植物由来原料100%使用ペットボトルの開発に成功

サントリーホールディングス株式会社のプレスリリース

(左)現在の「サントリー天然水」(植物由来原料30%使用) (右)今回完成した植物由来原料100%使用ペットボトル(左)現在の「サントリー天然水」(植物由来原料30%使用) (右)今回完成した植物由来原料100%使用ペットボトル

サントリーグループは、米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社と進めてきた植物由来原料100%使用ペットボトルの開発に成功し、このたび試作品が完成しました。

サントリーグループは、「人と自然と響きあう」という企業理念、ならびに理念に基づく「水と生きる」というステークホルダーとの約束の実現を目指し、グローバルにサステナビリティ経営を推進しており、2019年には、「プラスチック基本方針」(https://www.suntory.co.jp/news/article/13473.html参照)を策定しました。2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、100%サステナブル化を目指しています。

植物由来素材のペットボトル開発については、ペットボトル原料の30%を構成する「モノエチレングリコール」を植物由来原料で生成した、植物由来原料30%のペットボトルを2013年から「サントリー天然水」に導入(https://www.suntory.co.jp/news/2013/11727.html参照)しています。残りの70%を構成するテレフタル酸の前駆体「パラキシレン」を、植物由来素材から生成すべく、2012年から米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社と植物由来原料100%使用ペットボトルの共同開発を開始しました。
「パラキシレン」を植物由来素材で生成するのは容易ではなく、既往技術では素材を複数段階に渡って変換する必要がありますが、今回、熱分解と触媒反応により、ワンステップで生成できる技術の開発に成功しました。また、使用する素材は、食料用原料のサプライチェーンに影響が出ないよう、非可食のウッドチップのみから生成しています。

2030年までにすべてのペットボトルをリサイクル素材あるいは植物由来素材にすることを達成すべく、今後植物由来原料100%使用ペットボトルの早期の実用化を目指していきます。

●植物由来原料100%使用ペットボトルの開発技術について
今回の、「パラキシレン」を植物由来原料から生成する技術は、現在(株)アールプラスジャパン※(https://www.suntory.co.jp/news/article/13722.html参照)が推進する、使用済みプラスチックのリサイクル技術の元となっています。
※ 2020年6月から事業を開始した使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社。当社を含むプラスチックのバリューチェーン32社(12/3時点)で構成される。

●アネロテック社(Anellotech Inc.)について
2008年創業。米国ニューヨーク州パールリバーに本社・研究開発機能をもつバイオ化学ベンチャー企業。

●「サントリー天然水」の取り組みについて
「サントリー天然水」は、「2R+B」Reduce(使う量を減らす)・Recycle+Bio(バイオ)という、容器包材の開発戦略に基づき、さまざまなイノベーションを展開してきました。
90年代よりペットボトルの軽量化を推進し、550mlの小容量ペットボトルにおいて、「国産最軽量」で「植物由来原料30%使用したペットボトル」を導入しています。また、再生PET樹脂を80%使用した(12マイクロメートルの)「国産最薄ロールラベル」や「国産最軽量のペットボトルキャップ」、また阿蘇(九州熊本工場)で製造している「サントリー天然水」には、世界で初めて「バイオ100%キャップ」を導入しています。

以上

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