厚労省の「大麻等の薬物対策のあり方検討会」に対し、 北海道ヘンプ協会が緊急声明を発表

一般社団法人 北海道ヘンプ協会のプレスリリース

~農業や経済振興の側面を全く検討をしないことに強い危機感を抱いている~

厚生労働省がさる1月13日に設置した「大麻等の薬物対策のあり方検討会」にたいして、1月20日の第1回検討会の開催を受け、一般社団法人北海道ヘンプ協会(HIHA)は、同検討会座長と検討委員および事務局の同省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長に下記の「緊急声明」と関連する参考資料を2月4日と同20日に送付しました。
第2回検討会が2月25日に開催の予定ですが、産業用大麻(ヘンプ)の普及を目指す当協会は、同検討会がもっぱら薬物としての大麻の規制強化のみを検討することに強い危機感を抱いています。

民間初の研究者免許によるヘンプの試作栽培(2015年7月北海道)-2

検討会の開催要領によれば、検討の目的は専ら大麻規制を含む薬物関連法制と薬物対策のあり方に関する議論が中心であり、報道等によれば使用罪の導入などが検討予定とのことです。
こうした議論によって大麻草(日本の麻とヘンプを含む)が危険な薬物との間違った認識が国民に広がり、本来は有用な農作物であり、縄文時代から利用されてきた伝統文化的にも重要な大麻草への偏見がますます助長され、全国でわずか10数ヘクターまで減少した日本の麻が絶滅するとともに、海外で急速に発展中の産業用大麻(ヘンプ)をわが国では栽培できないことになりかねません。これは国益に反する全く後ろ向きの検討方向と言わざるを得ません。
今、世界では、ヘンプの茎、葉、花、子実を原料として、衣料品、食品、化粧品、建材、自動車内装材、飼料、敷料、漢方薬、CBDオイル、医薬品など、環境や人にやさしい多様な商品が製造販売されており、その市場は右肩上がりに成長しており、こうしたヘンプ産業は、持続可能な社会にむけた新たなアグリビジネスとして世界中で注目されています。

世界で可能なことがなぜ日本ではできないのか。私ども北海道ヘンプ協会は、制定後70年以上も経過し、時代遅れとなった大麻取締法はじめ大麻関連法制の速やかな見直しと改正を強く求めます。そもそも現行の大麻取締法は、THC(テトラヒドロカンナビノール:マリファナの有効成分で日本では合成品が麻薬に指定)の有無、多少にかかわらずすべての大麻草を規制対象としており、この成分を全く含まない海外のヘンプまでも栽培禁止とする極めて不合理な法律です。
まずは、こうした大麻取締法における大麻の定義を見直し、全ての大麻草を対象とした植物体の部位別規制から、国際標準となっているTHCの含有量による規制に移行し、利用目的とTHC含有量に応じた品種区分とそれぞれの区分に応じた適切な法的整備を提言いたします。
検討会には、科学的な知見に基づき、国民に公開された透明性の高い議論によって、国際的に恥ずかしくない大麻関連の法的整備を政府に提言していただくよう要望いたします。
詳しくは、下記の緊急声明をご覧ください。

・厚生労働省大麻等の薬物対策のあり方検討会への緊急声明 (日本語版)
・Urgent Statement to the Investigative Commission on Measures for the Control of Cannabis and Other Drugs of the Ministry of Health, Labour and Welfare (英語版)

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