN”プラットフォーム」研究拠点 |
プロジェクトリーダー |
菊池康紀(東京大学未来ビジョン研究センター・教授) |
幹事組織の長 |
福士謙介(東京大学未来ビジョン研究センター・センター長) |
拠点運営機構の設置責任者 |
津田敦(東京大学理事・副学長)
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(2)参画機関(順不同、2024年7月1日現在)
大学等研究機関 |
東京大学(代表機関)、東北大学、千葉大学、信州大学、和歌山大学、岩手県立大学、芝浦工業大学、早稲田大学、農業・食品産業技術総合研究機構、国際農林水産業研究センター、宇宙航空研究開発機構 |
企業等 |
出光興産㈱、新光糖業㈱、Solariant Capital㈱、㈱日本触媒、SequencEnergy㈱、㈱DGネットワーク、㈱タクマ、日揮ホールディングス㈱、住友林業㈱、常石造船㈱、三井住友信託銀行㈱、三機工業㈱、住友商事㈱、高砂熱学工業㈱、NextDrive㈱、DM三井製糖㈱、(一財)エンジニアリング協会、(一社)デジタルグリッドコンソーシアム |
自治体等 |
岩手県、和歌山県、佐渡市、西之表市、中種子町、オーストラリア・クィーンズランド州 |
(3)当社の参画する研究開発課題
研究開発課題 |
「課題5:食品生産と生態系保全を強化するGX技術の実証・社会実装」に関して、以下およびそれに関連する領域の共同研究。 ・高繊維多収性サトウキビの安定生産 ・製糖産業における副産物の高付加価値化(木材との混合による高付加価値品生産も含む) 上記に関して、国内外において、当社グループの製糖および精糖に関する知見に基づいた協力を行い、参画機関とも共創し、実証・社会実装を促進するような貢献を目指す。 |
研究開発課題リーダー |
小原聡(東京大学未来戦略LCA連携研究機構 特任教授) |
<課題5の概要図>
※1.共創の場支援プログラム(COI-NEXT): https://www.jst.go.jp/pf/platform/
科学技術振興機構(JST)の公募事業の1つであり、ウィズ/ポストコロナ時代を見据えつつ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に基づく未来のありたい社会像を拠点ビジョンとして掲げ、その達成に向けたバックキャストによるイノベーションに資する研究開発と、自立的・持続的な拠点形成が可能な産学官連携マネジメントシステムの構築をパッケージで推進しています。これを通じて、大学等や地域の独自性・強みに基づく産学官共創拠点の形成を推進し、国の成長と地方創生に貢献するとともに、大学等が主導する知識集約型社会への変革を促進しています。
※2.ビヨンド・“ゼロカーボン”を目指す“Co-JUNKAN”プラットフォーム研究拠点: https://coinext.ifi.u-tokyo.ac.jp/index.html
東京大学の未来ビジョン研究センターを代表機関とするCOI-NEXTで、大学、地方自治体、公共団体、企業など、国内外の34機関が参画し、①ビヨンド・“ゼロカーボン社会”を描くCo-learningの展開/②誰でも使えるCo-JUNKAN基盤の実装/③ビヨンド・“ゼロカーボン”を実現する技術の社会実装をターゲットとして、課題解決に取り組んでいます。