相次ぐ酪農家の廃業を受け、牛乳の持続可能な生産のため 生活クラブ生協が「牛乳応援基金」スタート

生活クラブ生協連合会のプレスリリース

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、会長 村上彰一、以下生活クラブ)は、提携する酪農家が、新型コロナウイルスの感染拡大や気候危機、国際情勢の影響により存続が危機的な状況にあることを受け、安定的な生産を維持しこれからも牛乳を飲み続けられるよう「牛乳応援基金」を設立することを決定しました。この基金は提携する酪農家の方々の生産費の補てんなどに充てていただくこととし、2023年4月の予約から集金をスタートします。

 

■窮状が続く酪農家の現状

近年、気候危機や国際情勢の影響によって高騰する飼料費や燃料費が、特に酪農家を危機的な状況に追い込んでいます。それだけでなく、乳牛から生まれた雄の子牛の、肉牛用への販売価格の暴落、コロナ禍での行動制限によって、業務用を中心に牛乳の需要が減ったことも酪農家の経営を悪化させる要因につながりました。

2014年頃、国はバター不足などの解消のため、生乳の増産を進めてきました。増産体制が整った最中、このような予測しがたい状況に見舞われ、多くの酪農家が過去最大の存続の危機に直面しています。それを受け、生活クラブでは基金を造成することにしました。

■牛乳を飲むことで酪農の未来を拓く「牛乳応援基金」

当基金は1品目につき一律2円を共同購入価格にプラスして造成します。そして、生活クラブの牛乳・乳製品を製造する新生酪農株式会社を通し、生活クラブの提携する千葉・栃木・長野各県の酪農家に定期的に寄付し、生産費の補填などに役立てられます。
基金の概要は以下の通りです。
➢対象品目:
・パスチャライズド牛乳200ml×2本
・パスチャライズド牛乳900ml
・ノンホモ牛乳900ml
・低脂肪牛乳1000ml

➢造成開始:2023年4月3日の注文から開始
➢寄附酪農団体:新生酪農株式会社を通じ、以下の3団体へ寄付
・新生酪農クラブ(千葉県)、
・箒根酪農業協同組合(栃木県)、
・南信酪農業協同組合(長野県)

生活クラブは発足時から生産者と消費者が対等な立場を保ちつつ、持続可能な生産と消費の関係性を築いてきました。本基金を通じ今回の酪農家の危機的状況を乗り越えるため、消費者である会員一人一人が生産者を応援してまいります。

■生産者からのメッセージ
南信酪農業協同組合(長野県) 代表理事組合長 三村 誠一 氏
飼料などの値上がりが重なったこの状況は 40年にわたって酪農を続けてきてはじめてのことです。もともと酪農は、生産から収入につながるまで時間がかかります。乳牛は生まれてから搾乳できるまで約2年かけて育てます。私の牧場では飼料用の作物をつくっていますが、収穫したら発酵させてから牛にあたえるため、1年がかりです。もし酪農を辞めてしまえば、再び生乳を搾れるようになるまで長い時間がかかるため、私たち酪農家は、これまでの蓄えを切り崩しながら生産を続けています。かつてないほど厳しい状況をなんとか乗り越え、 次の世代へ生産をつなぐことが、私の使命だと思っています。

【2円で応援!未来を明るくミルクビジョン】

この基金造成を皮切りに、生活クラブでは酪農家と一緒に酪農の未来を拓くキャンペーン「2円で応援!未来を明るくミルクビジョン」に取り組みます。今後、各種イベントやカタログ、Webサイトでの特集を展開し、牛乳・乳製品の利用促進を継続してまいります。

【関連する団体とも協力】
また、関連する団体とも協力しながら酪農応援を継続していきます。

(以下:2/14院内集会「酪農・畜産の危機は、国民の“食”の危機!日本から畜産の灯を消すな!」に参加しました)

 

【生活クラブの牛乳】
生活クラブの組合員が自分たちの飲みたい牛乳をもとめて提携酪農家とつくり、飲み続けてきた、代表的な品物のひとつです。
1979年に組合員と酪農生産者が共同出資して自前の牛乳工場をつくり、以来、72℃15秒間のパスチャライズド殺菌、容器のびん化など、その価値を生産者と組合員で一緒につくってきました。

・生活クラブの牛乳について

https://seikatsuclub.coop/item/milk/

・よやくらぶ
https://shop.seikatsuclub.coop/regular_announce.html

■生活クラブについて

生活クラブは組合員数約42万人の21都道府県、33の地域生協で組織される生活協同組合です。事業高は約1千億円。生産から廃棄に至るまで安全や健康に配慮した品物の共同購入活動を通じ、持続可能な生活スタイルを実践しています。また、現在では、生活クラブ生協の活動をきっかけにワーカーズ・コレクティブが設立され、各組織エリアを中心に300以上展開し、福祉や居場所づくりなど地域に必要な事業を作り出しています。
意志ある生産者など生活クラブとかかわるすべての人々と協力し、地域や世代をこえ、循環と共生の輪を広げる「ローカルSDGs」を推進しています。この取組みによって食(F)、エネルギー(E)、福祉(C)を自給し循環させるサステイナブルな社会の実現を目指しています。
‣ホームページ: https://seikatsuclub.coop/
‣加入・資料請求はこちらから:https://welcome-seikatsuclub.coop/lp/

■生活クラブの受賞歴
<世界的評価>
1989年 「THE RIGHT LIVELIHOOD AWARD(ライト・ライブリフッド)名誉賞」受賞(※“もう一つのノーベル賞”とも呼ばれる)
1995年 国連設立50周年記念「国連の友」による「われら人間:50のコミュニティ賞」受賞
<国内>
1999年 開発した超軽量牛乳びんグッドデザイン賞
2006年 グリーンピース・ジャパンの「トゥルーフード特別賞」
2007年 Rびんの活動(びん再使用ネットワーク)が環境大臣賞
2009年 「Food Action Nippon アウォード2009」優秀賞受賞
2010年 フード・アクション・ニッポンアワード 2010製造・流通・システム部門 入賞(国産消費材の供給で145億キロカロリーの自給を高めたことによる)
2013年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/近畿 1位
2013年 フード・アクション・ニッポン アワード2013入賞「食べるチカラ”キャンペーン」
2014年 フード・アクション・ニッポン アワード2014入賞「生活クラブの健康な食デザイン『ビオサポ』」による食料自給率向上への寄与
2014年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏 1位
2015年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/近畿 1位
2015年 <本選びの会>が第8回日本女子大学家政学部賞
2016年 オリコン顧客満足度®調査 食材宅配サービス 近畿 1位
2018年 生協法制定70周年 厚生労働大臣表彰2018年 第6回環境省グッドライフアワード 優秀賞(NPO・任意団体部門)
2020年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏 1位
2021年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/近畿 1位
2022年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/東海/近畿 1位
2022年 第10回環境省グッドライフアワード 「環境大臣賞 優秀賞」
2023年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏 1位

 

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