ヴィーニョ・ヴェルデワイン協会のプレスリリース
気候変動は、地球に生きるものにとっての挑戦であり、課せられた義務でもあります。アヴェレーダ、ソグラぺ、そして、キンタ・デ・サンティアゴの環境保護への取り組みを知ってください。
今日ほど、持続可能性について話されることはかつてありませんでした。気候変動は遠い未来の漠然とした問題ではなく、すでに日々向き合うべき課題となり始めています。そのことを証明するかのように毎年繰り返される異常気象が、今すぐ行動を起こす必要性を警告しています。実際、十年以上前から多くの企業がこのテーマを議題にしてきました。
ブドウ畑を取り巻くテロワールに根本的に依拠するワインビジネスにおいても、環境へのインパクトを最小に抑える農法を取り入れようとする生産者がますます増えています。そのスケールと社会的責任から、ソグラぺとアヴェレーダは二つの代表例。キンタ・デ・サンティアゴは、その立ち位置から、小規模な生産者もまたこのテーマに取り組んでいる好例です。
ソグラぺ:二十年にわたる持続可能性への投資
ソグラぺは、持続可能性の分野におけるパイオニアを自認しています。“ホリスティック”な形でこの問題に向き合う彼らは、“環境保護”とは“経済効率と社会保全”とのバランス”が取れてこそ意味を成すものと考えます。同社は、“企業の活動と、ワインから消費者に至るまでの価値を保持するレジリエンスを高める好循環”を創り出し、価値の連鎖全体において持続可能な慣行を実施。その経験はすでに20年を越えます。節水、省エネルギー、土壌保護。そして、作物の保護に必要なプロダクトについても、環境に与えるインパクトを最小化すべく、その選択や適切な量、タイミングで使用するといった努力が、実際に行われているいくつかの方策です。
「しかし、何よりも、」とソグラぺ・ヴィーニョスのブドウ栽培責任者、ジョアン・ヴァスコンセロ・ポルトは言います。「社内での慣行実施にあたり、常に最新の知識が継続的に導入されるべく、スタッフに対してコンスタントな教育を提供することが重要なのです。」「ソグラぺが2000年代初頭に導入した統合農法は、今日に至るまで、持続可能性最大化の継続的発展に対し、“最良で最もバランスの良い”ソリューションをもたらしています。」ジョアン・ヴァスコンセロ・ポルトは明言し、説明を続けます。「弊社のブドウ畑に全面的に導入されているこのコンセプトに基づき、特定の有害な有機物の存在を恒常的かつ厳密にチェックすることが可能になります。そして、その数とブドウに及ぼすダメージが、被害を回避する対策費用を経済的に超えるレベルにいつ達するかまで、精密に判定できるのです。」
つまり、従来の農法で行われる予防的対策に比べ、「統合農法はより大きく結果にフォーカスしています。作業コスト低減による明らかな経済的メリットとともに、薬剤の低減やトラクター走行による土壌固化の緩和、および使用燃料低減による排出ガス減少その他により、環境へのインパクトを減らすことができるのです。」
ソグラぺは、2018年に持続可能性に関する最初の報告書を発表しています。そこでは、ブドウの遺伝資源の多様性保護や、ブドウ栽培と醸造プロセスにおける水資源の利用効率化といった、生産システムのレジリエンス向上を実現するための様々な投資について知ることができます。同社のポータルサイトにてオンライン公開されているこの資料のなかで、グループの代表者、フェルナンド・ダ・クーニャ・ゲーデスは断言しています。持続可能性が、企業の社会的責任プログラムにおける“重大な優先事項”であることを。
「長い道のりであることはわかっています。しかし持続可能性は、ソグラぺにとって現実的な懸案事項なのです。ポルトガルにおけるリーダーカンパニーである以上、業界に対し、環境、経済、社会的持続性といった面でアクティブに貢献してゆく責任があるのです。脅威を縮小し、チャンスを最大化すべく、協力文化のネットワークを盛り上げながら。」
アヴェレーダ:バランスの探索
アヴェレーダでは、農業エコシステムのバランスを追求するひとつの形として、持続可能性と向き合っています。「アヴェレーダにとっては、ブドウ畑はブドウの樹々に終始することなく、周辺環境すべてを包含しているのです。我々が追求する持続可能性とそのバランスもまた、より幅広い自然、とりわけ社会をも含みます。その意味で、たとえばポンテ・デ・リマのカブラサォンのプロジェクトのように、ブドウ畑で働くスタッフも、周辺に暮らす人々で構成されるよう努めているのです。」同社のブドウ栽培責任者は語ります。Boas Vinhas 誌8号でも取り上げた通り、アヴェレーダは、2020年までにカブラサォンに200ヘクタールのブドウ畑を造るべく7百万ユーロを投資しています。
「ブドウのエコシステムの仕組みに関する深い見識が、ますます畑への干渉を減らし、より持続可能的なアプローチを可能にしています。」特にミルデュの例を挙げて、ペドロ・バルボーザは続けます。「病害への深い知識が、より効果的なケアと少ない干渉を可能にするのです。そのようにして、環境へのインパクトを最小化し、区画の収益性を上げるのです。」
しかしそれだけではありません。アヴェレーダは、ブドウ畑の周辺環境においても積極的に活動しています。「樹高や開花期などが異なる様々な品種の樹で生け垣を造ることにより、野生生物の保護区を育てるのです。つまりそれが、生物多様性の通り道として作用するように。」彼は付け加えます。
