雪国まいたけPR事務局のプレスリリース
11月14日は世界糖尿病デーであり、11月は糖尿病予防月間です。今年は、新型コロナウイルスに感染すると重症化につながる基礎疾患の一つとして糖尿病が注目されましたが、先月28日に発表された2019年国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合が男性19.7%、女性10.8%とこの10年間で最も高い比率になったことが明らかになりました。
しかし、「健康診断で血糖値に異常はないし、私は大丈夫」と思っている方も多いのではないでしょうか?実は近年、健康診断では見つからない、“血糖値の異常”が糖尿病の前段階であるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞、がん、認知症などあらゆる生活習慣病を引き起こす万病の元であることが分かってきました。それが、食後に血糖値が急上昇する「食後高血糖」です。健康診断では見つからず、しかも若くて痩せている人でも起こる可能性があることから、「隠れ高血糖」とも言われています。
- 健康な人も油断大敵!全国1400万人いる「隠れ高血糖」の落とし穴
通常、食後に血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され上昇を抑えてくれます。しかし、「隠れ高血糖」の人はインスリンの分泌量が少なかったり、分泌速度が遅かったりし、“食後の短時間だけ”正常範囲を超えて急激に血糖値が急上昇。血糖値の乱高下を繰り返すため、重大な心血管疾患を発症するリスクが高くなります。また、血糖値を下げようとするインスリンの過剰分泌が、がんや認知症の誘発にも関係することが分かってきました。この恐ろしい「隠れ高血糖」…厄介なことに、自覚症状がなく、普段の空腹時の血糖値は正常のため、健康診断では中々見つかりません。
九州大学が福岡県久山町と共同で実施している健康調査(※1)では、40-79歳の住民約3000人の約2割にあたる住民が「食後高血糖をきたしやすい糖尿病予備群」であることが分かりました。このデータを全国に当てはめると、日本全体で食後高血糖をきたしやすい「隠れ高血糖」の人は推定で1,400万人以上いることになります。
※1 出典:Naoko M, et al: Trends in the prevalence of type 2 diabetes and prediabetes in a Japanese community, 1988–2012: the Hisayama Study:10:198–205,2019
※2 出典:心血管病 Fujishima M, et al: Diabetes 45 (Suppl.3) : S14-16, 1996 / 癌死亡 Hirakawa Y, et al: Am J Epidemiol 176: 856-864, 2012 /認知症発症 Ohara T, et. al. Neurology 77:1126-1134, 2011
- 今年は、コロナ禍で患者の7割も血糖値が悪化!寒い冬はさらに注意!
糖尿病専門医によると、今年の冬は特に血糖値の上昇に注意が必要と言います。その理由の一つが、「コロナ禍による生活変化」。
糖尿病専門医に4月~7月の血糖値の変化を伺ったところ、4名中3名の先生が約7~8割の患者さんで血糖値が悪化した(※当事務局調べ)と回答しました。健康だと思い込んでいる「隠れ高血糖」の人は注意が必要です。
そして、血糖値に注意しなければならないもう一つの理由が「寒い冬」。冬は寒さ・冷えによる自律神経の乱れ、食べ過ぎ、運動不足などが重なり、「血糖値」が上昇傾向にあることが分かっています。気象庁によると、今年はラニーニャ現象の影響により、東日本以西は3年ぶりに寒い冬となるという予報が発表されました。
- コロナ禍で血糖値が悪化する原因とは?
コロナの影響による、運動不足、食生活の乱れ、ストレス過多や自律神経の乱れはすべて、血糖値上昇のリスクとなります。
- 隠れ高血糖は「まいたけファースト」で改善!
血糖値の上昇が心配な今年の冬こそ気を付けたい「隠れ高血糖」。銀座泰江内科クリニック院長・泰江先生によると、「隠れ高血糖」対策として効果的なのは、血糖値を上げない食べ方だと言います。中でもよく紹介されるのが「ベジ・ファースト」です。野菜だけをまず先に食べ、食物繊維を腸壁に広げることで、糖質や脂質の吸収を遅くするというもの。しかし、野菜だけを先に食べるのは、意外に大変!
