「推し活」ブーム前夜に20代コスプレイヤー2名が素人起業。大阪のオタク女子専用カフェが廃業の危機も乗り越え10周年

10年間支え続けたファンへ向け、パスタ半額やオリジナルコーヒー＆紅茶の新開発、オリジナル推し活バッグ初のセール解禁など「10周年感謝企画」を開始

Airafu株式会社のプレスリリース

Airafu株式会社（アイラフ本社：大阪府浪速区、代表取締役：青山奈々）が運営する、日本初（※1）のオタク女子専用カフェサロン「Ataraxia cafe（アタラキシアカフェ）」は、2025年12月26日（金）に創業10周年を迎えます。

約9割が10年以内に閉店すると言われる厳しい飲食店業界（※2）の荒波に揉まれながらも、数多の危機を乗り越え10年の節目を達成できたのは、ひとえに永きにわたり支えてくださったファンの皆様のおかげです。

この度10周年を記念し、12月26日より名物パスタの半額提供や、オリジナルコーヒー・紅茶等の新商品展開、自社ブランド推し活バッグ初となるセール解禁など、10年分の感謝を込めた様々な企画を開始いたします。

■創業ストーリー：真冬の店内で梱包資材にくるまって寝た準備期間

オープン当時の2015年、「推し活」という言葉はまだ生まれていませんでした。世間ではハロウィンのコスプレが流行し、アニメ映画が興行収入の上位を占め、コミケの盛況が報道されるなど、表面的な盛り上がりは見せていました。
それでも学生の頃に「オタク趣味は隠すもの」として育ってきた世代は、個室のあるカラオケや居酒屋あるいはネットカフェなどにこもり、こっそり趣味を楽しんでいました。
立ち上げたのは20代のコスプレイヤーの女性2人です。元・進学塾受付と、元・コスプレショップ店員で経営の素人でした。
「オタク女子が好きなものを好きと言える、安心してくつろげる場所を作りたい」
その一心で、毎日朝から晩まで現地を歩き回って物件を探し、電話をかけ続けました。それでも返ってくるのは冷ややかな反応ばかり。「本気？」とまともに取り合ってもらえない日々が続きました。
ようやく見つけたのは西のオタクの聖地・大阪日本橋「オタロード」の真横の物件でした。しかし席数55席という、個人経営のカフェとしては異例の広さ。不安というより恐怖でしたが「オタクにとってこんな恵まれた物件はもう出ない」と即決し、契約にこぎつけました。準備期間はクリスマス前。コンクリート剥き出しの電気も通っていない店内は10℃以下です。暖房器具も使えない中で私たちは届いたテーブルやイスの梱包資材にくるまって寝泊まりし、寒さを凌ぎながら自分たちで棚の組み立てや設営を進めました。
そうして2015年12月26日、「オタク女子専用カフェサロンアタラキシアカフェ」をオープンしたのです。

■ 生存の理由：10年生存率1割以下の業界で生き残れた「3つの戦略」

飲食店の生存競争は過酷です。飲食店ドットコムの調査（※2）によると、閉店したカフェの9割以上が11年以内に撤退しており、特に約6割は「3年以内」に姿を消すといわれています。素人起業の当店がこの「死の谷」を越え、10年生き残れたのか。理由は、創業当初から徹底した「脱・飲食店」の戦略にありました。

1. 「完全会員制」「回転率を追わない」関係構築

「オタク女子が安心してくつろげる場所」を守るため、創業時より完全会員制を導入しました。座席の回転率を追うのではなく、会員一人ひとりとの信頼関係を深めることを最優先しました。このマーケティングがリピートを生み、強固なコミュニティを育むこととなり、国内外で会員数は17,786人に至りました。
コロナ禍で存続の危機に瀕した際に418名から3,116,193円もの支援の手を差し伸べていただくことができたのは、この「絆」があったからだと考えています。

2. 55席の「箱」を活かした「体験」イベント戦略

大阪ミナミの中心地なんば駅出口から徒歩3分という好立地と、55席のキャパシティ。これを単なる飲食スペースでは終わらせませんでした。 アニメ作品とのコラボカフェを筆頭に、同人オフ会や声優のファンイベント、最近では等身大のVTuberとのチェキ撮影イベントなど、「集まる場（箱）」としての機能を最大化しました。飲食だけでなく「体験」を提供する場としての役割が継続的な来店の動機を作り出しました。

