自由価格制の食堂は成立するか?孤独と空腹を満たす「タノバ食堂」実証実験の報告

Tanoba合同会社のプレスリリース

「世の中から、孤独をなくす」をパーパスに掲げるTanoBa合同会社(タノバ ゴウドウガイシャ 本社:東京都世田谷区、代表社員:宮本 義隆 以下、TanoBa)は、孤独・孤立の解消は、最優先で取り組むべき社会課題という想いのもと、“温かく心地よい食事を楽しむ機会「タノバ食堂」”の第1回目実証実験を2023年5月13日(土)に世田谷区空き家等の地域貢献活用助成事業に採択された地域コミュニティスペース「ふかさわの台所(東京都世田谷区深沢2丁目15-3)」にて開催いたしました。

タノバ食堂は、孤独と空腹を満たすコミュニティとして、(1)メニューが存在しない(2)利用料金が自由価格制(3)初対面同士で食事を共にすることで新たな繋がりを創ることを目指しています。今回の実証実験では、これらの特徴が参加者に伝わり、ニーズを充足するものであるかどうかを調査・検証いたしました。

なお、第1回目の実証実験の結果を踏まえて、今後、食堂に参加したい仲間と料理を作りたい仲間の募集イベントを23年8月6日(日)13:00~17時に、“暮らしを豊かにする交流拠点「タタタハウス(東急大井町線尾山台駅から徒歩1分)」“にて、開催いたします。

タノバ食堂の集合写真タノバ食堂の集合写真

  • タノバ食堂とは

タノバ食堂は、一般的な飲食店と異なり、自由価格によって食事を楽しむ人、無償で料理を作ることを楽しむ人、無償で食堂の開催場所を提供してくれるスポンサーの協働によって成り立っています。実証実験では、スポンサーを「ふかさわの台所」、料理人を当社スタッフが担当しました。

  • 実験概要と全体の満足度と参加者のコメント

実験の参加者は面識のない8名(男女比は50:50)で、年齢別の構成比は、20代-30代が37.5%、30-50代が37.5%、50代以上が25%でした。参加者には事前に食堂のコンセプトと目的を簡単に説明した上で食事に参加してもらいました。事後アンケートでは、食堂全体に対する満足度を5段階で評価(最高5)してもらい、4以上の評価が全体の75%となりました。 

全体の満足度全体の満足度

「食事のおいしさ、量から普段自分がする外食に当てはめた価格を想起し、そこに食事中の楽しさ(雰囲気や会話)を上乗せした。この支払い額なら週に複数回通えるとも思った。」

「家庭料理に近しいお料理だったことをベースに、そこにコミュニケーションの機会創出、そして参加しやすさや継続性を考えた上で妥当だと思う金額にしました。ただその後の片付けやごみ処理等を考えると、イベント形式での開催の場合は自由価格制は成立させるのが難しいのではないかと思いました。」

「会場の準備、食材購入、搬入、スタッフ人件費を考えて、継続的に続けていただける価格はどのくらいだろう?と考えて設定しました。」

タノバ食堂の食事風景タノバ食堂の食事風景

  • 実証実験の収支

今回の実証実験では、自由価格制による支払いによる食堂の運営が可能となるかどうかを検証する目的もありました。実際に支払われた金額は、15,030円で一人当たり1,879円でした。実験前に想定した金額を約400円上回りました。

収支収支

タノバ食堂の料理タノバ食堂の料理

  • 自由価格制に対する満足度

参加者の評価は、事後アンケートで自由価格制に対する満足度を5段階で評価(最高5)してもらったところ、4以上の評価は50%に留まりました。自由価格制という取り組みには強い関心を示す一方で、自分が支払う立場になった時に「一体いくら支払うのが適切なのか?」という戸惑いが、評価の抑制につながったと考えています。

自由価格制に対する満足度自由価格制に対する満足度

  • 自由価格制に対する評価/事後アンケート結果

「価格を自由に設定できるというのがいいなと思った。とてもいいシステムだと思いますし、異なる地域から東京に引っ越してきた人にとっては心強いですし、ご飯の持ち寄りをしたり、ゆるい繋がりを作ってみたい人にはいいなとおもいました。」

