地産地消に取り組む農家と飲食店が集合! 秋冬生産物のマッチング会を愛知県豊橋市が開催

豊橋市のプレスリリース

 地産地消に意欲的な農家と飲食店をつなぐマッチング会が2024年7月29日(月)、愛知県豊橋市にある「ホテルアークリッシュ豊橋」(駅前大通一丁目)で行われました。全国有数の農業エリア、豊橋、田原の両市から21の生産者が参加。マッチングに成功したグループは10月下旬のお披露目会に向けて、新鮮な生産物を使った新メニュー開発に臨みます。

  • 地産地消を推進するマッチングは今年で3年目

 マッチング会は愛知県東部にある豊橋市が企画。新鮮な豊橋産生産物を使った料理を、地元住民や観光客が市内でもっと食べられるような環境を整えることを目的に、2022(令和4)年度から実施しています。22年度にはマッチング会に飲食店10店舗と生産者15軒、2回目の昨年度は飲食店・菓子店18店舗と生産者22軒が参加して、メニュー開発に取り組みました。

  • 全国屈指の農業地帯の一翼を担う豊橋市

 豊橋市は、平坦な地形と穏やかな気候、立地にも恵まれており、近隣の田原市や静岡県浜松市などを含めると全国を代表する農業エリアです。市町村別農業産出額は全国14位で、日本一の生産量を誇る大葉や次郎柿、ウズラの卵をはじめ、施設・露地野菜、花き、米、果樹、畜産など、さまざまな農畜産物が生産されています。その強みを生かして、豊橋市は食と農の高付加価値化を図り、市内外の人たちに選ばれる「食と農のまち」を目指しています。

  • 今年は夏と秋・冬の2回開催

次郎柿の葉を使ったバウムクーヘン次郎柿の葉を使ったバウムクーヘン

 3年目となる今年はマッチング会の回数を年2回に増やしました。夏の生産物は5月に行われ、トウモロコシや大葉、ジャガイモなどを育てる11の生産者と、日本料理や中華料理、カフェなど12店舗が参加しました。その後、6つのグループが新メニューの開発まで進み、次郎柿の葉を使ったバウムクーヘンやトウモロコシのプリンなどがこの夏、各店舗で提供されています。

詳しいメニューと提供時期ついてはこちらをご確認ください。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/60789.htm

  • 秋冬マッチング会には飲食店ら15業者×生産者21軒

 秋冬のマッチング会には、21の生産者のほか、市外のカフェを含む15(オンライン参加4業者含む)業者が参加しました。今回は交流時間を増やすためプレゼン発表を2部制で実施。ともに、まずは農家側が3分間で生産物の特徴や具体的な収穫時期、栽培のこだわり、おすすめの食べ方などを話した後、交流会を行いました。

  • 3分間で農家がこだわりやおすすめの食べ方をプレゼン

 日本一の大葉産地である豊橋市。その生産者の集まり「豊橋温室園芸農業協同組合大葉部会」は、プレゼンで「洋食文化の普及や昨今の少子化で将来的に大葉を食べない子どもたちが増えるのではと不安があり、子育て世帯のお母さんにうまく大葉の味を知ってもらえるような料理をご提供いただけると嬉しいです」と呼びかけました。

 50年ほど続く大葉農家「州田園」は、大葉胡椒や大葉塩などの加工品を紹介。「大葉は日本の伝統的な和ハーブ。大葉を味わうために世界中から東三河へお客さんが訪れるようになってほしい。それは、飲食店との協創により成し遂げることができるのではと考えています」と熱い思いを語りました。

 特産品の次郎柿を作る農家も2軒が参加。「しげはら農園」は「次郎柿をもっともっとPRしていきたいが、収穫時期の秋はものすごく忙しいので、柿農家だけでは難しい。一緒に次郎柿をPRしてくれる仲間を募りたい」と呼びかけました。「百年柿園ベル・ファーム」は、市内で次郎柿の栽培が始まり今年で110年になる一方で、いまだ柿の産地としての知名度が低い現状を説明。「収穫期間が短く、加工品も多くないので、皆さんの目に触れる機会が少ない」と原因を分析しており、同園が取り組む柿を長期的に提供する工夫や加工品の開発について紹介しました。

 初参加の生産者もいます。「苺屋田中」は赤色が濃く、甘みと香りが強いイチゴの品種「やよいひめ」を化学農薬、化学肥料を使わずに栽培しており、「雑味のないすっきりとした味わい」と表現しました。また、豊橋市でミツバチを飼育している養蜂家の近藤勝俊さんは、試食用にハチミツを配り、濃厚な甘みと香りが特徴の「春」、スパイシーで酸味のある「夏」と、それぞれの味の違いを説明。「味の違いで季節の幅を感じてほしい」と話していました。

 その他、キャベツやブロッコリー、トマト、菌床シイタケなどを育てる生産者が登壇。

  • 農家同士横のつながりも生まれるマッチング会

 プレゼン後は個別の交流タイムです。飲食店側が各生産者のブースへと足を運び、収穫時期や具体的な納品方法、ロット数などについて聞き取り。また、「大葉のえぐみが出やすい時期はある?」「生の柿を天日干しでドライにするのは大変?」など、実際に店舗で使用するイメージを膨らませながらの質問も飛び交っていました。

 参加した飲食店は「大勢の農家さんと一度に会える機会はないのでありがたい」と言い、生産者側も「自分が作ったものがメニューになるのは嬉しいですし、各農家との素敵な出会いに恵まれる機会になれば」と語っていました。
 回の最後にマッチングが実施されました。飲食店側が、新メニュー開発、販売まで行いたい場合は金オファーを、生産物の仕入れのみを希望する場合は白オファーを提出。当日の結果は金オファーは8件、白オファーは40件ありました。

  • 新メニューお披露目は10月下旬を予定

 今後、グループごとに集まって個別の商談を実施。8月18日までに申し込みを完了したグループが、新メニュー開発に進みます。また、市民の皆さんにも味わってもらうため、10月下旬以降、随時各店舗でメニューを提供する予定です。どのようなメニューが創作されるのか、お楽しみに!
 
 

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