
ビットコインやイーサリアムなど、長らく現金主義であった日本人の間でも、これらの暗号資産(仮想通貨)を保持することは珍しくなくなってきました。それどころか、今や円や株と代替できる新たな資産として、期待される場面も増えています。
このような状況を背景に、現在では仮想通貨 上場予定 一覧に名を連ねる銘柄へ、多くの投資家が資金を流し込むように。特に、暗号資産ウォレットやAI関連のプラットフォームを提供するような、実世界に直接役立つような銘柄に大きな注目が集まっています。
そしてさらに、最新トレンドに強い投資家たちは、暗号資産を値動きを追うだけの投資対象としてではなく、「遊びながら学ぶ」「学びながら報酬を得る」といった新しい楽しみ方があることを認識し始めています。その背景にあるのが、ゲームの要素をサービスに取り入れる「ゲーミフィケーション」という考え方です。
本記事では、このゲーミフィケーションが暗号資産の分野で具体的にどのように活用されているのか、紹介していきます。
そもそもゲーミフィケーションとは、ゲームそのものを作ることではなく、ゲームにある“続けたくなる仕組み”を「教育」や「健康管理」などさまざまな分野に応用する手法を指します。たとえば「3日連続で課題に取り組むとポイントが貯まる」といったように、努力が目に見える形になることで続けやすくなるという発想です。こうした仕掛けによって、自分の行動が可視化されると達成感が生まれ、自然と継続しやすくなります。
そして、難しそうだと敬遠されがちな暗号資産こそ、こうした続けやすい仕組みとの相性が非常に良いといえます。
暗号資産にゲーミフィケーションを組み合わせる発想は、実はすでに複数のサービスで取り入れられています。たとえばブロックチェーンゲームでは、プレイ中にトークンを獲得できるPlay-to-Earnの仕組みが広まり、ゲームそのものが収益を生む体験になっています。最近では、スマートフォンで気軽に遊べる『魁 三国志大戦』や、暗号資産に慣れていない初心者でも参加しやすい『コインムスメ』などがPlay-to-Earnとして多くの日本人プレイヤーを集めています。
さらにDeFiの分野でも、ただ資産を預けるだけではなく、預けた期間に応じてランクが上がったり、追加のボーナスがもらえたりするなど、ゲームの育成システムに似た設計が増えています。もともと複雑な仕組みでも、達成目標や進捗が視覚的に表示されることで、金融初心者でも入りやすくなるという点が大きな変化であるといえるでしょう。
こうした体験を支えているのは、まさしく報酬として得られる暗号資産が、現実に価値を持つということです。よくあるアプリ内だけで使えるポイントと違い、実世界で売却や交換ができ、運用に回すことも可能。自分の行動がそのまま資産形成につながるため、「もう少しやってみよう」と思える強い動機にもなります。
また、ブロックチェーンの特性である「透明性」により、報酬のルールが裏で書き換えられるような不信感を持たずに済み、プレイした分だけ返ってくる分かりやすさがユーザーの安心感につながっています。
加えて、ランキングや協力ミッションがあるサービスでは、ユーザー同士の交流が生まれやすく、コミュニティが育ちやすいという特徴もあります。暗号資産のプロジェクトは、コミュニティの熱量がそのまま成長力につながるため、ゲーミフィケーションが果たす役割は小さくないのです。
暗号資産は以前よりずっと身近な存在になったとはいえ、まだ発展途上の分野でもあります。ただ、ゲーミフィケーションが取り入れられたことで、これまでとは違う関わり方が広がりつつあります。難しそうというイメージが薄れ、楽しみながら知識が増え、気がつけば資産につながることもある。本記事で紹介してきたように、こうした動きが着実に広まりはじめています。