3. カフェの枠を超えた「事業の多角化」

飲食業は、環境の変化に脆弱です。コロナ禍の時には数人しか歩いていないなんばの街、広くガランとした店内を毎日見続けて「この先どうなるのか分からない」不安な気持ちが募っていく一方でした。
そこで私たちは会員の需要を起点にし、クラウドファンディングでの応援を元手に、推し活バッグブランド「Re:)am（リラム）」を立ち上げました。
メーカーとしての収益源を持つことで、飲食一本足打法のリスクを回避し、経営の安定化を目指しました。

(※1) 2015年創業当時、自社調べ
(※2) 出典：飲食店ドットコム（運営：株式会社シンクロ・フード）「閉店した飲食店の営業年数調査」より

■ 10周年感謝企画第1弾概要

ここ数年で仕入れ値は「2倍以上」に膨れ上がっていますが、今回は10周年です。
「これまでの恩返し」の気持ちを込めた、いつも以上の赤字覚悟のセールを提供いたします。

1. 「計算できてない」と笑われたセールの拡大

画像左：チーズフォンデュハンバーグ、画像右：トマトソースハンバーグ。付け合わせはパンかライスが選べる。

当初はパスタのみで始まった周年恒例の感謝企画です。「計算できてる？」「頭がおかしい（褒め言葉）」 お客様からそんな心配の声をいただく度、私たちは有り難い気持ちでいっぱいでした。

今年はより一層食材費が高騰していますが、あえて期間を3日から10日間に拡大します。

ワンコインハンバーグ（12/15～21）：人気プレートを550円(税込)で提供。

パスタ全品半額（12/22～27）：看板メニューを採算度外視で提供。

2. 友人とシェアOK パスタ5食分無料の回数券

当店のお客様は、長時間滞在して創作活動（執筆・衣装製作）をされます。「集中しすぎてご飯忘れてました～」というお声に対して 「しっかり食べて、良い作品を作ってほしい」という思いで回数券をご用意いたします。
10周年にちなみ、5食分の金額で10食分のお食事券としてご利用いただくことができます。

グランドメニューパスタ10食分回数券（税込4,400円）

特長：使用期限内であれば友人とシェア可能。譲渡も自由です。

3. 一度は断念した夢のオリジナルコーヒー＆紅茶を新開発

カフェを10年間経営する中で、ずっと抱き続けていた夢がありました。「自分たちが美味しいと思えるオリジナルコーヒーと紅茶を作りたい」。しかし「いつかできたらいいね」と語り合うだけで、なかなか実現には至りませんでした。
10周年を機に一念発起したのですが、納期やロット数などの条件が合わず、一度は断念せざるを得ませんでした。
そんな開発中止の危機を救ってくれたのは、アニメコラボカフェを通じて生まれた「ご縁」です。ダメ元の相談に「大丈夫ですよ！早速打ち合わせしましょう！」とご快諾いただきました。
この10年で卒業・就職・結婚などライフステージの変化と共にオタクを引退されたお客様もいらっしゃいます。新たな挑戦ですが、お店から足が遠のいてしまったお客様との関係が、この製品によって別の形で繋がっていくと嬉しいです。
※詳細は後日発表予定です。

4. 5年間守り抜いた鉄の掟。「禁断」のセール解禁

推し活応援ブランド「Re:)am（リラム）」には、鉄の掟がありました。「絶対に予約時より値下げをしないこと」です。 誰よりも早く予約してくれたお客様が、「待てばよかった」と後悔するようなことはしたくない。新作を楽しみに発売日に定価で買ったら、翌日からセールになる。そんなアパレル業界の慣例に、私たちは倣（なら）いたくなかったのです。しかし、10周年だけは特別です。ブランド立ち上げから5年、今回初めてその掟を破り、感謝のセールを解禁します。

（画像左）メイクポーチ「コルデラ」：8,140円（税込）→ 4,070円（税込）（50%OFF）

（画像右）痛バッグ「ポショル」：8,140円（税込）→ 6,140円（税込）（2,000円OFF）

※その他、人気モデルも今回限りの特別価格となります。詳細は下記URLをご確認ください。

セール特設ページ：https://ataraxia.shop/products/list?category_id=118
開催期間：2025/12/22～2026/1/26

■ 私たちの思い

あれから10年。社会のオタクへの認識は変わりました。この10年で周囲の環境は目まぐるしく変わっております。好きな対象を「推し」と呼ぶようになり、今ではオタクへのマイナスなイメージも払拭されつつあります。様々なオタク趣味を有名人が公表することも増えてきています。
起業前の私たちでは想像もできませんでしたが、私たちが思い描いていた「好きなものを好きと言える」状況が広まりつつあることは本当に嬉しいことです。
この10年で、ここでは伝えきれない沢山の失敗も経験してきましたが、今後もオタク女子が楽しめる場所を提供しながら、さらに様々なことへチャレンジを続けて参ります。