株式会社キミカのプレスリリース
3月19日、代表取締役社長の笠原文善が高崎健康福祉大学より博士号(薬学)を授与されました。
新型コロナウイルス感染症の流行で、人との面会や移動を伴う業務が制限されて纏まった時間の確保が可能となったことを受け、そうした時間を有効に活用するべく、笠原は一連の研究成果を論文に纏める執筆活動を開始しました。「アルギン酸カルシウムの食品成分としての機能性に関する研究」と題したこの論文は、高崎健康福祉大学大学院によって学術的価値が認められ、同大教授会での厳正な審査の結果、本日、薬学博士の学位が授与されました。
弊社では、創業者の故 笠原文雄も代表取締役を務める傍ら研究活動に励み博士号を取得しています。現在も複数の博士号取得者が在籍して技術開発に取り組んでおります。株式会社キミカは、今後も研究開発型企業として業界をリードしてまいります。
【研究の背景】
アルギン酸は海藻由来の天然多糖類で、アルギン酸ナトリウムは増粘剤、安定剤、ゲル化剤などとして多くの食品に使われています。体重増加の抑制や血中コレステロール濃度の低下などの生理作用が知られており、健康食品にも多用されています。 一方、ナトリウム塩は高血圧症や脂質異常症、動脈硬化症のリスク因子となるため、摂取量には注意が必要です。
アルギン酸のカルシウム塩(アルギン酸カルシウム)にアルギン酸ナトリウムと同等の生理作用を見出すことができれば、ナトリウムの過剰摂取を気にせずに体重増加の抑制や血中コレステロール濃度の低下などの健康的な生理作用を提供でき、欠乏ミネラルであるカルシウムの補給にも効果的と考え、研究を行いました。
【主な研究成果(一部のみ)】
アルギン酸カルシウムには、血中トリグリセリドの上昇を抑制し、肝脂肪と体脂肪の蓄積を減少する効果があることを明らかにしました。
アルギン酸カルシウムには、血中コレステロール値の低下作用があることを明らかにしました。
アルギン酸カルシウムは、放射性物質(ストロンチウムとセシウム)の体外排泄を促進し、吸収を抑制する効果を持つことを明らかにしました。
【研究成果の意義】
カルシウムは欠乏が常態化しており、日本人の推定平均摂取量は摂取必要量を下回っています。アルギン酸カルシウムは、カルシウムの摂取不足を補うばかりでなく、機能性食品素材として多くの有用性を持ち、安全な食品素材として利用されることが期待されます。
【株式会社キミカについて】
天然海藻から「アルギン酸」を抽出し、様々な産業に供給するわが国唯一のメーカーです。アルギン酸は海藻に含まれる多糖類で、食感改良剤として様々な加工食品に利用されるほか、医薬品、化粧品、繊維、鉄鋼、製紙など幅広い分野で活用されています。
キミカは日本で初めてアルギン酸の工業的生産に成功し、以来 80 年間にわたり業界を牽引しています。アルギン酸市場における弊社の国内シェアは 90%を超え、特に高品質が求められる食品・医薬品向けの分野においては、名立たる競合メーカーを抑えて世界トップの生産量を誇ります。近年はSDGs のフロントランナー企業としても注目を集めており、2020 年には日本の SDGs の最高賞「ジャパン SDGs アワード」の特別賞を受賞しました。
株式会社キミカ ウェブサイト:https://www.kimica.jp/