そこで、泰江先生が推奨するのが、野菜だけでなく、肉・魚も一緒に食べ、炭水化物のみを最後に食べる方法。肉や魚を先に食べると、それらに含まれる脂肪やたんぱく質の働きで「インクレチン」というホルモンが分泌されます。この「インクレチン」はすい臓のβ細胞を刺激しインスリン分泌を促進したり、胃腸の働きや消化吸収を緩やかにするため、血糖値の上昇を抑制してくれます。
さらに、泰江先生がおすすめしたいというのが「まいたけファースト」です。
<参考>
朝食時に「まいたけ」をおかずに米飯と一緒に摂取することで、朝食後ならびに昼食後の血糖値上昇を有意に抑制する効果が「まいたけ」にあることがヒトで確認されました。
出典:「糖質摂取後の血糖値上昇に及ぼすマイタケ抽出物質の影響」
- 毎日の食事に取り入れやすい!「塩麴まいたけ」
日本糖尿病療養指導士であり、これまで1万件以上の栄養指導を行ってきた銀座泰江内科クリニック・管理栄養士の望月美希先生に、血糖値上昇を抑える効果が期待できるまいたけレシピを伺いました。
望月先生によると、近年の研究で腸内環境が血糖値コントロールに影響を与えることが明らかになったと言います(※3)。そこで今回教えていただくレシピが、「塩麴まいたけ」。 「食物繊維が豊富な『まいたけ』と発酵食品である『塩麹』、さらに腸内で潤滑油の役割を果たす『オリーブ油』を和えるだけの簡単レシピです。「塩麴まいたけ」は腸内環境を整え、血糖値改善効果が期待できることはもちろん、和食・洋食とも合い、毎日の食事に取り入れやすいのでおすすめです。」
※3 出典:Gut bacteria may contribute to diabetes in black males(イリノイ大学 2015年3月5日)
~「まいたけ×塩麴」は血糖値上昇を抑える最強の組み合わせ~
パパっと3分!塩麴まいたけ
<材料>
・まいたけ 1パック(100g)
・★塩麹 小さじ1
・★おろししょうが 小さじ1/2
・★オリーブ油 小さじ1/2
・白ごま 適量
<作り方>
①まいたけは手で食べやすい大きさに割く。耐熱皿にのせラップをし、600Wのレンジで2分温める。
②★の調味料を合わせて、加熱したまいたけと和える。
③器に盛り、お好みで白ごまをかけて完成。
【望月先生のPOINT解説】
まいたけを手で割くときは細かくしすぎないことがポイント。大きめに割くことで、食べる際の咀嚼回数を増やし時間をかけて食べることができます。この『塩麴まいたけ』を食事の最初に食べる、特にセカンドミール効果が期待できる朝食の最初に食べることで隠れ高血糖の予防につながります。『塩麴まいたけ』は時短・簡単・美味しいだけでなく、スープやあんかけ、オムレツの具材など様々な料理にもアレンジできる優秀な一品です。
<レシピ監修>
管理栄養士 望月美希 先生
2012年大学卒業。同年、管理栄養士国家資格を取得。糖尿病専門クリニックに勤務。2015年日本糖尿病療養指導士を取得。1万件以上の栄養相談を行っている。
モットーは、対面による個別カウンセリングだけでなく、クラークや待合室でのふれあいの中で患者さんに寄り添うこと。
- “食後すぐの軽い運動”が血糖値の急上昇を防ぐ!
食事と同様に重要なのが、「運動」。食後およそ15分間は、消化吸収のため血液が胃や腸に集中します。この時間帯にあえて体を動かすことで胃腸に集まった血液を手足の筋肉に分散させると、胃腸の動きが鈍くなり、糖の吸収が抑えられます。血糖値は食事を始めてからおよそ15分で上昇を始めますので、食後すぐに軽い運動することが効果的です。
そこで、泰江先生が推奨しているのが、「進化版かかと落とし」。筋肉の6割が足の筋肉・ふくらはぎは第二の心臓とも言われているため、ここを効率的に使うと糖の取り込みがよくなると言います。
通常の「かかと落とし」を効率よく行うために使用するのが「竹踏み」。つま先を「竹踏み」にのせ、かかとを上下させる運動を食後すぐに1セット30回、毎食後に行うだけでOK。
つま先より下にかかとを落とすことで、ふくらはぎの筋肉「下腿三頭筋」に負荷がかかりやすくなり、効果が高まるのだそうです。家事の合間や、立ち仕事の際もさりげなく実践できますので、おすすめです。
「まいたけファースト」、そして「進化版かかと落とし」ともに、生活に取り入れやすい血糖値改善法ですので、運動不足や過食、ストレスで血糖値が心配・・・という人も、ぜひ実践してみてください。
- 医師プロフィール
銀座泰江内科クリニック院長
泰江 慎太郎(やすえ しんたろう)先生
京都大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。日本糖尿病学会専門医、日本循環器学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。社団法人メディカルヘルスケア協会代表理事。これまでに10万人以上の糖尿病患者を診療。海外のVIPからも多数診察依頼があり、担当している。