飲食店経営者が振り返る2025年、自己採点の平均は67点〜売上回復も、コスト増が課題に〜

株式会社シンクロ・フードのプレスリリース

飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、飲食店ドットコム会員を対象に、今年のニュースや2026年の食トレンドに関するアンケート調査を実施いたしました。

本調査について

調査概要

調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)

回答数:268

調査期間:2024年12月9日~2024年12月15日

調査方法:インターネット調査

回答者について

本調査にご協力いただいた回答者のうち70.1%が1店舗のみを運営しており、店舗の業態は、居酒屋・ダイニングバーを筆頭に多彩に分散しています。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は46.6%(首都圏の飲食店の割合は64.2%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。

回答者の属性

調査結果について

飲食店経営・運営者が2025年のニュースで最も印象に残ったのは「食品値上げの加速」

まず、2025年のニュースで最も印象に残ったものを聞いたところ、最も多かった回答は「食品値上げの加速」(31.3%)で、次いで「令和の『米騒動』」(25.0%)、「アサヒビールのサイバー攻撃」(12.3%)という結果に。「コスト」「仕入れ」といった日々の店舗運営に直結する内容が上位にランキングする結果となりました。

上記回答のトップ3について回答理由を聞いたところ、下記のような意見が寄せられました。

<「食品値上げの加速」と回答した理由>

・仕入れ値に1番の影響が出た。(大阪府/お弁当・惣菜・デリ/1店舗)

・毎週の様に業者さんから値上げの通知が届く。(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・全ての食材、飲料、光熱費等々全般的にかなりの値上げ率だった為。(埼玉県/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・仕入れ価格高騰が顕著である一方、顧客離れへの懸念から全て価格転嫁する訳にいかず、苦慮している。(京都府/バー/1店舗)

<「令和の『米騒動』」と回答した理由>

・米不足、米価高騰。仕入れに影響したから。(東京都/専門料理/1店舗)

・お米が手に入らなくなるなんて思いもしなかった。(東京都/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

・定食の要となるご飯において、お米の質を下げる訳にもいかず、入手ルートの確保と価格の折合いに頭を悩ませています。(神奈川県/和食/1店舗)

・今まで国民食で値上げすることがなかったお米が倍の値段になったため。(埼玉県/洋食/1店舗)

<「アサヒビールのサイバー攻撃」と回答した理由>

・ビールや炭酸が入らなくなった。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・アサヒビールだけでなく、アスクルなど定期的に配送してもらっているものが完全に止まってしまう怖さを知ったから。(愛知県/カフェ/1店舗)

・ビールを製造する会社がサイバー攻撃を受けるとは思わなかった。それが店舗にまで影響するとは想定外だった。(大阪府/アジア料理/1店舗)

・いつも使用している生ビール、瓶ビールが納品されず、他のメーカーのものが届いたから。(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

■2025年の店舗経営、売上回復に対し、利益は「前年比割れ」に集中―収益構造の厳しさが鮮明に

次に、前年と比べた2025年の店舗の売上・利益状況について聞きました。前年⽐別に売上と利益の分布を⾒ると、売上は「100%以上〜120%未満」ゾーンに⼀定の厚みが⾒られる⼀⽅で、利益は前年⽐80%未満の層に⽐較的多く分布しており、低⽔準側にピークが寄っていることが分かります。

とくに利益については、前年⽐80%未満の回答が約2割を占めており、売上が回復している店舗であっても、原材料費や⼈件費の上昇などを吸収しきれていない実態がうかがえます。

売上と利益を折れ線で⽐較すると、両者のピークの位置にズレが⽣じており、売上回復が必ずしも収益改善につながっていない状況が可視化されました。2025年は、売上動向以上に、利益確保の難しさが経営課題としてより鮮明になっていると考えられます。

■2025年の自己採点は70点以上が6割越え、平均点は67点に

2025年を振り返った自己採点では、「70点以上」と回答した経営者が61.9%と6割を超え、前向きに一年を評価する声が多数を占めました。内訳を見ると、「80〜89点」が24.6%、「70〜79点」が22.4%、「90点以上」が14.9%となっており、多くの店舗が一定の成果や改善の手応えを感じている様子がうかがえます。

自己採点の平均点は【67点】となりましたが、点数分布を見ると「40〜69点」が27.2%、「39点以下」も10.8%存在しており、2025年の評価は一様ではなく、経営者の実感にはばらつきがあることがうかがえます。

また、上記のように採点した理由を聞いたところ、下記のようにさまざまな意見が寄せられました。

<高評価層>

・「増収・増益、昇給を達成したため。」(東京都/カフェ/6〜10店舗)

・「売上過去最高」(愛知県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

・「高客単価政策が上手くいき、人件費の削減ができた。」(東京都/和食/1店舗)

・「値上げをしてもお客様の数は減らずどんどん新しいお客様が増えている。今年のお店の最大のイベントが大成功に終える事ができた。」(東京都/ラーメン/1店舗)

<中間層>

・「売上は前年並みに近い水準を維持できましたが、原材料費や人件費の上昇で利益は大きく圧迫され、前年よりも厳しい収益状況となったため40点としました。」(東京都/焼肉/3〜5店舗)

・「目標金額には届かなかったものの、大きな減収はなく、物価高騰の仕入れ値で利益率が下がったため」(愛知県/カフェ/1店舗)

