― 給食用牛乳の安定供給で物流課題地域を支える新モデルを検証 ―
日本テトラパック株式会社のプレスリリース
食品の加工処理機器および紙容器の充填包装システムを提供する日本テトラパック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ニルス・ホウゴー、以下 日本テトラパック)は、2026年6月より、鹿児島県大島郡与論町(与論島)において、学校給食で提供するロングライフ牛乳を活用した防災備蓄の実証実験を開始しました。
ロングライフ牛乳は、常温で長期保存が可能であることから、日常利用と災害時の備蓄を両立しやすい食品です。こうした特性から、ロングライフ牛乳は、チルド物流が難しい地域を中心に、学校給食用牛乳として長年利用されてきました。毎日学校給食で提供される牛乳にロングライフ牛乳を活用することで、特別な備蓄を行わなくても、日常の延長として災害時に活用できる点が、本実証の基盤となっています。
本取り組みは、学校給食で提供するロングライフ牛乳を、平時には給食で消費しながら備蓄として維持する「ローリングストック方式」を給食運営に組み込むことで、災害時の食料確保と給食の欠食防止を同時に実現する、学校給食を活用した防災備蓄の新たなモデルとして、全国で初めて実証を行うものです※。
日本テトラパックは、初期在庫として約4,500本(学乳供給本数の約9日分)を寄贈し、与論町が学校給食と連動した在庫循環の運用を行います。
※日本テトラパック調べ(2026年6月時点)。学校給食においてロングライフ牛乳を活用したローリングストック運用の実証として。

■ 背景|「物流が止まる」リスク
与論島では、台風や冬場のしけの影響により、航路の欠航や抜港が頻発する時期があります。与論島へ学校給食用牛乳を供給する乳業メーカーの調査によると、2026年1月には鹿児島から与論島へ向かうフェリーの26%が、欠航・抜港、または条件付き運航となりました。また、特に台風シーズンにあたる6~10月にかけて、航路の欠航や抜港が集中する傾向があります。こうした季節要因による物流制約が顕在化しやすい時期を見据え、台風シーズンの到来に合わせて6月より実証を開始することで、本モデルの有効性を検証します。
また、大規模災害時は港湾機能の停止や道路の寸断が発生した場合、学校給食を含む生活物資の供給が途絶するリスクを抱えています。こうした状況は離島に限らず、山間部や豪雪地帯など、物流制約を抱える地域に共通する課題となりつつあります。
■ 本取り組みのポイント
本実証は、従来の「使わずに保管する防災備蓄」とは異なり、学校給食を起点に、日常運用の中で備蓄を維持する新たな仕組みです。主な特徴は、以下の3点です。
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既存の学校給食インフラを活用した備蓄モデル
新たな設備投資を前提とせず、給食センターや学校における通常の運用の中に備蓄機能を組み込むことで、導入・継続のハードルを低減します。 -
消費と備蓄を一体化したローリングストック運用
日常的な消費と補充を通じて在庫を循環させることで、賞味期限切れや廃棄リスクを抑えながら、安定した備蓄を維持します。
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平時利用と災害対応を両立する供給設計
平時は給食として活用し、物流停止時や災害時には備蓄品として即時に転用可能な運用設計としています。
これにより、備蓄を維持しながら、災害時における給食の欠食防止と日常運用の負担軽減を同時に実現することが可能となります。
<ローリングストック 運用方法イメージ図>

■ 実証内容
本実証実験は、与論町がこれまで行ってきた学校給食用ロングライフ牛乳の運用をベースに、検証を目的として新たに初期在庫を追加し、日常消費と連動したローリングストックとして体系的に運用するものです。
平時は給食で計画的に消費しながら在庫を更新し、災害時や物流途絶時には備蓄分を活用することで、児童生徒の給食牛乳の欠食防止に加え、必要に応じて島民の食料としても活用可能な仕組みを検証します。
○ 実施概要
・内容:学校給食用ロングライフ牛乳の常温備蓄およびローリングストック運用
・初期在庫:約4,500本(学乳供給本数の約9日分)を日本テトラパックより寄贈
・対象:与論町内の全小・中学校(4校)
・期間:2026年6月より約1年間
・検証項目:在庫管理の実現性、賞味期限管理、作業負担、欠航・災害時の実使用状況 等
○ 製品特性
ロングライフ牛乳は常温で長期保存が可能です。開封後すぐにストローを使って衛生的に飲用でき、災害時に不足しがちなたんぱく質やカルシウムなどの栄養補給にも適しており、また飲用後もコンパクトにたためてスペースを取らないため、災害時の食料として非常に有効です。
ロングライフ牛乳について詳しくはこちらをご覧ください。


■ なぜ与論町か ― 地理的条件と、給食運用50年の歴史
与論町は、奄美大島と沖縄本島の間に位置する鹿児島県最南端の離島であり、本土から約560キロ離れた洋上にあります。台風や冬場のしけによる航路の欠航・抜港が日常的に発生するなど、物流制約が常態化している地域です。
また同町は、1977年に日本で初めてロングライフ牛乳を学校給食に導入した地域でもあり、来年には導入開始から50年の節目を迎えます。天候に左右されやすい物流環境の中でも給食を安定して提供するため、冷蔵設備や短い賞味期限に依存しないロングライフ牛乳の運用が定着してきました。半世紀にわたるこうした給食現場での実績が、今回の防災備蓄モデルの実証につながっています。
今回の取り組みは、こうした地理的・歴史的背景と地域特性を踏まえ、既存の給食インフラとロングライフ牛乳の保存特性を組み合わせることで、平時の給食運用と災害時の備蓄を両立する防災備蓄の新たなモデルを検証する先進事例として位置づけられます。
■ 関係者コメント
与論町長 田畑 克夫
「物流が止まる可能性と常に向き合う中で、子どもたちの給食と地域の安心をどのように守るかは大きな課題でした。本取り組みは、防災と欠食防止の両面から地域を支える新たな一歩になると期待しています。」
日本テトラパック株式会社 取締役副社長 上田 晃司
「ロングライフ牛乳の技術を、単なる保存性の向上にとどめず、社会のレジリエンスを支える仕組みとして活用していきたいと考えています。本実証を通じて、日常の中で無理なく備える新しいモデルの確立と展開を目指します。」
■ 今後の展望
日本テトラパックは、本実証で得られる知見を基に、離島のみならず、山間部、豪雪地帯、災害時の物流制約が懸念される地域においても、学校給食を起点としたロングライフ牛乳のローリングストックモデルの展開可能性を検証していきます。
■ 牛乳でスマイルプロジェクト
本活動は、農林水産省と一般社団法人Jミルクが推進する「牛乳でスマイルプロジェクト」の活動としても登録されています。
「牛乳でスマイルプロジェクト」ポータルサイトはこちら

■ テトラパックについて
テトラパックは、1951年にスウェーデンで創業した、食品加工と紙容器充填包装システムの世界的リーディング・カンパニーです。私たちは、「食品を安全に、そしてどこでも手に入るようにする」ことを使命とし、先進的な食品製造システムを提供しています。世界160以上の国で、24,000人以上の従業員が、お客様やサプライヤーと協力しながら、毎日持続可能な方法で食を守り続けています。私たちは、「大切なものを包んでいます (PROTECTS WHAT’S GOOD) ™」というモットーのもと、食品、人々、そして地球を守ります。テトラパックは、テトラパックグループの登録商標です。
詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。

