食物アレルギーに関する“特定原材料「くるみ」”の検査法を開発

ハウス食品グループ本社株式会社のプレスリリース

ハウス食品グループ本社は、令和5年3月の食品表示基準改正により新たに特定原材料に指定された「くるみ」のPCR検出技術(※1)を開発し、「アレルゲンを含む食品の検査方法を評価するガイドライン」等に示された評価基準を満たすことを確認いたしました。
また、消費者庁次長通知「「食品表示基準について」の一部改正について」(令和5年3月9日付け消食表第102号)における検査方法の追加に伴い、今回開発した「くるみ」と既に開発済みの「小麦」「そば」「落花生」のPCR検出技術が、消費者庁次長通知「食品表示基準について」(平成27年3月30日付け消食表第139号)別添「アレルゲンを含む食品の検査方法」の「2.2.4. リアルタイムPCR法」に落花生、そば、小麦の検知を目的としたリアルタイムPCR法、くるみの検知を目的としたリアルタイムPCR-H法として収載されました。

※1 『PCR検出技術』とは、個々の食品等に特有のDNA配列を増幅させて可視化することにより、その食品等が含まれているか否かを判定する検出技術のこと。PCRとは、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略。

開発した技術は、加工食品中のこれら食物アレルゲンを十分な感度で検出することが可能です。そのため、原料や製造工程の適正な管理と検査結果に基づく適正な食品表示により、食物アレルギーのある方が加工食品を安全に選択できることに役立つと考えています。

今回新たに検査方法として収載された「くるみ」「小麦」「そば」「落花生」のPCR検出技術、および既に収載されていた「えび」「かに」のPCR検出技術は、いずれも株式会社ファスマックにライセンス提供し、同社から検査キットとして販売されております。また、株式会社ハウス食品分析テクノサービスでも、「くるみ」「小麦」「そば」「落花生」の検査キットを使用した受託分析を順次開始します。

【技術開発の背景】

令和5年3月の食品表示基準改正により、食品に含まれる食物アレルゲンの表示は、以下のように決まっています。

特定原材料(義務表示)8品目 えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、くるみ(※2)
特定原材料に準ずるもの
(推奨表示)20品目
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

※2 くるみ表示義務化の経過措置期間は2025年3月31日まで。

ハウス食品グループでは、1996年頃から、その当時まだ検査方法がなかった食物アレルゲンについて、PCR検出技術の開発研究を進め、研究を通して得られた技術成果や知見の専門誌への投稿など実績を重ねてまいりました。

これら研究の経験を活かして、2005年から「えび」「かに」「キウイフルーツ」「もも」「りんご」、2017年から「小麦」「そば」「落花生」、2021年から「くるみ」のPCR検出技術を開発してきました。

ハウス食品グループは、食物アレルギーのある方やそのご家族の方が安心して食事を楽しむことができるように、食物アレルゲン検出技術の研究開発のほかにも、カレーやシチュー等の「特定原材料7品目不使用シリーズ」の製品展開や、アレルギー専門医が使用する「加工食品のアレルゲン含有量早見表」への製品情報提供活動、食品メーカー5社による食物アレルギー協同取り組み「プロジェクトA」への参画等、さまざまな取り組みを行っています。

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