アサヒ飲料のプレスリリース
アサヒ飲料株式会社(本社 東京、社長 岸上克彦)は、慶應義塾大学との共同検証において最新の脳波測定技術「感性アナライザ※1』を応用し、炭酸水を飲んでいるときに無意識下で感じている“気持ち(感性)”の数値化に成功しました。
アサヒ飲料は、社会として健康意識が高まる中、日本中のみなさまが毎日の「飲みもの」を通じて、ココロもカラダも健康になれる事を目指し、健康課題解決に向けた取り組みを推進しています。
その中で、アサヒグループ独自の確かなエビデンスを有した素材を使用した製品の開発や、「安全」「安心」といった各ブランドがもつベーシックな「健康」価値の訴求を強化することで、「アサヒ飲料=健康に強みを持つ会社」というイメージの醸成を目指して積極的な取り組みを実施しています。また研究開発の分野においても、「健康」価値の追求として“カラダの健康”だけでなく、“ココロの健康”も含めた両面からのアプローチを行っています。
●今回の研究成果について
これまでお客様から寄せられる声の中に炭酸水を飲むと「気分がスッキリする」「目が覚める」「気分転換ができる」といったご意見を頂いております。一方で、そのことを科学的に数値化して説明することが困難でした。
そこで今回、慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 満倉靖恵(みつくら やすえ)教授の協力のもと、脳波解析※2を用いて炭酸水の飲用が感性へ与える影響を検証しました。実験では、都内の会社員を対象に、オフィスで3種類の飲料(強炭酸水、弱炭酸水、水)を飲用した時の脳波を測定し、その時の感性を数値化しました。脳波解析の結果から、強炭酸水の飲用後に水を飲用した時よりも「集中度」が高まることが認められました(図1)。
さらに、飲用中の脳波に着目したところ、強炭酸水の飲用中に水を飲用した時よりも「覚醒度」が高まることが認められました(図2参照)。
これらの結果からオフィスでの強炭酸水の飲用で、飲用中に「覚醒度」が高まり、飲用後に「集中度」が高まることが示唆されました。
※1.「感性アナライザ」:慶應大学満倉教授と㈱電通サイエンスジャムが共同開発した、人の脳波から感性を簡易に分析する技術。
※2.脳波解析:感性アナライザを使用して、脳波を測定し、「集中度」、「覚醒度」を比較した。
※3.「集中度」変化の飲料間比較:それぞれの飲料において、飲用前の「集中度」を1として飲用前と飲用後で比較した。
※4.「覚醒度」変化の飲料間比較:それぞれの飲料において、飲用前の「覚醒度」を1として飲用前と飲用中で比較した。
<満倉靖恵先生のプロフィール>
慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授
信号処理、機械学習、パターン認識、人工知能、統計処理などの技術を用いて、生体信号や音声、画像から必要な情報を抽出する研究に従事。現在は脳波と画像を扱った研究や医学との融合を中心に推進。
<満倉靖恵先生のコメント>
「食品や飲料は、子供から大人まで幅広く人々の暮らしに密着しており、感性との関わりが大変興味深い分野です。今回は、炭酸水に着目し、脳波解析を用いた感性値の取得を行い、強炭酸水の飲用が「集中度」や「覚醒度」に影響を及ぼしていることを実証しました。今後も、その時、その瞬間に感じている様々な“気持ち(感性)”の解明に期待が持たれます。」
<調査 概要>
調査内容
・検証実施日 2019年6~7月
・検証実施場所 都内企業オフィス(港区)
・被験者 健康な20~50代会社員男女52名
・被験者数 52名分のデータを収集
・検証品 飲料3品(強炭酸水(無糖)、弱炭酸水(無糖)、水)
・使用機材 感性アナライザ(電通サイエンスジャム社製)
・調査方法 被検者を強炭酸水と水、または、弱炭酸水と水の組合せで飲用する2グループに分類し、飲用前、飲用中、飲用後の脳波を測定し、「集中度」、「覚醒度」を比較した。なお、各条件を実施する順番は、被験者毎に変えランダム化した。
検証まとめ
炭酸水2品および水1品を用いて飲用時の脳波測定を実施。解析の結果から強炭酸水の飲用後に「集中度」が水と比較して有意に高まることが認められました。さらに強炭酸水の飲用中に、水を飲用した時よりも「覚醒度」が有意に高まることが実証されました。
学会発表
第76回日本栄養・食糧学会中部支部大会(2019年11月16日)で発表しています。