【開催レポート】味の素株式会社「ラブベジ®」の日制定記念「野菜をもっととろうよ!」オンライン記者発表会

味の素株式会社(GC部)のプレスリリース

 味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、2月25日(木)に、「ラブベジ®」の日 制定記念「野菜をもっととろうよ!」オンライン記者発表会を開催しました。

 「ラブベジ®」とは、「野菜をもっととろうよ!」をスローガンに、国(厚生労働省健康日本21)が推奨する「野菜の摂取目標1日350g以上」の実践を応援する当社のプロジェクトです。プロジェクト名は「Love(愛)」+「Vegetable(野菜)」の造語からきています。旬の野菜をふんだんに使い、“調理”で野菜の魅力や栄養素を引き出した、野菜がおいしいレシピ・献立を提案します。野菜に興味を持ち、好きになることで、たくさん野菜を摂取できることを目指しています。また、時短調理や使い切りにも工夫をしています。

 今回、3月1日が「ラブベジ®」の日に制定されたことに伴い、イベント「野菜をもっととろうよ!」記者発表会と題して、当社取締役社長 最高経営責任者の西井より「ラブベジ®」プロジェクトの展望をお伝えしました。また、女子栄養大学の武見ゆかり教授、管理栄養士の柴田真希氏をお招きし、コロナ禍の今、改めて野菜を食べることの重要性を考えるトークセッションや、野菜をお いしく手軽に摂取できるレシピの紹介・試食を通じて、野菜摂取促進への解決策を提案しました。

<開催概要>

■名   称:「ラブベジ®」の日 制定記念「野菜をもっととろうよ!」オンライン記者発表会

■登壇者:女子栄養大学 大学院 研究科長 女子栄養大学 教授 武見 ゆかり 氏

     管理栄養士・料理研究家 柴田 真希 氏
         味の素㈱ 取締役社長 最高経営責任者 西井 孝明
     味の素㈱ 名古屋支社 家庭用第2グループ 出口 桂
         味の素㈱ 大阪支社 家庭用第2グループ 萩原 恵
         味の素㈱ 九州支社 家庭用第1グループ 坪井 将希
 

  • 主催挨拶                                             味の素㈱ 取締役社長 最高経営責任者 西井 孝明

◆味の素グループが目指すビジョン
アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人びとのウェルネス(こころとからだの健康)を共創します。

 2030年までに味の素グループは①世界中で10億人の健康寿命を延伸 ②事業を成長させながら、環境負荷を50%削減させることをビジョンとし、①の健康寿命の延伸のためには、若いうちからこころとからだの健康を維持することがとても大切であると考えています。
そのため、「妥協なき栄養」の実現に向けて、おいしい減塩とたんぱく質摂取に焦点を当て、栄養バランスの良い食事を広く普及させていきたいと考えています。

 

味の素グループの考える「妥協なき栄養」

味の素㈱ 取締役社長最高経営責任者 西井 孝明味の素㈱ 取締役社長最高経営責任者 西井 孝明

・おいしさを妥協しない

味の素グループは、独自のアプローチである「アミノ酸のはたらき」を活用し、おいしさと健康を両立させていきます。

・食へのアクセスを妥協しない
味の素グループは、「アミノ酸のはたらき」を活用したイノベーション、製品と原料、そして流通、価格、利便性に対する取り組みによって、より多くの人々が栄養価の高い健康的な食事をこれまで以上にとれるようになることに貢献します。          

・地域の食生活を妥協しない
味の素グループは、各地の慣習、食の嗜好、資源、原料、ステークホルダーを尊重しながら、当社グループのオペレーションモデルを適応させています。

 当社は、この「妥協なき栄養」の考え方に基づき、行政や生産者、流通業、メディア等、地域内関係者との協働で地域の「食と健康の課題解決」を推進するために、「勝ち飯®」や「九州力作野菜・果物」と並んで、この「ラブベジ®」に取り組んでいます。旬の野菜をふんだんに使い、“調理”で野菜の魅力や栄養素を引き出し、野菜がおいしいレシピ・献立で野菜に興味を持ち好きになることで、たくさん野菜を摂取できることを目指しています。
 

  • 「ラブベジ®」プロジェクト紹介
    味の素㈱ 名古屋支社 家庭用第2グループ 出口 桂
    味の素㈱ 大阪支社 家庭用第2グループ 萩原 恵
    味の素㈱ 九州支社 家庭用第1グループ 坪井 将希

