
暗号資産(仮想通貨)は、投資の文脈では今や当たり前の存在に。日本でも、金融庁が2025年12月26日に2026年度の税制改正についての資料を公表し、暗号資産の利益に係る税率が2028年より55%から20%になることが判明。したがって、このデジタルコインを保有することはますます当たり前になっていくことが予想されます。
実際、最近ではビットコイン レバレッジ 1000倍のような高いリターンを狙う取引が成立している点からも分かるように、暗号資産市場は単なる投機の場にとどまらず、多様な投資スタイルを内包する段階へと移行しています。その中には、AIエージェントやAIインフルエンサーといったトレンド技術を取り入れたプロジェクトも含まれており、すでに多額の資金調達を実施しながら、暗号資産1000倍銘柄の仲間入りを目指して好調なスタートを切っているケースも見られます。
ただ、暗号資産というと、あくまで「投資のためのもの」という印象が根強いのも事実です。もしレストランの支払いに使えるようになれば、その捉え方は大きく変わるかもしれません。本記事ではこうした視点を踏まえつつ、日本を含む世界各国において、レストランで暗号資産がどのように活用されているのか、その現状と具体的な事例を見ていきます。
近年、その動きが比較的分かりやすく表れているのが米国です。その背景として、2025年7月に成立したGENIUS法によって、暗号資産の1種であるステーブルコインの位置づけが明確になったことが挙げられます。価格が大きく動きにくいステーブルコインは、レストランのような日常消費との相性が良く、「暗号資産といえば値動きが激しい」というイメージを和らげています。
実際に米国では、レストラン予約と決済をまとめて行えるアプリ「ブラックバード」を活用してステーブルコインを使った支払いを実現。この仕組みでは、利用者がステーブルコインを使ってブラックバード独自の通貨である「FLY」を購入し、そのFLYを用いてレストランの支払いを行います。暗号資産を直接決済に使うのではなく、アプリ内通貨を介することで、利用者・店舗双方にとって扱いやすい形が採られているのです。
次にアジアを見ると、少し違った文脈で暗号資産が使われています。観光客の利便性向上を目的に、暗号資産をそのまま使うのではなく、現地通貨に換えてから支払う仕組みを採用する国があるのです。タイはその代表例で、2025年8月18日よりタイ政府は観光産業の復興を目指すプログラム「TouristDigiPay」を開始。これにより、観光客はビットコインやイーサリアム、あるいはステーブルコインを現地通貨のバーツに交換し、QRコード決済でレストランや店舗を利用できるようになっているのです。実際の支払い体験は一般的な電子決済とほぼ変わらず、暗号資産の知識がなくても使える設計になっています。
そして、日本の事情はどうでしょうか。事実としてはレストランで暗号資産を直接使える場面はまだ多くありませんが、模索は進んでいます。たとえば、国内初の円建てステーブルコイン「JPYC」が2025年10月27日に正式発行されましたが、この出来事に併せて、Fintech企業であるナッジ社が、次世代クレジットカード「Nudge」においてJPYCでの支払い受付をスタート。これにより、世界約1億5000万店舗超のVISA加盟店において、JPYCを使った買い物が可能に。つまり、レストランでの決済もできるようになりました。
こうした動きを踏まえると、日本では暗号資産を直接レジでケースはまだ限られているものの、既存の決済インフラと組み合わせる形での活用は着実に進んでいると言えます。 また、このような間接的なアプローチは、飲食店側にとっても現実的です。 暗号資産特有の価格変動や会計処理を意識する必要がなく、既存のオペレーションを大きく変えずに導入できるためです。 もちろん、利用者にとっても、複雑な操作やWeb3.0に関する知識を求められない点は大きな利点でしょう。
海外の事例と比べると、日本の動きは慎重に見えるかもしれません。 ただ、米国ではアプリ内通貨、タイでは現地通貨への即時交換、日本ではカード決済との連携と、それぞれ異なる形を取りながらも、「日常の支払いに無理なく組み込む」という方向性自体は共通しています。 レストランでの暗号資産活用は、直接使えるかどうかよりも、どのような形で既存の決済に溶け込ませるかが鍵になっているようです。