・「売上増加にはなったが、コストがかかっているためもう少し業務効率化を目指し、利益を残せる仕組みづくりをする余地があるため。」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・「潰れなかったので50点ください」(東京都/カフェ/2店舗)

<低評価層>

・「手を打つことがなにもできず大幅赤字で終えそうです。閉店も頭をよぎることが多く苦悩の一年でした。」(大阪府/カフェ/1店舗)

・「夏場の売上不振がすべて。またリピート客の流出が複数あったが流入が無かった。非常にまずい。」

(東京都/バー/1店舗)

・「何をやってもうまくいかない事が多かった。原価をカバー出来るメニューを増やしたり、人件費を抑えるオペレーション…想定する数値や目標売上には及ばず毎日苦しい思いをした一年でした。」(神奈川県/お弁当・惣菜・デリ/1店舗)

・「今年は過去最低の記録だから」(東京都/ラーメン/1店舗)

■2026年の飲食トレンド:省人化・二極化・健康志向・専門特化―「選ばれる理由」がより明確に

最後に、2026年の外食トレンド予測を聞きました。

人件費や原材料費の上昇が続く中、省人化やDXによる効率化と、価格帯の二極化が同時に進むとの声が多く寄せられました。セルフオーダーやAI活用などオペレーションの簡素化が進む一方で、「安さ」か「付加価値」かを明確に打ち出す必要性が高まっていることがうかがえます。

また、健康志向や素材回帰への関心は引き続き強く、発酵食品やプラントベース、野菜を主軸としたメニューなど、日常的に取り入れやすい提案を支持する声が見られました。

さらに、ビリヤニや麻辣系といった特定ジャンルに特化した業態や単一商品・単一業態など、専門性を明確にした店舗への注目も集まっています。こうした声からは、2026年に向けて飲食店は「何を提供している店なのか」「なぜ選ばれるのか」を、これまで以上に明確に示すことが求められていることがうかがえます。

1       省人化・DXの加速と、ワンオペ/小規模運営へのシフト

・「人件費削減による、機械化の加速、AIによるオペレーションの容易化。それに伴い、人間を使う飲食の重要性の再認識。」(東京都/和食/1店舗)

・「セルフオーダー、ロボット配膳、家族経営の小さな個人店」(愛知県/カフェ/1店舗)

・「ワンオペの飲食店じゃないと厳しくなっていくかも」(長野県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・「無人化。厨房の中もホール業務も、人を必要としない店舗づくりが加速すると思います。」(愛知県/カフェ/1店舗)

2       価格帯の二極化と「安さ」か「付加価値」かの選別

・「安売りと高級の2極化」(神奈川県/専門料理/2店舗)

・「激安店と付加価値の高い店との二極化が進むと思う。」(東京都/バー/1店舗)

・「低価格より『少し高くても質の良い・こだわりのある食材』を選ぶ消費者が増えると予想します。」(東京都/焼肉/3~5店舗)

・「高級業態ではなく、客単価3000円程度の店舗」(東京都/専門料理/11~30店舗)

3       健康志向・素材回帰・“からだにやさしい”メニュー

・「アサイーボウルのような健康志向+スイーツ」(京都府/和食/1店舗)

・「健康、安全」(東京都/その他/1店舗)

・「よもぎを使った健康メニュー」(東京都/イタリア料理/51~100店舗)

・「ヘルシー思考の高まりとインバウンド需要でプラントベースフードが需要高まると思います。」(東京都/和食/1店舗)

4       業態・料理の“尖り”と専門特化(エスニック・一点集中)

・「ビリヤニ」(東京都/バー/3~5店舗)

・「麻辣担に次ぐ辛い系」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・「万博後もあり、マニアックな国の飲食需要が上がると思う。」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・「単一商品、単一業態」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

調査結果の引用時のお願い

・クレジットに「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。

・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」

https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。

株式会社シンクロ・フードについて

当社は、”多様な飲食体験から生まれるしあわせを、日本中に、そして世界へと広げる”というビジョンのもと、飲食店経営・運営を支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営しています。テクノロジーを最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・情報・サービス」など多様な選択肢をシンプル・スピーディに提供していくことで、飲食業界の発展・関わる人のしあわせに貢献してまいります。

 【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン3階

【代表者】 代表取締役 藤代 真一

【上場市場】 東京証券取引所プライム市場

【URL】 http://www.synchro-food.co.jp/

【運営サイト】 

▼飲食店開業・運営支援のサービス

・飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店ドットコム(https://www.inshokuten.com/home/ )

・飲食業界専門の求人サイト「求人飲食店ドットコム」(https://job.inshokuten.com/ 

・飲食業界に精通した税理士事務所とのマッチング「飲食店ドットコム 税理士探し」(https://www.inshokuten.com/food-accounting/

・SNSショート動画アルバイト求人サイト「グルメバイトちゃん」(https://gourmet-baito-chan.com/ )

▼飲食業界を超えて広がるサービス

・店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/ )

・キッチンカーシェア・マッチングサイト「モビマル」(https://mobimaru.com/ )

・インテリア業界や建築業界特化型の求人情報サイト「求人@インテリアデザイン」(https://job.tenpodesign.com/ 

・農業の求人情報サイト「農業ジョブ」(https://agrijob.jp/ )

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

株式会社シンクロ・フード 広報 今西・大木

Mail:public-relations@synchro-food.co.jp

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