 

 

◆ 「ラブベジ®」発祥の地、東海エリアでの取り組み

「ラブベジ®」は、東海エリアの野菜摂取量が少ないという課題を解決するために当社名古屋支社の若手社員が中心となって立ち上げたプロジェクトです。
 愛知県は野菜摂取量が少ないにも関わらず、キャベツが全国屈指の出荷量を誇ることに着目し、ホテルナゴヤキャッスルの鈴木シェフにキャベツ使い切

りメニュー開発を依頼しました。また、地元のママ達が参加しているNPO団体と連携して座談会を開催し、“子どもに野菜を食べてほしい”という課題を強く持っていることが浮き彫りになりました。そこで、野菜が子どもたちにとって身近なものとなるよう「絵本仕立てのメニューブック」を制作。「野菜のシール」を付けることで、子どもたちが思わず手にとってしまう仕掛けも盛り込みました。
 その他、岐阜県中津川市のカット野菜メーカー、サラダコスモ社との「ラブベジ®」コラボ商品の発売や、メディアタイアップ、地元情報誌とのレシピコンテストの共同開催による生活者への直接アプローチなど、あらゆる角度から「ラブベジ®」推進を図ってきました。
 そして、徐々に全国へ展開し、「ラブベジ®」は現在、37都府県に広がる大きなプロジェクトとなりました。

◆全国に広がりを見せる「ラブベジ®」プロジェクト
①長崎県での取り組み

 長崎県は、九州で一番野菜摂取量が少なく、県としても「野菜の魅力を生活者に伝えたい」という課題を持っていました。県下のスーパー店頭でのプロモーション活動や地元テレビ番組での特集放映、官公庁の食堂での「ラブベジ®」メニューの提供などにより生活者に野菜の魅力を伝えることができ、長崎県からも高評価をいただいています。

②神戸市での取り組み
 当社と神戸市は、2020年3月より神戸市民の健康課題解決のために連携協定を締結しています。8~9月には、兵庫県栄養士会ご協力のもと、神戸市主催の「KOBE野菜を食べようキャンペーン」の一環として市内スーパー121店舗にて「ラブベジ®」プロモーションを展開。本年2月25日からは、神戸市健康アプリ「MY CONDITION KOBE」とタイアップした企画も展開しています。

③青森県での取り組み

 当社は、青森県の推進する「だし活+だす活」、「野菜で健康大作戦」に賛同し、昨年9月に青森県立保健大学栄養学科の学生と協働で、地元野菜を使用した「ラブベジ®」レシピを考案、青森県の量販店での店頭PRキャラバンで共に啓発活動を行いました。

      青森県 三村 申吾知事      青森県 三村 申吾知事

 本イベントでは、青森県の三村申吾知事からの「『ラブベジ®』の日が制定され、本プロジェクトが広く周知されますことは、青森県のこれまでの取り組みをさらに後押しし、県民の健康寿命の延伸につながるものと大いに期待しております。引き続きのご協力をお願いいたします。」というビデオメッセージが紹介されました。 

                                                                           
◆「ラブベジ®」プロジェクトの新しい取り組み
●3月1日「ラブベジ®」の日制定
 冬から春に変わる、旬の野菜がたくさん出回る時期である3月、3月1日(サ・イ=菜)の語呂合わせにより、3月1日を 「ラブベジ®」の日と制定しました。

●生産者との連携

大阪支社 萩原 恵大阪支社 萩原 恵

 JAグループなど全国各地の生産者とともに、各地の野菜のおいしさやこだわり、食べ方などを発信し、生活者に、より野菜を好きになってもらうための活動を実施します。直近では、和歌山特産の釜揚げしらすを活かした野菜のみそ汁提案や、さやえんどうのPRを実施予定です。また、千葉県では、全国生産量3位の「キャベツ」を使った「キャベツでこんなに野菜がとれちゃうBOOK」を制作、県内スーパーで配布中です。

●地域連携の広がり ~大阪府・大阪市との取り組み~
 大阪府は、全国でも野菜摂取量の少ない都道府県です。生活習慣の改善や生活習慣病の予防等に向け、大阪府の「健活おおさか推進府民会議」に㈱関西スーパーと参画、大阪府・大阪市と協働し、野菜摂取を訴求していきます。大阪市の令和元年度 大阪市健康局・各区実施の講座等参加者アンケート結果※で、「野菜を食べない理由」のトップは「面倒くさいから」であることがわかり、当社商品を使った“簡便メニュー”を提案し、大阪府推進の 「健活10」を共に啓発していきます。
※参考:https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000248421.html

