値上げしても支出が変わらない加工食品、支出が増える野菜 Logianが家計調査25年分を因果分析

Logian株式会社のプレスリリース

公的統計の因果構造を蓄積する「公開因果データベース」の第1弾。AIから参照できる無料版のウェイトリスト受付を開始と、各業界1社の先行パートナー募集を開始

Logian株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役:納富崇)は、総務省の家計調査と消費者物価指数の25年分の月次データを因果分析し、値上げに対する家計の反応が食品によって3つの型に分かれることを確認しました。加工食品は値上げされても、安い商品への切り替えを含めて購入量を減らし、支出額はほとんど変わりませんでした。一方、野菜や卵は値上がりで支出額が増え、いわし・さばなどの大衆魚は支出額ごと減りました。

本分析は、公的統計の因果構造を分析条件とあわせて蓄積する「公開因果データベース」の第1弾です。あわせて、AIから無料で参照できる公開版のウェイトリスト受付を開始しました。

■背景:値上げの「幅」は分かっても、家計がどう反応したかは分からない

消費者物価指数は値上がりの幅を示しますが、家計がそれに対して消費量を減らしたのか、支出額が膨らんだのかは分かりません。家計調査の支出額と並べても、「野菜が高い月は支出が多い」のが”値上がりのせい”なのか、”たくさん買われる月だから高い”のかは、単純な相関関係だけでは区別できません。

■分析の方法:公的統計25年分の価格と支出を因果分析

総務省の家計調査(品目別の支出額)と消費者物価指数(品目別の価格)の、2000年から2024年までの月次データを使いました。季節変動やトレンド、前月からの惰性を取り除いたうえで、因果探索手法LiNGAMの枠組みで、価格の動きが支出にどう伝わるかを推定しました。

加工食品については、結論が分析方法に左右されないかを確かめるため、「❶同じ月」「❷1か月の時間差」「❸価格が大きく動いた月の前後(544件)」の3通りで検証しました。さらに、世帯を年収5区分、世帯主の年齢6区分に分けて同じ分析を行いました。

■結果1:値上げへの反応は、食品によって3つの型に分かれる

型

主な品目

価格1%上昇で支出額は

実質的な購入量は

加工食品型

調味料、菓子、加工肉、練り製品、大豆加工品、乾物、パン・麺・粉、茶飲料、油脂、乳製品

ほぼ変わらない(約0%)

約0.9%減る

生鮮型

キャベツ、だいこん、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、バナナ、さんま、卵など

0.3〜0.6%程度増える

0.4〜0.7%程度しか減らない

弾力型

いわし、ぶり、さば、あじ、いか、ブロッコリー、れんこん

0.2〜0.9%減る

支出額以上に減る

加工食品の「支出額がほぼ変わらない」という結果は❶-❸の3通りの分析すべてで変わらず、価格が大きく動いた544件をまとめた推定でも、支出額の反応は+0.06(誤差±0.07)でした。購入量には、安い商品や小さいサイズへの切り替えも含まれます。

■結果2:野菜の値上がりの影響は、年収・年齢で分けても差が検出されなかった

野菜・海藻の価格が支出額を押し上げる関係は、全世帯と、年収5区分・世帯主の年齢6区分の計12の集団すべてで検出され、強さは0.34〜0.45の範囲でした(集団間の差を統計的に検定したものではありません)。

■結果3:値上げ前の「駆け込み買い」は、後で反転していた

加工食品の価格が大きく動く前の3か月に支出が増えた場合も、変動後にはその分が反転して減っており、買う時期を前にずらしただけと読めます。

■分析の限界

本結果は家計調査の世帯平均を月次で分析したもので、個々の世帯の行動を示すものではありません。価格が支出に影響する向きは分析の前提として置いています。価格は需要の側の事情でも動くため、とくにメーカーが価格を決める加工食品では、結果に偏りが入る可能性があります。

■代表コメント

値上げのニュースは毎月のように出ていますが、家計がそれにどう反応しているかは、意外と分かっていません。今回、国の統計データを因果分析すると、同じ値上げでも食品によって家計の反応がまったく違うことが見えてきました。こうした分析を、条件とセットで誰でもAIから引ける形にして、『なんとなく』ではなく根拠のある判断を増やしていきたいと考えています。

Logian株式会社 代表取締役 納富崇

■「公開因果データベース」の無料版、ウェイトリスト受付を開始

Logianは、公的統計から因果の向きと強さを推定し、どの条件で関係が残るかとあわせて蓄積する「公開因果データベース」を現在リソースを集中投下し構築しています。もう間も無く完成予定です。データ・期間・分析方法を1本の関係ごとに記録し、関係が見られなかった結果も収録します。現在、物価と家計の支出、サービス業の客数と売上、広告と売上など、99件の分析を収録しています。

公開因果データベースは、AIにLogian MCPを接続するだけで、会話の中から無料で参照できる形での提供を予定しています。現在、公開の案内を受け取れるウェイトリストへの登録を受け付けています。

ウェイトリストの登録:https://logian.jp/open-causal-db

■各業界1社の「先行パートナー企業」を募集

公開因果データベースの正式公開に先立ち、小売・飲食・サービス業など各業界から1社ずつ、先行パートナー企業を募集します。先行パートナー企業には、自社のデータと公的統計を組み合わせた因果分析を無償で提供します。分析の結果は、公開因果データベースの事例として公開します(掲載内容は事前にご確認いただきます)。応募が多い業界は選考とさせていただきます。

お申し込み:https://logian.jp/open-causal-db
(登録フォームで「先行パートナーに関心あり」にチェック)

今回のような公的統計データの分析結果はシリーズとして、Logianの自社HPで順次発表します。ウェイトリストにご登録いただいた方には、新しい分析を公開のたびにメールでお届けします。次回以降は、折込チラシと小売の売上の関係、サービス業の客数と売上の関係などを予定しています。

分析の詳細(グラフ付き):https://logian.jp/news/6J1JtVmu

■分析概要

項目

内容

データ

総務省「家計調査」(品目別支出額、年収五分位別、世帯主年齢階級別)、総務省「消費者物価指数」(品目別)。いずれもe-Statで公開

期間

2000年〜2024年の月次(品目・区分により公表期間が異なる)

対象

食料の品目・分類(生鮮野菜、鮮魚、果物、肉卵乳、調味料、菓子、加工肉、乾物、穀類、飲料ほか)

分析方法

因果探索(LiNGAM)、3通りの分析設計、年収・年齢別の部分集団分析

備考

世帯平均の分析。旬の時期のみ価格が公表される季節品目は除外

◼︎ 会社概要

会社名:Logian株式会社

代表者:代表取締役 納富 崇

本社:〒810-0072 福岡県福岡市中央区長浜1丁目1-34

事業内容:データ分析・因果データベースの開発

コーポレートサイト:https://logian.jp

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