株式会社プラネットのプレスリリース
国内1,300社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は、消費財にまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第91号として、喫煙・禁煙に関する意識調査の結果をご紹介します。バックナンバー https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html
- 喫煙者は9年前より7pt減少、“非喫煙者”が8割を占める
施設など屋内での受動喫煙対策が強化される中、喫煙のあり方や禁煙に関心が集まっています。今回は、喫煙・禁煙をテーマにアンケートを行い、喫煙者・非喫煙者の割合やタバコを吸いたくなる場所、禁煙に成功したエピソードなどをまとめました。
はじめに、現在タバコを吸っているかどうかを聞きました。すると、「吸っている(喫煙者)」20.7%、「吸っていない(非喫煙者)」51.1%、「以前は吸っていたが、今はやめた(元喫煙者)」28.2%という結果でした。「非喫煙者」と「元喫煙者」を合わせた“非喫煙者”計は79.3%で、現在タバコを吸っていない人が約8割を占めました。
2009年のアンケート結果と比べると、「喫煙者」は27.6%から6.9ポイント(以下、pt)減少。一方で、「元喫煙者」は20.3%から7.9pt増加しており、この9年の間に、全体の約8%に当たる人が禁煙してタバコをやめたと推測されます
- 男性の4人に1人が今も吸っている
男女別に比べると、男性では“非喫煙者”計が73.5%、女性では88.5%。女性が男性を15.0pt上回りました。
女性に特徴的なのは、もともと吸っていない「非喫煙者」が73.0%と圧倒的に高いこと。男性では「非喫煙者」が37.1%、「元喫煙者」が36.4%と、僅差しかありませんが、女性の場合、もともとタバコを吸わない人が大半だとわかりました。一方で男性は、喫煙者から“非喫煙者”に移行した人の割合が女性に比べて高く、しかも現在の「喫煙者」が26.5%と、4人に1人以上。喫煙者への風当たりが厳しい今の時代にも、タバコを吸っている人は少なくないと言えそうです。
性年代別に見ると、男性には年代による傾向の違いが顕著でした。30代では「喫煙者」「元喫煙者」ともに低く、「非喫煙者」が64.7%と6割を超えていますが、年代が高くなるほど「喫煙者」が増加。50代の33.4%でピークとなり、以降は減少していきます。一方で、「元喫煙者」は年代とともに上昇し、70代以上では59.0%と約6割に。“非喫煙者”計も70代以上では84.1%に達しています。忙しい働き盛りの年代となるにつれ、喫煙者が増えていく一方で、加齢に伴い健康が気になり始め、禁煙する人が増えていくと考えられそうです。
- やはり“飲食店で吸いたい”が喫煙者の本音
タバコを吸っている人(喫煙者)に、どこで吸いたいと思うかを聞きました。
1位は「自宅」74.8%、2位「飲食店」69.5%、3位「ホテル」44.2%、4位「職場(自席や共有スペースなど)」42.9%と、上位は屋内が占めました。東京都など、今後は飲食しながらの喫煙ができなくなる店が増えていきそうですが、実は喫煙者の7割が飲食店でタバコを吸いたいと望んでいることがわかりました。喫煙者にとってはますます厳しい時代になりそうです。
男女差に注目すると、ほとんどの項目で、男性の数値が女性を上回っていました。中でも、その差が特に大きかったのが、「職場」(男女差22.7pt)と「路上」(同20.7pt)。男性の32.1%が「路上」で、半数近い47.9%が「職場」でタバコを吸いたいと回答していました。最近は、喫煙できる場所が制限された職場が増え、また路上喫煙が禁止されている区域もあります。それでも、職場や路上で自由にタバコを吸いたいというのが男性喫煙者の本音のようです。
- 喫煙者も「完全分煙」のほうが気兼ねなく吸える
飲食店で喫煙したいと回答した人に、具体的にどの飲食店で喫煙したいかを選んでもらいました(表3)。すると、1位「居酒屋・バー」79.6%、2位「コーヒーショップ・カフェ」78.5%が僅差で並びました。以降は、3位「焼き肉屋」58.1%、4位「ファミレス」55.6%、5位「ファストフード」43.3%、6位「お好み焼き屋」41.5%と続きます。1位、2位は飲み物を提供する店が占め、食事をする店は3位以下となりました。“お酒を飲むとタバコが吸いたくなる”とよく聞きますが、やはり、アルコールやコーヒーなどの嗜好飲料とタバコとは切り離せないもののようです。
最近は、全席喫煙可の飲食店はめっきり減り、禁煙や分煙の店が増えています。全席禁煙・分煙・全席喫煙可のどの飲食店を利用したいかを聞き、結果を喫煙者・非喫煙者別に調べました(表4)。
