UCC発「コーヒーライフスタイル」の提唱 コーヒーによって生産性・パフォーマンスが向上 コーヒーの効果の脳血流量測定による評価

UCC上島珈琲株式会社のプレスリリース

 UCC上島珈琲株式会社(本社/神戸市、資本金/10億円、社長/朝田文彦)は、コーヒーを日常生活に取り入れることで得られるライフスタイルの充実を訴求することを目的とした「コーヒーライフスタイル」の提案を行っていきます。最初の試みとして、監修に古賀良彦名誉教授を迎え、リモートワークにコーヒーをうまく取り入れることで、生産性やパフォーマンスの向上が得られるかを脳血流量測定や心理検査により多次元的に評価しました。

【試料】
・コーヒーA(深いコクのある味わい)
<味・香りの特徴>コクがあり、深みのある味わい。
・コーヒーB(マイルドな味わい)
<味・香りの特徴>コーヒー本来のコク・香りはあるが、酸味が少なくマイルドな味わい。
・コーヒーC(酸味のある味わい)
<味・香りの特徴>豊かな香りと酸味がある味わい。
・お湯

 

【検証結果サマリー】
✔脳血流量測定や心理検査に用いられた上記の計4試料間には、飲用した際に脳血流の変化量に差が観られ、いずれのコーヒーも脳血流はお湯と比較し増加しました。また各コーヒーの間にも脳血流の変化には差異が観られました。このことから、今回検証した3種のコーヒーは、どれも集中力や記憶力を高める効果があることが示唆されました。

✔3種のコーヒーには、香りや味わいに違いがあり、それぞれの効果には脳血流変化量ばかりでなく、パフォーマンスや心理検査の結果にも差が観られました。このことから、それぞれのコーヒーを状況に応じて使い分けると目的にかなった効果が得られる傾向が見受けられました。

✔これらの結果から、コーヒーは集中力や記憶力の向上を通じて、仕事の生産性向上に貢献するばかりでなく、リモートワークのさまざまな生活シーンにおけるストレス対処法として有用で、withコロナというこれまでに経験のない新たなライフスタイルを彩るのに役立つと考えられます。

【脳血流量測定・心理検査概要】
3種のコーヒーならびに対照としたお湯が脳血流およびパフォーマンスに与える影響を、脳血流量測定や心理検査によって多次元に評価しました。被験者数が4名であることは考慮しなければいけませんが、今回行われた本試験では、それぞれのコーヒーを状況に応じて使い分けると目的にかなった効果が得られるという可能性が示唆されました。

■対象
被験者数:4名(男女各2名、年齢20~30歳)
※選定基準
 右手利き/耳鼻咽喉科的疾患(花粉症含む)がない/他の基礎疾患(精神疾患含む)もない/非喫煙者
 なお測定前日には飲酒を禁止

■測定期間
2021年4月3日(土)~4月4日(日)

■評価方法
1. 測定法
 1)心理検査
 ①ストレスチェックテスト(POMS2)
 ②アンケート(VAS)による試料についての主観的評価

 2)パフォーマンス評価
 ①クレペリン検査(変法)
 ②記憶力テスト(two back test)

 3)脳機能測定
 近赤外線スペクトロスコピー(near-infrared spectroscopy:NIRS 株式会社スペクトラテック社「Spectratech OEG-SpO2」)により、パフォーマンス測定時の前頭部16部位の脳血流変化量(酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb))を測定分析。

2.試料の飲用法
コーヒーA、B、Cはそれぞれ120mlのお湯(95℃)で、ドリップ式で淹れた。お湯もコーヒーと同条件になるよう120ml(95℃)とした。
各試料は、パフォーマンス課題遂行直前に被験者に飲用させた。

<ストレスチェック(POMS2)とは>

 「緊張」、「抑うつ」、「怒り」など7つの因子を同時に測定することができる。気分の状態を評価する質問用紙を用いた検査であり、米国で開発が進められた自覚的なストレスの総合的評価法。

<主観的アンケート(VAS)とは>
 VAS (visual analog scale)法とは長さ100mmの直線の左右に試料や心理状態についての対照的な表現を記し、測定時の評価を線分の長さで示す。

<クレペリン検査とは>
 日本で開発された心理検査のなかでは、もっとも長く使われている検査のひとつであり、検査用紙に並んで記載された隣り合う数字の合計の下1桁を連続して記載していく注意力のテスト。

<記憶力テスト(two back test)>
 1~9までの数字をモニターに次々と提示し、現在表示された数字が2つ前に表示された数字と同じ場合、右手親指でボタンを押す。 (例:2→3→1→3という情報処理に必要な記憶能力のテスト。)ワーキングメモリーという情報処理に必要な記憶能力のテスト。