●先進的な地域連携事例 ~三重県との取り組み~

 三重県と当社は、2017年から食と健康の連携協定を結んでおり、県産食材の普及や消費をさまざまな形で訴求しています。この度、県内の音楽家が作詞、作曲した「みんなでラブベジ®」という楽曲に三重高等学校ダンス部
が振付を制作したパフォーマンス動画が完成しました。
動画「みんなでラブベジ®」三重高校ダンス篇(https://www.youtube.com/watch?v=kvx6PIQ829Y)

 当社では、これからも「ラブベジ®」の活動を通じて、地域の皆さまと共に、それぞれの地域に根差した方法で野菜摂取量の増加につながる取り組みを行い、「妥協なき栄養」への挑戦を続けます。
 

  • トークセッション1 「現状の野菜摂取を考える」
    女子栄養大学 大学院 研究科長 女子栄養大学 教授 武見 ゆかり氏
    味の素㈱ 取締役社長 最高経営責任者 西井 孝明                                  

 トークセッション1では、最初に武見 ゆかり教授より「日本人の野菜摂取量の現状と必要な対策」と題してご説明いただきました。

◆日本人は、そもそも適切な野菜摂取量を知らない!
 日本人の平均野菜摂取量は280.5gで、1日分の目標摂取量である350gに約70g及んでいません。目標量を満たしているのは、男性では30.1%、女性では26.5%に留まっており、特に20代~40代の摂取量が低いことがわかっています。また、地域差があることも判明しており、日本人の野菜摂取量増加に対しては、その地域に応じた対策を講じる必要があることがわかっています。

野菜から摂取が期待される主な栄養素

ビタミン        :葉酸、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK

  女子栄養大学 武見 ゆかり教授  女子栄養大学 武見 ゆかり教授

ミネラル        :カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン

炭水化物    :食物繊維

野菜摂取によってリスク低減が期待される疾患
循環器疾患(脳血管疾患,心疾患),高血圧症
2型糖尿病,肥満
一部のがん(食道がん,胃がん)

 野菜には私たちの生活に必要な栄養素が含まれており、摂取によって疾患リスクが低減が期待されます。
 それにも関わらず、健康のために望ましい1日の野菜摂取量を知っている人は、男性44%、女性56%に留まり、そもそも必要な摂取量を半数程度しか理解していないことが明らかになっています。また350gという重量を知っていても、それがどのくらいの野菜量にあたるのか見当がつかない方が大多数であるのが現実です。

◆野菜摂取量と食塩摂取量の関係性
 平成28年度の都道府県別国民健康・栄養調査結果によると、野菜摂取量の多い地域上位10県のうち、食塩摂取量も上位の県が6県あることがわかっています。これは個人単位での調査でも同様の傾向があり、野菜摂取量が多い人は、食塩摂取量が多いということがわかっています。食塩の高摂取は、日本人のリスク要因別の関連死亡者数でも5位となり、2位の高血圧とも関連が深くなっています。したがって、野菜摂取の際には、食塩を控えめにすることを心がけることが必要です。

日本のリスク要因別の関連死亡者数男女計(2007年)

※アルコール摂取は、循環器疾患死亡2,000人、糖尿病死亡100人の予防効果が推計値として報告されているが、図には含めていない。

◆日本人が「もっと野菜を食べる」ための方法とは
 野菜を摂取するうえで、効果的と謳われている方法は以下の2種があります。

食材料選択型:1日350gを計量することで必要摂取量を目指していく方法。
       計量することで必要量の感覚を掴んでいくことにも寄与。
料理選択型   :副菜を1日に5~6皿(※1つは小鉢一皿分)とることで、平均的におおよその野菜必要摂取量を
         目指していく方法。

