【フードロス削減】金沢ヤマト醤油味噌は「生味噌の賞味期限」を従来より6ヶ月延長して食品ロス削減に取り組みます

株式会社ヤマト醤油味噌のプレスリリース

創業1911年(明治44年)以来、110年以上にわたり発酵食づくりに取り組む金沢の味噌メーカー「株式会社ヤマト醤油味噌」(本社:石川県金沢市、代表取締役社長:山本晴一)は、商品の安全性・品質を前提に、フードロス削減の為に「生味噌の賞味期限を従来より6ヶ月延長して1年に設定」いたしました。当社の小売用の味噌商品全品において実施完了し、2022年6月より賞味期限1年の生味噌が流通スタートしました。

報道関係各位

株式会社ヤマト醤油味噌

【URL】https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/

 

 

 

実施内容

創業1911年(明治44年)以来、110年以上にわたり発酵食づくりに取り組む金沢の味噌メーカー「株式会社ヤマト醤油味噌」(本社:石川県金沢市、代表取締役社長:山本晴一)は、商品の安全性・品質を前提に、フードロス削減の為に「生味噌の賞味期限を従来より6ヶ月延長して1年に設定」いたしました。
当社の小売用の味噌商品全品において実施完了し、2022年6月より賞味期限1年の生味噌が流通スタートしました。

当社の生味噌は米みそ(辛口みそ)で塩分11~12%程度と平均程度、さらに6ヶ月から1年間にわたり木桶の中で発酵・熟成させることによるアルコールの自然発生なども加わり風味がよく、そもそも長期にわたり腐敗しにいものです。

長期常温保管では「産膜酵母」が問題になります。産膜酵母は、もともと味噌に含まれる食べても無害なカビですが、白く塊状になると、見た目を損ねたり、香りを落とすなどの悪影響があります。
産膜酵母の発生を防ぐため、味噌の充填機械やヘラなど工場内の用具の洗浄・殺菌を丁寧に行い、味噌パックもガスバリア性の高い新たな包装材料に見直しをし、従来よりも長期にわたる品質保持を目指しました。

取組に至った背景

当社の場合は、「味噌の賞味期限が過ぎたけれど食べられますか?」と個人のお客様からお問い合わせいただいたことがきっかけでした。
そもそも味噌は保存食であり長く美味しく食べられるものです。さらに、賞味期限とはメーカーが設定する美味しく食べられる推奨期間であり、賞味期限を過ぎたら即食べられなくなるものではありません。
賞味期限への誤解から捨てられる味噌が「もったいない」と感じられました。

また、食品業界の商習慣「3分の1ルール」(※後述)の影響もあります。
もともと半年の賞味期限だったとき、メーカー・卸では製造後出荷できるのは2ヶ月まで、小売側も販売期間が2ヶ月程度しか確保できませんでした。
その結果、賞味期限を十分に残しているにも関わらず小売側は値引き販売をしたり、卸・メーカーへの返品が発生しており、資源をロスする不経済な状態が続いてきました。
賞味期限を適正に延長することで、こうした「もったいない」を回避することを目指しています。

なお、味噌の賞味期限は、味噌業界としての推奨基準はございますが、商品特性により保存性は異なるため、各メーカーが個別に決定しています。
全国の味噌業界の食品表示ガイドライン(2018年改訂)では、品質や安全性の確保を前提にフードロス削減の観点から米味噌(辛口みそ)は原則として賞味期限を1年間とすることを推奨していますが、メーカーごとに各社の商品特性や取引実態に応じて3ヶ月から6ヶ月と設定しても良いとされています。
石川県内で当社を含む32社(2022年6月リリース現在)が加盟する石川県味噌工業協同組合(http://www.miso-ishikawaken.jp/index.html)によると、賞味期限は一律に定められるものではなく、各メーカーが決定するものと強調されていました。
賞味期限延長については、あくまで個々のメーカーに任せられています。

※「3分の1ルール」とは?
「3 分の 1 ルール」とは、食品の流通過程において製造者(メーカー<卸も含む>)、販売者(小売り)、消費者の 3 者が、製造日から賞味期限までの期間を 3 分の1 ずつ均等に分け合うという考え方に基づく商慣習です。
消費者の鮮度に対する関心の高まりを受けて、90 年代に大手小売りが導入して以降、他の小売りなどにも浸透していったといわれています。
平成28年度における食品ロス量は、年間643万トン(平成28年度)と推計。
このうち、事業系は352万トン、家庭系は291万トン。
なお、日本においても食品ロス削減の観点から、3分の1ルールの改正が進められつつあります。

その他の取組

当社では、国内のお客様への販売を主に、海外のお客様に向けての販路開拓にも積極的に取り組んでいます。

アメリカ・ヨーロッパでは、健康維持の観点から、日本の発酵食品への人気が高まっています。しかしながら、半年間の賞味期限の生味噌は、テストマーケティングを出来る程度でとどまり、十分な販売には至ってきませんでした。今回、1年間の賞味期限に設定することで、船便の輸送時間があっても現地で販売期間を長く確保できます。

農林水産省では、「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に基づく 輸出重点品目の輸出産地リスト(北陸管内4県) 」に、128産地からコメ・醤油・清酒・味噌など10品目を生産する19事業者を選定しています(令和4年5月20日時点)。ヤマト醤油味噌も石川県の輸出拡大事業者として名を連ねております。日本の味を求める海外のお客様へも、これまで以上に積極的に味噌商品の提案を進めてまいります。

また、将来世代への食育のために、「ヤマト糀パーク」における食育の活動や、ホームページの記事を通してお客様へのご理解を促進することを図っております。
北陸では、淡色のタイプの味噌が好まれる傾向にあります。長期熟成型の濃い色をした味噌にもご理解をいただけるよう、熟成による風味の良さを知っていただける活動を進めてまいります。

 

会社概要

社名:株式会社ヤマト醤油味噌
電話番号:076-268-1248
所在地:石川県金沢市大野町4丁目イ170番地
本社所在地: 石川県金沢市大野町4丁目イ170番地
ホームページ:https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/
ウェブショップ:https://shop.yamato-soysauce-miso.co.jp/

参考文献

「みその賞味期限表示に関するガイドライン(改訂版)」(平成30年2月)全国味噌工業協同組合連合会 ホームページ
https://zenmi.jp/data/osirase/misonosyomikigen-gaidorain20180327.pdf

「味噌はいつまで食べられる?味噌の賞味期限と腐敗の見極め方は?」(令和4年4月)ヤマト醤油味噌 ホームページ
https://shop.yamato-soysauce-miso.co.jp/blog/2022/04/17/miso-shelflife/

「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に基づく 輸出重点品目の輸出産地リスト(北陸管内4県) 」(令和4年5月)農林水産省
https://www.maff.go.jp/hokuriku/food/export/attach/pdf/support-1.pdf

「食品ロス削減に向けて」(令和2年2月)農林水産省食料産業局
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/ryutu/attach/pdf/buturyu-27.pdf

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