サッポロホールディングスのプレスリリース
地球温暖化により降雨量の変化が懸念されていますが、大麦は収穫時期の降雨により穂発芽(注3)することがあり、穂発芽した種子は麦芽の原料として使用できない場合があります。また、一般的に穂発芽耐性が強い大麦は、発芽の過程で溶けと言われる種子貯蔵物質(澱粉や蛋白質など)の分解が進みにくく、麦芽品質が低下する課題がありました。
当社は原料開発研究所(群馬県太田市)が保有する大麦遺伝資源を探索し、世界で初めて、穂発芽しにくい性質と溶けが進みやすい性質を併せ持つ大麦を発見しました。この性質を利用することで、麦芽成分のバランスを向上させ、ビールのおいしさにつなげたいと考えています。今後は、その効果を検証するとともに、育種パートナーとの連携により2030年までに新品種の登録出願を目指します。
当社は2019年12月に「サッポログループ環境ビジョン2050」(注4)を策定しており、ビール事業で140年以上にわたり培ってきた原料づくりの取り組みで気候変動への緩和と適応の両面から課題解決(注5)に挑み、レジリエントな企業体を目指しています。この取り組みを通じて持続可能な社会の実現を目指すSDGs達成にも貢献していきます。
(注1) 当社調べ。
(注2) 2022年3月20,21日、摂南大学。「サステナブルな醸造原料の研究開発.I. 種子貯蔵物質の低分子化が進みやすい大麦の特性」 木原 誠, 廣田 直彦, 金谷 良市, 保木 健宏, 須田 成志
(注3) 降雨により、収穫前の種子が、穂に実った状態のまま畑で発芽してしまう現象。
(注4) https://www.sapporoholdings.jp/csr/earth/environment/target/
(注5) https://www.sapporoholdings.jp/news/dit/?id=8770
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