「価格自由制とコミュニティを組み合わせる点が珍しいと思ったため。

「自由価格制は今までほぼ体験したことなかったので、強烈に印象に残りました。その上でのコンセプトに興味を持ちました。

「制度を悪用して1円しか払わない人などが出ないような継続できるシステムを考えるためにはどうしたらいいのかなと考えていました。」

再利用意向再利用意向

  • 今後の課題

今回の実験結果から、タノバ食堂の課題は次の2つだと考えています。1つは、安定して食堂が開催できる場所(スポンサー)を複数確保することです。もう1つは、無償で料理を作ることを楽しむ人(プロボノ料理人)を集めることです。これらの課題解決に積極的に取り組みながら、2024年3月までの目標を食堂の規模(1回あたり15名)と開催頻度(2回/週)と定めて事業を進めて参ります。

  • 食堂に参加したい仲間の募集イベント

2023年8月6日(日)13:00〜17:00(予定)で今後開催されるタノバ食堂に参加を希望する人/料理を作りたい人を募集するイベントを開催いたします。当日は、タノバ食堂のコンセプトと当社が目指す理想のコミュニティについてプレゼンテーションと食堂が提供する料理・ドリンクの販売(売価設定あり)を行います。

*イベント参加者に料理を作って頂くことはありません。

タノバ食堂のイベントタノバ食堂のイベント

  • タタタハウスとは?

創業65周年となる『タカノ洋品店』を自分たちでリノベーションして、地域の人が気軽に集まれて暮らしを豊かにする交流拠点です。

 場所:タタタハウス(https://www.facebook.com/profile.php?id=100083382780498

住所:東京都世田谷区等々力2丁目18(ハッピーロード尾山台商店街内)※東急大井町線尾山台駅から徒歩1分

タタタハウスタタタハウス

  • TanoBa合同会社について

    社名:TanoBa合同会社

    本社所在地:東京都世田谷区野沢2-7-12

    代表社員:宮本義隆

    共同創業者:宮本桃子・多田大介

    事業目的:少子高齢化と人口減少によって加速する孤独・孤立の解消

    設立: 2023年3月1日

    資本金:100万円

    HP:https://www.tanoba.jp/

    Instagram:https://www.instagram.com/tanoba.g.k/

    Facebook:https://www.facebook.com/TanoBa.G.K

  • 宮本義隆(共同創業者・代表社員)

    ぺんてる(株)、ヤフー(株)、(株)電通など様々な企業で働く。2017年に (株)DAサーチ&リンク代表取締役、2021年には(株)電通ダイレクト取締役副社⻑を歴任し、2022年に独立。

    心理学・コーチング・メンタリング・ワークショップの資格多数。

    日本心理学会正会員(210277)/ 認定心理士(第66112号)

    GALLUP®認定ストレングスコーチ 他

  • 宮本桃子(共同創業者)

    株式会社Mentor For取締役、一般社団法人ビジネス・キャリアメンター協会ダイレクター

    (株)東北新社を経て、ヤフー(株)でセールス、業務推進、営業企画部門にてマネジメントを行う。ベンチャー企業での執行役員、(株)カオナビ執行役員カスタマーエンゲージメント本部⻑を歴任。組織立ち上げ、マザーズ上場を経験。

    2021年4月(株)Mentor For取締役に就任。様々な組織のDE&I施策に伴走。同時に、Mentor Forの公式メンターとして、業界問わず数多くの女性管理職・トップリーダーのメンタリングを行なっている。マネジメント向けのリーダーシップトレーニング、メンタースキルトレーニング講師・ファシリテーションも担う。

  • 多田大介(共同創業者)

    (株)電通テックを経て、2000年からヤフー(株)にてデジタルメディアの営業。2004年から映画会社を経て、2007年にツタヤオンライン(現CCC)に入社。(株)TSUTAYAの広報ユニット⻑およびブランドコミュニケーションチームリーダー、CCCグループの出版・ 映像等のコンテンツ領域を手掛けるカルチュア・エンタテインメント(株)の広報ユニット⻑、CCC 蔦屋書店カンパニー広報室⻑、CCCのコーポレート広報及び事業広報を管掌するCCCの副広報室⻑などを歴任し、2023年に独立。

    現在もCCC広報の業務に従事する一方、病気・高齢でペットを飼えなくなった方向けのペット後見互助『とものわ』の広報支援、作家の北方謙三氏のプロモーションにも携わるなど業界を越えて多方面で活動中。

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