これに、食べ方・作り方の工夫を加え、調味料など減塩に配慮して、おいしく野菜を摂取し、食塩を控えていくことが大切です。

◆栄養バランスの取れた食事を実現させるためには、「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事」が大切!
 厚生労働省は、食育に関する調査の中で主食・主菜・副菜を組み合わせた食事と、栄養バランスの取れた食事の実現には関連性があると発表しています。
※農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/pdf/all.pdf
 しかしながら、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を毎日2回以上、ほぼ毎日とっている人は全体の半分程度で、20~40代が低位です。中でも一番毎食の食事で揃わないのが副菜(野菜料理)で、その差は圧倒的です。つまり、「野菜を摂取すること」が、主食・主菜・副菜のバランス、ひいては栄養バランスの取れた食生活を実践することと密接に関わっています。

◆汁物を、副菜(野菜料理)として上手に活用しよう
 副菜を増やすことが難しい場合は、汁物に野菜をしっかり入れてとっていただくことも、一つの方法です。
 栄養バランスを考慮する上で、野菜に含まれるビタミンは、ゆで汁への流出分も考慮する必要があります。水溶性ビタミンのB1、B2、B6、葉酸は、「ゆでる」調理により、食品中の残存率が大きく減少(54~70%)しますが、食品とゆで汁を合わせると、残存率は80~100%とかなり高くなることがわかっています。

◆新型コロナウイルス感染症対策として、免疫力を高めるために栄養バランスの良い食事は必須
 現在の新型コロナウイルス感染症対策として、特に自然免疫力を高めることが大切になってきます。自然免疫には、生活習慣やストレス等が影響します。この生活習慣の中で、特に“食事のバランスを取る”ことが、基本のこととして、FAO等国際機関からも推奨されています。

 以上の説明を聞いた西井からは、「野菜350gが実際にどのくらいか、計って目で見てみることで、改善の方法に気づくこともあるかもしれませんね。」という感想があり、武見教授もうなずきながら「数字を知っているだけではなく、自分の食事でどのくらいの量なのか確かめてみて、改めて現状を認識できるということがあります。この『ラブベジ®』の日をきっかけに、ぜひ皆さんも一度試してみていただきたいと思います。」とコメントされました。
 

  • トークセッション2 提案!「『調理』でふんだんに、おいしく野菜の栄養をいただきましょう」 
    管理栄養士・料理研究家 柴田 真希 氏 (レシピ開発)
    女子栄養大学 大学院 研究科長 女子栄養大学 教授 武見 ゆかり 氏
    味の素㈱ 取締役社長 最高経営責任者 西井 孝明

 管理栄養士・料理研究家 柴田 真希氏 管理栄養士・料理研究家 柴田 真希氏

 トークセッション2では、実際にどのような調理をすれば野菜をたっぷりおいしくとれるのか、管理栄養士・料理研究家の柴田真希氏に調理動画を見ながら解説していただきました。

 野菜を摂取するというと、野菜サラダや野菜ジュースなどをイメージする方が多いかもしれませんが、「調理」によって野菜に熱を加え、それをしっかりと咀嚼して、消化・吸収するということには、様々な利点があります。今回のイベントでは、お子様からご高齢の方まで、野菜を好きになってもらえるようなレシピをご紹介しました。

  
「ラブベジ®」サイトでレシピ公開中。
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/corner/health/lovevege/

 

 柴田氏にご紹介いただいたレシピについて、武見教授からは、「『鶏肉と3種の野菜の具たっぷりみそ汁』は、火を通すことでたくさんの量がとれ、これだけで一皿になりますので、ぜひ作ってみてもらいたいです。」、また「玉ねぎとにんじんのだし煮」については「3種のだしで、同じ食材を飽きずに食べられますし、野菜料理は面倒・大変というイメージがありますが、このように少し工夫するだけで簡単に食べられます。」というコメントがあり、西井からは、「玉ねぎとにんじんのだし煮」 の試食後、「野菜の甘みがだしで引き立っていておいしく、だしを変えるだけで味が変わるので簡単にバラエティが増やせますね。」という感想がありました。

 本イベントでご紹介した野菜摂取促進の取り組み「ラブベジ®」が全国に広まり、3月1日が「ラブベジ®」の日として制定されたことをきっかけに、ぜひ野菜をしっかりとって、主食、主菜、副菜を揃えた栄養バランスの取れた食事の実践を始めていただきたいと思います。

 当社は、今後も「ラブベジ®」の活動を発展させ、日本中の皆さまに、野菜をおいしく、楽しく、たくさん食べていただけるよう、健康な食卓作りに貢献することで、「食と健康の課題解決企業」を目指します。

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