2026年「バレンタインチョコレート」価格調査
株式会社帝国データバンクのプレスリリース

株式会社帝国データバンクは、2026年バレンタインシーズンに発売する「チョコレート」価格の動向について調査・分析を行った。
SUMMARY
2026年のバレンタインチョコレートは、1粒あたり平均価格が436円となり、前年から4.3%上昇、2年連続で過去最高値を更新した。このうち、「国内ブランド」平均は413円(+8円/+2.0%)、「輸入ブランド」平均は461円(+31円/+7.2%)となり、特に欧州ハイブランドで値上げ幅が大きく、国内外の価格差は前年25円→48円へ拡大した。
[注1] 対象は全国の百貨店・ショッピングモールなどに展開する累計155のチョコレートブランド(2026年は販売実績のある142ブランドが対象)で、前年の価格と比較可能な商品(1粒バラ売りまたは複数個入りのセット、アソート、ボックス(詰め合わせ)タイプ)
[注2] 前年と比較できない、または調査対象へ新たに指定したチョコレートブランドがあるため、一部25年時点と調査対象が変更となっている。なお、入れ替え対象および新規のチョコレートブランドについては22年に遡って価格を再集計しており、データの連続性には問題がない。2026年調査では、今年以降販売が休止状態にあるケースを含む
バレンタインチョコ、前年比4%高 1粒平均436円
全国の大手百貨店やショッピングモール、ホテルなどが販売する累計155ブランドのバレンタイン向けチョコレート(1粒バラ売りまたはアソートタイプ等)を調査した結果、2026年におけるチョコ1粒当たりの平均価格は436円(税込、1月30日時点)だった。1年前の418円に比べて18円、率にして4.3%の値上がりとなり、2年連続で1粒400円を超え、調査開始以降の最高値を更新した。
このうち、国内(日本)ブランドは前年から8円・2.0%アップの413円、ハイブランドが多いフランス産やベルギー産など輸入ブランドでは31円・7.2%アップの461円となり、いずれも22年以降で最高値を更新した。国内ブランドでは、大幅な値上げが相次いだ前年(+26円)から一転して小幅な値上げにとどまり、前年からの値上げ率・金額ともに、データのある2023年以降の4年間で最小だった。他方で、輸入ブランドでは1粒あたり30円を超える大幅な値上げとなり、金額ベースの引き上げ幅は過去4年で最大だった。この結果、2026年における日本と輸入ブランドチョコの平均価格差は48円となり、昨年(25円)から23円拡大した。


前年から価格が上昇したチョコレートは、日本・輸入ブランドあわせて全体の62.0%(88ブランド)を占め、前年に続き2年連続で6割超を占めた。値上げ幅別にみると、最も多いのは「50円超」で、全体の4分の1にあたる39ブランドとなった。このうち、輸入ブランドが21を占め、同セグメントとしては2023年以降で最多だった。日本・輸入ブランドともに6割が昨シーズンから値上げを実施し、特に人気が高い欧州ブランドでは大幅な価格上昇傾向がみられた。
なお、同一パッケージの価格(内容量の変更等を問わない)は、2026年は3256円(税込、平均9個入)となり、前年(3037円)から7.2%の値上げとなった。パッケージ当たりの個数減、カカオ豆由来の原材料使用が少ないチョコレート菓子の割合を増やすなどして、値上げ幅を抑える傾向が目立った。
バレンタインチョコレートの値上げは、国際的なカカオ豆の取引価格が高騰した2024年の「カカオショック」からは落ち着きつつあるものの、円安や輸送コストの上昇が響き、製造コストの高止まりが続いている。また、トッピングなどで使用頻度の高いナッツ類では、異常気象に加え、健康志向の高まりで拡大した「アーモンドミルク」などの需要増を背景に、アーモンド・ピスタチオ・カシューナッツなどで輸入価格の上昇が顕著だった。チョコレートを包むアルミ箔やセロハン、箱などの包装資材、輸送費も大幅に値上がりしたことで、価格の引き上げに踏み切ったチョコブランドが多いとみられる。

国内ブランドに割安感 今後ノンカカオ製品が広がるか注目
百貨店「松屋」が昨年12月に実施したバレンタインデーに関するアンケート調査では、回答が得られた1328人のうち約72%が節約を意識しないと回答した。また、バレンタインチョコレートの平均予算は本命チョコ・自分用のチョコいずれも前回調査から増額となるなど、物価高で節約志向が広がるなかでもチョコレートにかける金額は増加傾向となっている。他方で、2025年・昨シーズンのバレンタインではチョコレートの値上げを実感した割合は6割を超えるなど、イベント時に好きなものを食べる「メリハリ消費」の一方で、バレンタインシーズンの「物価高」が消費者の意識にも強く根付きつつある。
こうしたなか、バレンタインチョコレートの平均価格は1粒当たり前年比4.3%値上げの436円となり、2年連続で400円を超えるなど、前年に続き値上がり傾向が続いている。こうしたなか、カカオ豆の高騰による影響を避けるため量販チョコレート菓子などで普及が進んできた、割安でココアバターの口当たりが再現可能なパーム油など植物性油脂や、カカオ由来の原料を使用しないノンカカオチョコレートが、バレンタイン売り場で広がってきた。カカオ豆市況に左右されにくいノンカカオ素材の代替チョコレートが、「健康志向」「環境への低負荷」など、独自の特徴を生かした新しいカテゴリーとしてバレンタイン売り場に定着するか注目される。2026年シーズンを通じて、「カカオの味わいにこだわる」本物志向の顧客層にも一定の評価が得られれば、来年以降も価格や素材との相性面で採用が拡大するシナリオも想定される。
足元ではカカオ価格の下落が続いているものの、円安や原材料コスト高は中長期的に続くと見込まれるほか、各メーカーが高値時点で仕入れた在庫を抱えていることを背景に、バレンタインチョコの高値傾向は当面続く展開が想定される。そのため、消費者の選択幅を広げる狙いで「価格を抑えた代替素材ライン」と「高級カカオにこだわる“本物志向”ライン」の二極化が、今後進行する可能性もある。

