世界の食品企業として初めてSBT※1ネットゼロの認定を取得

キリンホールディングス株式会社のプレスリリース

 キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)は、SBTイニシアチブ※2によるSBTネットゼロの認定を、2022年7月に世界の食品企業として初めて取得しました。「キリングループ環境ビジョン2050」で掲げる“2050年までにバリューチェーン全体のGHG※3排出量をネットゼロ※4にする”長期目標が、パリ協定※5が求めるGHG排出削減の水準と整合した科学的根拠に基づいた目標であるとして認定されました。

 当社は、「世界のCSV先進企業」を目指し、2020年に「キリングループ環境ビジョン 2050」でネットゼロを目指すことを宣言するとともに目標達成に向けたロードマップを策定して、2022年1月より運用を開始しています。

 気候変動問題については、2015年のパリ協定を契機として危機感が世界で共有されました。2018年のIPCC1.5℃特別報告書※6では、産業革命前からの地球温暖化を1.5℃に抑え、2050年前後でGHG排出をネットゼロにする必要があると報告されました。その世界共通の長期目標の達成を目指すために、国内外の多くの企業が「2050年ネットゼロ」目標を掲げています。しかしながら、企業のネットゼロ目標の共通の基準がないことから、対象とするGHG排出の範囲やネットゼロを実現するための手段、GHGの削減水準などが異なるため、地球温暖化を1.5℃に抑えるために必要な目標との乖離が指摘されていました。

  このようにネットゼロ目標が乱立している状況を受けて、SBTイニシアチブが2021年10月に「ネットゼロ基準」を策定しました。この基準では、地球温暖化を1.5℃に抑えるために、企業はバリューチェーン全体で2050年までに90%以上のGHG削減が必要であること、残りの10%は大気中からの炭素除去によりネットゼロが実現できることが定められています。

  当社は、長期目標を達成するために、2030年の中期目標(2030年までに2019年比でグループ全体のScope1とScope2の合計を50%、Scope3を30%削減する)を掲げ、これまで培ってきた技術力をもってバリューチェーンでのGHG削減を進めています。Scope1とScope2においてはプラントエンジニアリングの力を駆使しキリンビール国内6工場にヒートポンプを導入し、年間約3,800tのGHG排出量を削減しています。Scope3においては再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」の採用を順次拡大し、一部の「生茶」ブランドで展開しています。

  当社は、2050年までのネットゼロ実現を目指し、今後も社会と企業のレジリエンス強化へ向けた「キリングループ環境ビジョン2050」の実現に向け、脱炭素社会構築へ向けてリードしていくよう取り組んでいきます。

※1 Science Based Targets:科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標
※2 CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、
    WWF(世界自然保護基金)の4団体が2015年に共同で設立した国際イニシアチブ
※3 GreenHouse Gas:温室効果ガス
※4 人為起源のGHG排出量と除去量がつり合い、大気中へのGHG排出が正味ゼロの状態
※5 全ての国・地域が参加する地球温暖化対策の国際的な枠組み
※6 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した本報告書では、将来の気温上昇による影響について、
    2℃と1.5℃では大きく異なる事や、1.5℃に抑えるための排出経路を報告している
<参考>
 ・キリングループ環境ビジョン2050
  https://www.kirinholdings.com/jp/impact/env/mission/

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