そしてさらには、ブドウの植樹においてもそのメンテナンスにおいても、土壌への“極端なこだわり”があります。「土壌が安定するまでに長い年数がかかるのを我々は知っています。そしてだからこそ、土壌の微生物の“生命”を浸食から守り、育成するよう努めているのです。」自然に、あるいは播種により土を植物で覆うことは、進めてきた戦略のひとつです。
ペドロ・バルボーザは、持続可能性がアヴェレーダのDNAに刻まれていると信じています。「過去を振り返れば、ここ数十年の間にやってきたことの結果を現在に見ることができます。生命を宿す安定した土壌、すでに成長し機能している生け垣、バランスの取れたブドウ畑。」彼は胸を張ります。そして未来のために、すでに今取り組んでいます。
新しいテクノロジー資源も、その貴重なサポートです。たとえば、ドローンや探知機を用いることにより、各区画の状態をリアルタイムで調査し、「たとえば、水のマネジメントなどをより効率的かつ持続可能的にするための指標を得ることができるのです。」
キンタ・デ・サンティアゴ:環境を守護する家族の伝統
キンタ・デ・サンティアゴは比較的小規模な企業ですが、小さな生産者もまた持続可能性に敏感であるという意味での好例といえるでしょう。環境持続性の共有と実践学習のプラットフォーム、ポルト協定の創設メンバーとして、キンタ・デ・サンティアゴは今年、CVRVVにより、“ブドウと環境”賞を受賞しました。
「ブドウ栽培において、我々は安定した気候とエコシステムに完全に依存しています。すでに弊社のブドウ畑にも影響を及ぼす異常な気候条件に見舞われている近年、グローバルな変化とスピーディな実行が迫られているのです。ブドウ栽培でも、生産システムに複合的な対策プランを適用することで、今後の環境へのインパクトを有意に低減してゆく必要があります。しかも、環境活動とともに、企業および地域の経済活性に貢献する社会的持続可能な活動をベースとしてこそ、地球を守り、次世代のことを考えながら、我々の役割を果たすことができるのです。」ジョアナ・サンティアゴは断言します。
環境への配慮は、1899年から当家が所有する農園、キンタ・デ・サンティアゴにとって、決して新しいテーマではありません。「祖母は常々、大地とそこで働く人々に敬意を払うよう私たちに教えてくれました。いつもこう言っていたものです。”いいブドウがあってこそいいワインができるのよ。そして、目の前にある自然を大切にし、見守り、慈しんでこそ、いいブドウができるの“ それが、まさに私たちが毎日心がけていることなのです。」
ジョアナ・サンティアゴは、統合農法を取り入れることでそれを実践していると言います。除草剤を使わない、ブドウ畑を肥やすために家畜の堆肥を利用する、種を蒔いてミツバチが来る植物を茂らせる、誘引剤で害虫に対応する。それらは、土壌に適した水分量を保つことを促したり、あるいは病害の拡大を制御する動植物の生育を促し、薬剤の散布量を低減する結果にもつながるのです。「土壌の再生プロセスでは、堆肥化させたブドウ畑の副産物(果皮、葉、剪定枝)を再利用する、梱包材のマネジメントを行う、ブドウ畑の健康に対して予防的姿勢を取る、などを行っています。」また、”貴重な資産“である水資源の意識的な管理についても、ジョアナ・サンティアゴは付け加えます。
アデガ・デ・ポンテ・ダ・バルカ:すでにあるものをさらに生かして
醸造協同組合の側でも、環境保護に賛同する動きが顕著です。たとえば、より緊密な形で会員(実際にブドウを納めている農家は約600軒とはいえ、登録者数は1000軒に上る)の支援に努めるアデガ・デ・ポンテ・ダ・バルカのケース。「メンバーに対して、土壌保護と節水を中心に据えた生産を維持するよう推奨しています。」そう語る会長、アマンディオ・ド・ラゴは、さらに具体的に続けます。「除草剤の使用には反対し、機械化したブドウ畑の清掃や、点滴散水システムを勧めています。」
加えて、ブドウの病害に関しては、ブドウ栽培サポート技術者とのアクセスを会員に提供。「新しいプロジェクトの構想をサポートするほか、ブドウの衛生ケアや栄養管理についてのアドバイスも行っています。」組合はさらに、ブドウ農家が生産を向上できるよう、剪定に関する研修活動を行っています。
「健やかな環境の健やかなブドウこそ、持続可能な生産を保証するのです。」アマンディオ・ド・ラゴは語気を強め、醸造組合責任者としてさらに思い起こします。この地方では、ブドウは常に一年生作物やその他の農作物と一緒に植えられてきました。そのシステムは、「土壌を浸食から守り、エコシステムと生物多様性を保護していた」のです。
伝統に深く根ざしつつ、他と異なる価値を生み出す土着品種の擁護とともに、“ルーツは語る”をモットーとするアデガ・デ・ポンテ・ダ・バルカ。“すでにあるものをさらに生かす”ために、プログラムVITISも活用しました。十年の間に、450ヘクタールのブドウ畑の再構築についてサポートを受けました。ヘクタール当たりの収量が8000キロと倍以上に増えたことにより、栽培面積を増やさずして、また、エコシステムとミーニョ地方の景観を乱すことなく、ブドウ農家の収益性と生産量を上げることができたのです。
土壌の養分定着は、キンタ・デ・サンティアゴにとって重要な懸念のひとつ
アデガ・デ・ポンテ・ダ・バルカは、フィールドワークで会員をサポート
キンタ・ダ・アヴェレーダの老成した生け垣の俯瞰
ヴィーニョ・ヴェルデ・ワイン協会とは
ヴィーニョ・ヴェルデ・ワイン協会は、1926年、ヴィーニョ・ヴェルデにおけるワイン生産と販売を管理するために設立され、「ヴィーニョ・ヴェルデ」原産地統制名称(CAO)と「ミーニョ地方」地理的表示(GI)に関する地域および国の遺産を守ることを目的とした同業者団体です。