■評価の遂行の流れ

①心理検査(POMS2、VAS)を実施し、試料の飲用前の心理状態を評価

②脳血流測定装置を装着

③試料を飲用
④心理検査(POMS2、VAS)を実施
⑤安静時の脳血流を測定
⑥パフォーマンステスト(クレペリン検査、two back test)を遂行し、その際の脳血流の変化を測定
⑦心理テスト(POMS2、VAS)を実施し、パフォーマンス課題遂行後の心理状態を評価

以上の①~⑦をコーヒーA、B、C、お湯の4種試料に対して、それぞれの被験者に実施。
下記より、本検査の結果について考察を行っていく。
 

3種のコーヒーはどれも注意力や記憶力を司る前頭葉の脳血流量を増加させる傾向がみられた

図1. クレペリン検査およびtwo back test遂行時の脳血流量の変化の比較(被験者4名の平均値)図1. クレペリン検査およびtwo back test遂行時の脳血流量の変化の比較(被験者4名の平均値)

 図1は注意集中力を測定するクレペリン検査と、記憶力を測るtwo back testを遂行している際の4種の試料の脳血流の変化を示したものです。暖色系の色が濃いほど血流量が増加していることを示します。
 コーヒーは両者のテストにおいて3種ともお湯すなわち単にコーヒーと同じ温度に温めただけの水に比べ、どれも血流量がより増加していました。3種のコーヒーの間にも差が観られ、コーヒーAおよびBはどちらのテストの際にもコーヒーCと比較し、明らかに血流量が増加していました。今回測定したのは、前頭葉という脳の司令塔とも言われる注意力や記憶力を司る部位です。
 

3種のコーヒーはいずれも集中力をアップさせ生産性を向上させる可能性がある

 

図2:クレペリン検査の達成数および正答率の比較(被験者4名の平均値)図2:クレペリン検査の達成数および正答率の比較(被験者4名の平均値)

 クレペリン検査によって注意集中力を比較すると、コーヒーは達成数および正答率の両方についてお湯よりも成績がよく、パフィーマンスを向上させる結果が得られました。達成数すなわち3分間に遂行した計算の回答数はコーヒーAとBがとくに多いことから、両者は注意の集中度を高めることによって作業のスピードを高める効果があることが分かりました。一方、コーヒーCは正答率が高いことから作業の正確度をアップさせる働きがあることも示されました。
 

人によっては、大きなパフォーマンスの向上に期待することができる

表3:クレペリン検査の達成数および正答率の比較(被験者4名の評価結果)表3:クレペリン検査の達成数および正答率の比較(被験者4名の評価結果)

 図2のクレペリン検査の結果を平均値で示した図からは読み取ることのできなかった作用をご紹介します。
 被験者Aではお湯を飲んだ際と比較し、コーヒーBを飲んだ際には達成数が142から172へと増加しました。このことから、コーヒーBを飲むことで、作業量がアップするという効果が得られる傾向が見受けられました。
 また、被験者Bでは、お湯を飲んだ際と比較し、コーヒーの試飲時にはそれぞれ正解率が向上しています。特に、コーヒーAとコーヒーBを飲んだ際には正答率が100%であることから、作業精度をアップさせる可能性が示唆されました。
 

コーヒーAとBにはストレスを軽減する作用があることが示唆された。一方、コーヒーCは
疲労感を軽減し意欲をアップ、さらに軽快感を高める可能性があることが示された。

図4:試料飲用前後のPOMS2スコアの比較(被験者数4名)図4:試料飲用前後のPOMS2スコアの比較(被験者数4名)

 コーヒーの心理面への作用についてみると、POMS2の結果からコーヒーAおよびBは飲用によりスコアが低減し、両者はストレスを軽減する効果があることが示された。

図5:試料飲用前後のVASスコアの変化の比較 (被験者数4名)図5:試料飲用前後のVASスコアの変化の比較 (被験者数4名)

 VASでは気分や意欲など14項目について質問を設けたが、他の試料と比べ顕著な差異がみられたのはコーヒーCで、疲労感が軽減し、意欲がアップし、身体の軽快感が増すという結果が得られた。
 

オンオフの切り替えが難しいリモートワークにこそ、コーヒーで充実したワークライフを

 コーヒーを飲むシーンというと、朝や食後のタイミングに飲む人が多いかもしれませんが、リモートワーク中だからこそ、自身の心身の状態に合わせたシーンでコーヒーを取り入れ、自分自身をうまくコントロールするキーアイテムにしてみてはいかがでしょうか。
 日常生活にうまくコーヒーを取り入れていただき、美味しく充実したコーヒーライフスタイルをお過ごしください。

