江崎グリコ株式会社のプレスリリース
江崎グリコ株式会社は、食品製造に必要な原料をサプライヤー各社と共同で一括管理する新たな物流体制「VMIセンター導入による調達物流の最適化」の取り組みが、この度、「令和2年度 グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」において「経済産業大臣表彰」を受賞しました。本受賞において、2020年12月16日に授賞式が行われ、経済産業省の江島潔 副大臣から表彰状が授与されました。
※VMI:Vendor Managed Inventorの略でベンダーによる在庫管理
- 授賞式について
(写真前列中央)経済産業省の江島潔 副大臣 (写真前列右)当社常務執行役員の飛田周二
12 月 16日(水)に日経カンファレンスルーム(東京都千代田区)で開催された「グリーン物流パートナーシップ会議」において、「令和2 年度 グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」の授賞式が行われ、江崎グリコが本取り組みに関わったパートナー企業9社とともに共同で表彰されました。今回の受賞は「自動車や小売業界で広く運用されているVMIを、食品製造業界でも取り入れ、荷主企業と物流事業者が連携して持続可能な物流モデルの構築に取り組み、調達物流の最適化につなげた点」が評価されたものと考えています。
- 受賞内容について
江崎グリコは、2019年10月より原料をサプライヤー各社と共同管理する新たな物流体制「VMIセンター導入による調達物流の最適化」の取り組みを開始しました。当社では、製品製造にあたって、小麦から香料に至るまで数千種類にわたる原料を扱っており、サプライヤーは数十社に及びます。従来、サプライヤー各社が配車する原料を載せたトラックが、全国に点在する工場に対し、受注の都度、個別に納品を行っていました。しかし、輸送における積載率の低さや工場での各社トラック集中による荷下ろし渋滞の発生など、非効率な状況が続いていました。これらを解消するため、新たな物流体制「VMI」を構築し、2019年10月に「関東VMIセンター」を埼玉県加須市で稼働させました。同センターでは当社連結製造子会社のグリコマニュファクチャリングジャパンの全14工場のうち、関東 5 工場(那須工場、茨城工場、北本工場、千葉工場、東京工場)を対象とし、約170種類の常温原料を扱っています。この物流体制は、高い精度の需要予測を必要とし、サプライヤーは当社が出す需要予測をベースに、一度あたりの納入量や納入タイミングをはかることで、より効率の良い納品が可能となります。これらの取り組みにより、サプライヤーは納入回数を減らすことができ、当社にとっても荷下ろし業務の効率化につながり、生産性の向上に寄与します。また、トラックの運行回数が削減され、荷下ろし渋滞も解消されることから、最終的に CO2の削減にもつながります。VMIは、主に自動車や小売業界などでは広く運用されていますが、食品製造業界での運用はあまり例がなく、当社とパートナー企業にとって新たな試みでした。
≪取り組みによる効果≫
■環境負荷の低減
トラックの運行回数削減により、約 518 トン/年(▲75%)の C02を削減
※サプライヤー各社から収集した2019~2020年の実績を年換算
■物流業務における生産性向上
サプライヤーの納入回数削減により、6,384台/年(▲34%)のトラック荷受け台数を削減
■ドライバーの労働環境改善
パレットでの荷下ろしを可能にしたことにより、重筋作業の撤廃および作業時間の大幅短縮
≪取り組みの概要図≫
- 今回共同で受賞したパートナー企業
川西倉庫株式会社、グリコ栄養食品株式会社、国分グループ本社株式会社、塩野香料株式会社、
長岡香料株式会社、新田ゼラチン株式会社、不二製油株式会社、松谷化学工業株式会社、
ヤマエ久野株式会社 (五十音順)
- 「グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」について
「グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」は、物流分野における環境負荷低減や、物流の生産性向上等の持続可能な物流体系の構築に関し、特に顕著な功績のあった事業者に対し、経済産業省・国土交通省などがその功績を表彰するものです。当社は、2018年に開催された「平成 30 年度 グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」においても、日本貨物鉄道株式会社ならびに全国通運株式会社の 3 社共同での「調達物流~製品輸送を組み合わせた 31ft コンテナラウンドユース」の取り組みが評価され、「経済産業省商務・サービス審議官表彰」を受賞しています。
近年、物流業界を取り巻く環境は大きく変化しており、人手不足や労働環境の悪化、環境汚染など、さまざまな社会課題を抱えています。食品を製造・販売する当社としては、このようなサプライチェーンの環境社会配慮を、重要課題の一つと捉えています。江崎グリコは、持続可能な社会の実現に向け、上流にあたる原料調達から下流にあたる完成品配送に至るまでの物流プロセスの最適化を目指し、今後もグループ内外のさまざまなパートナーと協力しながら、環境負荷の低減や物流に携わる方々の生産性・労働環境改善などに取り組み、さらなる貢献を目指します。
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