コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社のプレスリリース
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:カリン・ドラガン、以下 当社)は、世界最大級のPET樹脂およびポリエステル繊維のメーカーである台湾の遠東新世紀株式会社(本社:台湾台北市、会長:徐旭東、以下、「遠東新世紀」)とケミカルリサイクル(注1)による再生PET原料を使用したPETボトルの製品化に向けた共同プロジェクトを開始しました。本プロジェクトでは、当社一部販売エリアにおいて年内を目途に再生PET原料を使用したPETボトル製品の試験販売を目指し、数年後の商業化を視野に入れています。
【ケミカルリサイクルによる再生PET製品の製造工程】
「TopGreen® ChemCycle」以外の一般的なケミカルリサイクルは、使用済みPETボトルをPET樹脂製造時の中間原料に戻し、精製したあと、PETに再重合するという手法ですが、遠東新世紀が新たに開発した「TopGreen® ChemCycle」では、PET樹脂の原料であるPTA(高純度テレフタル酸)にまで変換します。PTAにまで変換することで、よりバージンPET樹脂の品質に近い、再生PET原料の製造を実現しました。本プロジェクトにおいて使用予定のPET樹脂は、「TopGreen® ChemCycle」によって製造されたrPTAを原料の一部として使用しており、従来から使用しているPETボトル用原料と同等の品質および安全性を有しています。
遠東新世紀は、30年以上前からPET樹脂のリサイクルに取り組んでおり、特にケミカルリサイクルに力を入れています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、コカ・コーラシステムの「容器の2030年ビジョン」において、2025年までにすべてのPETボトル製品にリサイクルPET樹脂などのサスティナブル素材を使用することを目指し、「ボトルtoボトル」リサイクル活動に取り組み、PETボトルの製造に石油由来の原材料を使用しないことを進めています。そのため、当社は商業規模でのPET樹脂のケミカルリサイクルプロセスの確立を支援し、革新的な「TopGreen® ChemCycle」プロセスを試験運用するために遠東新世紀と共同プロジェクトを開始いたしました。
注1: ケミカルリサイクルとは
回収された使用済みPETボトルを選別、粉砕、洗浄して異物を取り除いた後に、解重合を行うことによりPET樹脂の原料または中間原料まで分解、精製したものを重合して新たなPET樹脂とするものです。解重合にはエチレングリコール(EG)を加え、樹脂製造時の中間原料であるビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)にまで戻します。これを精製した後、PETに再重合するというものです。ケミカルリサイクルの特徴は解重合/再重合の間に異物、異種材質が取り除かれ、バージン樹脂と同等に品質の高いPET樹脂に再生できることです。
(出典:PETボトルリサイクル推進協議会)
■「容器の2030年ビジョン」とは(https://www.ccbji.co.jp/csv/environment/?id=tab3)
【遠東新世紀株式会社について】
1949年設立の台湾台北市に本社を有する世界有数の化学品メーカー。247のグループ会社を有し、そのうち9社が台湾証券取引所に上場。2019年の売上高は、243億米ドル、従業員数は65,500人。リサイクルレジンでは、世界2位の規模を誇る。日本では、2012年5月に日本の総合容器メーカー石塚硝子株式会社の合弁で遠東石塚グリーンペット株式会社(以下、FIGP)を設立。本社、東京工場を日本茨城県猿島郡境町に設置。飲料メーカーと非飲料メーカーにリサイクルペット(R-PET)レジンを製造・販売する、いわゆる“ボトルtoボトル”のメカニカルリサイクル事業を営んでいる。FIGP東京工場は2014年から商業生産を開始しており、年間のベール処理量が50,000トン、R-PETレジン生産量が35,000トンの日本最大のR-PET工場である。
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