あさ出版のプレスリリース
花を見ながらお酒を飲みたいのはやまやまですが、昨年に続き、今年の花見も大勢でわいわい楽しむのは難しそうですね。
そこで、ソムリエで日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会( SSI )理事の友田晶子さんに、ビジネス場面にも使える、季節を感じられる日本酒の飲み方についてお聞きしました。
友田晶子さんは著書『ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒』(あさ出版)http://www.asa21.com/book/b525579.htmlで、ビジネスパーソンなら知っておきたい日本酒の歴史、知識、楽しみ方&楽しませ方を紹介しています。
本記事では、オンライン花見会でも使える”ツウと思われる”花見に合わせた日本酒の楽しみ方について、本書の内容も交えてご紹介します。
季節ごとに日本酒を変えて楽しむ
同じように、日本酒にも、四季ごとの楽しみ方があります。
四季を感じられるお酒というのは世界を見渡しても日本酒だけではないでしょうか。
もちろん、ワインにもフランスのボジョレー・ヌーヴォーやオーストリアのホイリゲに代表されるような新酒がありますし、焼酎にも秋に収穫したばかりのサツマイモを使って造る新焼酎もあります。
しかし、春には春の、夏には夏の、秋には秋の、そして冬には冬の、それぞれの季節ならではのお酒ができ、市場に出回り、それを手にする人が「ああ、もうこの季節がきたか」と強く実感できるのは日本酒だけです。
会食や接待といった場面では、料理やお部屋の設えのみならず、いただくお酒にも季節感を取り入れたセレクトをすることで、場も盛り上がり話題が広がり、相手にもよろこばれるとともに、教養ある人と一目置かれることでしょう。
出会いと別れの春には、お酒が欠かせない
今年も桜の樹の下での宴会などは難しいかもしれませんが、桜色の日本酒を飲んで、ニューノーマルなお花見酒を愉しむというのも素敵です。
また通常の日本酒でも、この時期の、特に新酒の生酒はプチプチと泡を感じるフレッシュタイプが多いです。
春風のように心地いい味わいは、この時期にぴったりではないでしょうか。
歓送迎会にはお酒が欠かせませんよね。
昔から、なんらかの契りを交わすときに御神酒はつきものでした。
初対面の人同士が打ち解けるときに一献かわせば、緊張もほぐれ、心通わすことができます。
また、祈願する際にも、古来お酒を献上してきました。
転勤や卒業していく仲間の成功と安全を祈ってお酒を酌み交わす。
酒宴にはそういった意味合いもあるのです。
春の酒宴といえばなんといってもお花見でしょう。
天下の大宴会と謳われる「醍醐の花見」(慶長三年)は、豊臣秀吉の近親者や諸大名など約1300人が集結した、京のお花見の大イベントです。この時、なんと今で換算すれば39億円もの経費がかかったといわれます。
これ以降お花見は、日本人の最大のレクリエーションとなり、宴には必ず「花見酒」が添えられることとなりました。
花見をしながら飲む「花見酒」には、桜の花びらが舞い散っているように見える「うす濁り」(にごり酒のにごりが薄いもの)や「おりがらみ」(うっすらと濁っている酒)、また、かすみで見え隠れする春のおぼろ月を愛でながらの「かすみ酒」などがいいでしょう。
最近、歓送迎会を省略する風潮もありますが、こうしたルーツを伝えるなどして、お酒によってつながれる縁も大事にしたいものです。
日本酒には季節に関する言葉も多い
たとえば、「花冷え」という名前が付けられた温度帯があります。具体的には10℃前後を指します。
これは、桜の花が咲く頃、日中は暖かく、日がかげると寒くなる、そんな日の気温をイメージして名づけられています。
「花さえ冷たくなる温度」とも言われます。
キンキンに冷えたという感じではなく、冷たすぎず、温かすぎず、まさに爽やかさを味わう温度帯と言えますね。
ちなみに冷酒には、温度帯がいくつか分かれており、花冷えのほか、雪冷え、涼冷えなどがあります。
日本酒には、季節や季節ならではのものが関連した言葉、お酒の名前などがあります。そういった視点で見てみると、また楽しめることでしょう。
ここ数年、海外の方との会食でも、和食&日本酒を希望されることが少なくありません。
「ビジネスに関わる食事、宴席の場で、日本酒を楽しみたいというニーズは確実に増えている」と、『ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒』(あさ出版)http://www.asa21.com/book/b525579.htmlの著者である友田晶子さんもおっしゃいます。
そして「ここ数年、日本国内、そして海外のビジネスエリートは日本酒の楽しみ方を学んでいる」とのこと。
実際、某企業のトップ営業マンは、会社で日本酒について学ぶ研修を受けています。
特に、昨年から今年にかけては、オンラインでの日本酒教養講座も急増しているとのこと。
海外との交流が制限されている今の時期を、「今後確実に戻るであろう、インバウンドや海外ビジネスマンとの交流に向けての準備期間」と考える企業が増えているのです。
ビジネスパーソンとして、教養としての日本酒の知識を身につけておくと、コロナが明けて食事を思う存分楽しめるようになったときに、必ずや一目置かれる人になるでしょう。
著者プロフィール
友田 晶子(ともだ・あきこ)
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会( SSI )理事
SSI INTERNATIONAL 国際唎酒師 副会長 兼 広報委員
1200 年続く家系で、友田彌五右衛門八代目当主の長女として米どころ酒どころ福井県に生まれる。食品貿易会社に勤務、フランスに留学。現在、業界30 年以上のキャリアと女性らしい感性を活かし、酒と食に関するセミナー・イベントの企画・開催、ホテル旅館・料飲店・酒販店・輸入業者などプロ向けにコンサルティングと研修を行っている。スクールで教えてきた生徒数・資格を取得させた人数は述べ12万人にも上る。
また、一般社団法人日本のSAKE とWINE を愛する女性の会(通称:SAKE女の会)代表理事として活動。会員は2000名にもおよび、業界初のお酒による総合的な“おもてなし力を問う検定【料飲おもてなし~SAKE 女検定~】を実施。現役都知事をはじめ有名・著名人を引き寄せる“SAKE 女の会の求心力”に注目が集まっている。お酒にまつわる書籍を20 冊以上執筆。メディア出演多数。(情報は刊行当時のものです)
書籍情報
著者:友田 晶子
ページ数:256ページ
価格:1,760円(10%税込)
発行日:2020年10月22日
ISBN:978-4-86667-233-5
http://www.asa21.com/book/b525579.html
amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866672331/asapublcoltd-22/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/16419967/?l-id=search-c-item-text-01
内容紹介
ビジネスパーソンとして、どのように日本酒と付き合い、楽しめばよいかという視点から、基本的な知識、会話で必要な言葉、押さえておくべきマナーの他、愉しみ方までをまなべる1冊。
日本酒地図、英語での日本酒表現の仕方、蔵元の当主や社長のインタビューも収録した盛りだくさんの内容です。
目次
第2章 日本酒の基礎知識1 日本酒はどうやってできるのか
第3章 日本酒の基礎知識2 日本酒を選ぶ
第4章 知っていると一目置かれる日本酒の歴史
第5章 教養人の日本酒の楽しみ方
第6章 できる人と思われる日本酒のマナー&ルール
付録 日本酒について話すとき、英語ではなんと言う?