【コーヒーライフスタイル:シーン別おすすめコーヒーの紹介】
■集中力UPに期待!「深いコクのある味わい」のコーヒー

クレペリン検査や検査中の脳血流の変化の結果からも分かるように、 「深いコクのある味わい」のコーヒーを飲むと集中力UPに期待することができます。ランチ後の眠気や午後の中だるみしてしまう時間帯に効果的かもしれません。
オススメ飲用シーン:午後の集中力切れのタイミング

■ストレス軽減の傾向あり!?「マイルドな味わい」のコーヒー
何だかイライラしてしまう…という時にこそ効果が発揮する可能性があるコーヒーが「マイルドな味わい」のコーヒーです。「マイルドな味わい」のコーヒーは、POMS2で示された効果からも推測できるようにストレス低減を期待できるので、慣れない環境で働き始めた際や、時間に追われている時などストレスを感じてしまったと思うシーンでの飲用が良いでしょう
オススメ飲用シーン:ストレスを感じている時

■作業精密度UP+疲労感軽減に期待!「酸味がある味わい」のコーヒーでパワフルに活動
「酸味がある味わい」のコーヒーは、VASの結果から作業精密度の向上や、疲労感軽減などが期待でき、リモートワーク中に効果的に取り入れていただきたいコーヒーです。午後からの作業を精度高く行いつつ、終業後のプライベートにも意欲的に活動ができそうです。
オススメ飲用シーン:午後(特に夕方)、ミスなく作業したい時、疲労感がある時

【古賀良彦名誉教授コメント】
 Withコロナ時代の到来に伴い、それまでのライフスタイルは大きく変化し、リモートワークが多くの企業で採用されています。リモートワークは開始当初は身体的負荷の軽減が得られることから歓迎されますが、長時間続けるとマイナスの側面が顕在化することが少なくありません。最も問題となるのは、自宅で仕事をすることにより生活のオンオフの区別がはっきりしなくなることです。その結果、仕事の効率が低下するとともにオフの生活の充実感が得られにくくなってしまいます。それを防ぐには日常使いやすい手段によってオンの生活すなわち日中の仕事が手際よく進められるようにすること、一方オフの時間帯を前向きに楽しめるようにすることが求められます。
 ひとつの方法としてアルコール飲料とは異なる嗜好品を利用することが推奨されます。従来からコーヒーは気分転換やくつろぎ、さらに意欲の回復などを目的に好んで用いられてきました。Withコロナ時代に否応なしに変えざるをえなかったライフスタイルを、以前と同様あるいはそれ以上に豊かにするものとしてコーヒーが果たして実際に有用なのかを確認することはとても意義あることと考えられます。

 今回の実証実験の結果をみると、試料として用いた3種のコーヒーはそれぞれが特徴のある効果を持つことが分かりました。コーヒーAは深いコクを有し、コーヒーBはマイルドであるというように、香りも味も異なるにもかかわらず、両者とも前頭葉機能を活性化する作用があることが脳血流量測定によって明らかにされました。前頭葉は注意や記憶など認知の基本となる機能を営む重要な部位ですが、コーヒーによってその活性度が増すというのはとても重要な結果と考えてよいでしょう。オンオフの区別が曖昧になりやすいリモートワークの中で、注意力や記憶力が賦活されれば、仕事の効率アップすなわち生産性の向上をもたらすものと考えられます。今回、そのことが脳機能への影響として実証されたのは非常に意義深いことです。クレペリン検査の結果からもコーヒーはその効率向上に有用であることが示されました。また、リモートワークを続ける中ではストレスが蓄積するということも指摘されていますが、コーヒーAとコーヒーBがストレス軽減に役立つことがPOMS2の結果からも明らかにされました。コーヒーCは他のコーヒーと比較し作用にやや特徴があり、作業の正確度を上げるとともに疲労を防ぎ意欲を増進する効果もみられました。
 新たなライフスタイルの獲得が必須とされている現在、それを実現し望ましい生活を確立することにコーヒーは大きく貢献できる可能性があることを示したのが今回の結果です。

【監修 古賀良彦名誉教授プロフィール】

昭和21年東京都世田谷区に生まれる。
昭和46年慶應義塾大学医学部卒業。
昭和51年に杏林大学医学部精神神経科学教室に入室。
平成2年に助教授、同11年に主任教授。現在は、同大学名誉教授。
日本催眠学会名誉理事長、日本薬物脳波学会副理事長、
日本臨床神経生理学会名誉会員。
専門分野は、精神障害の臨床研究および、食品の味や匂いが脳機能に与える影響の精神生理学的研究。

参考

今回の検証に使用した製品
・『UCC 職人の珈琲 ドリップコーヒー 深いコクのスペシャルブレンド』
・『UCC おいしいカフェインレスコーヒー ドリップコーヒー』
・『UCC CAFE@HOME フォーサワーフルーツ VP10g』

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