すると、喫煙者では、「完全分煙のお店」が51.7%で最多。次いで「全席喫煙可のお店」23.1%、「席やスペースだけ分煙のお店」16.2%でした。一方、非喫煙者では、「禁煙のお店」が68.0%と7割近く。「完全分煙のお店」が25.1%、「席やスペースだけ分煙のお店」はわずか3.0%でした。非喫煙者にとっては、喫煙スペースから流れてくる少しの煙やタバコのニオイも、がまんできないものであることがうかがえます。
意外なことに、喫煙者でも「全席喫煙可のお店」より「完全分煙のお店」を望む人が多いことがわかりました。喫煙者の肩身が狭い風潮にあって、「完全分煙のお店」のほうが気兼ねなくタバコが吸えて居心地がいいのかもしれません。
- 女性のタバコは心の安定剤、男性のタバコは自己のスタイル
今度は、喫煙者を対象に、禁煙する意向があるかどうかを尋ねました(表5)。すると、「禁煙する予定(時期は決まっている)」は5.6%と1ケタ。「いつか禁煙する予定(時期は未定)」が40.7%、「禁煙する予定はない」が53.7%で半数を超えていました。「いつか禁煙する予定」という人も、時期が未定ということは、“当面は禁煙するつもりはない”のが本心なのかもしれません。喫煙者にとっては厳しい今の時代、喫煙者には、“これからも吸い続ける”という固い意志があるのかもしれません。
それほどまでにタバコを吸いたいと思うのはなぜなのか。「禁煙する予定はない」と答えた人に、タバコをやめたいと思わない理由を聞いてみました(表6)。1位は「自分にとってのリラックスタイムだから」54.6%、2位「自分の生活スタイルだから」49.3%、3位「タバコを吸うと気分転換になるから」47.7%という順になりました。
注目したいのは男女別の結果です。男性では、僅差ながら1位と2位の順位が逆転し、「自分の生活スタイルだから」が50.4%で1位。一方、女性では、「自分にとってのリラックスタイムだから」が73.1%と圧倒的に高く、男性との差は23.6ptもありました。全体で3位の「タバコを吸うと気分転換になるから」も53.8%で2位、全体4位の「吸わないとストレスが溜まるから」が48.4%で3位にアップ。反対に、男性では1位の「自分の生活スタイルだから」は45.2%で、4位でした。女性には「リラックス」や「ストレス」解消など、メンタルの安定のためにタバコを吸う傾向があるのに対し、男性の場合、喫煙が自身のライフスタイルや生活信条につながっていることがうかがえました。
- 男性は健康のため、女性はニオイのためにタバコをやめる?
元喫煙者と禁煙する予定の人に、禁煙したきっかけ、または禁煙したいと思ったきっかけは何かを聞きました。1位は「自分の健康のため」61.4%で、2位以下を大きく引き離していました。「健康」を意識して禁煙を決意する人が多いことがわかります。2位には「タバコ代が高いから」37.4%が入り、以降には「喫煙可能な場所が減ってきたため(飲食店、路上など)」17.5%、「配偶者・パートナーの健康のため」16.8%、「自分の口臭や煙のニオイが気になるから」15.1%が並びました。
男女差に注目すると、最も差が大きかったのは「配偶者・パートナーの健康のため」。男性が女性を10.5pt上回りました。「自分の健康のため」も男性のほうが8.3pt高く、男性のほうが「健康」を理由に禁煙する傾向が強いことがわかります。一方、女性が男性を大きく上回っていたのが、「自分の口臭や煙のニオイが気になるから」で、9.7pt差がありました。全体では5位の項目ですが、女性では22.7%で3位。他人のではなく“自分の”タバコくささが禁煙のきっかけになるというのは、女性に顕著な傾向と考えられそうです。
- “健康”だけでは難しい禁煙の秘訣とは…孫、タバコ代、結婚?
最後に、禁煙に成功したエピソードや禁煙の秘訣を教えてもらいました。やはり多かったのは、病気をきっかけに禁煙を決意したという回答。しかも、肺がんや心筋梗塞など、深刻な状態を突きつけられて初めて禁煙できた人が多いとわかりました。一方で、かわいい孫のために禁煙したという声も目立ちました。タバコ代の高さに改めて気づき、それが禁煙のモチベーションになったという人も。そして、思いがけずに多かったのは、“結婚を機に禁煙した”というエピソードでした。こうして回答を見ていると、単に健康を意識するだけでは、なかなか禁煙の成功には結びつかない様子。“孫”“タバコ代”“結婚”など、タバコ以外にほしいものや大事な目標を見つけることが、禁煙に成功する早道なのかもしれません。
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