“十月十日(とつきとおか)”をかけて器を届ける 会津漆器の新ブランド「めぐる」、 2020年生産分の予約受付開始

漆とロック株式会社、ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンのプレスリリース

~ 器の制作過程もゆっくり楽しむ“育てる器” ~

漆器の作り手と使い手のつなぎ役として、漆が持つ魅力を伝えながら、現代の暮らしに活きる商品づくりに取り組む漆とロック株式会社(所在地:福島県会津若松市、代表:貝沼 航)は、ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン(所在地:東京都中央区、代表:志村 真介)とコラボレーションし、漆器ブランド「めぐる」の運営を行っております。
この度「めぐる」は、「十月十日(とつきとおか)をかけて商品をお届けする」という新しいサービスを開始し、2020年生産分の予約受付を行っています。受注期間は2020年3月15日(日)まで、限定300組となります。

めぐるの「水平(左)」と「日月(右)」

【十月十日で迎える器とは ~いいものを長く使う暮らしへ~】
「めぐる」は、漆の器が持つ心地よい肌触りや口当たり、そして抱き上げたくなる優しいかたちを追求するため、暗闇の中で視覚以外のさまざまな感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」でアテンドとして活躍する全盲の女性たちの“特別な感性”をデザインに取り入れました。

素地には国産の栃の木を、仕上げ塗りには上質な国産漆を使い、会津漆器の職人たちが正統な技法で作る確かな品質の漆器です。消滅が危惧されている国産漆を守るため、売上の一部は会津でのウルシの木の保護・育成活動に活用されます。2015年7月に販売を開始し、同年のグッドデザイン賞及びウッドデザイン賞・審査委員長賞などを受賞しました。

この度、2020年生産分の予約受付がスタート。第6期となる今年より「めぐる」は、“我が子のように迎え、育てる器”として、お届けの方法が大きく進化しました。

確かな素材と製法による、季節のサイクルに則したものづくりを目指すため、基本的に年1回・3ヶ月間だけの受注期間を設けての数量限定・完全予約生産となります。(2020年のお届け分は、限定300組です。)
ご予約いただいた器は、ご注文いただいてからおおよそ「十月十日(とつきとおか)」をかけてお手元に届きます。お届けまでお時間をいただきますが、お待ちいただく時間を少しでも楽しんでいただけるよう、十月十日の期間中、毎月のメールや隔月の葉書などでご自身の器が育つ(作られる)様子をお知らせします。
我が子を迎え入れるように、器のマタニティタイムをお楽しみください。

長くお使いいただけるように、ご購入後の器のお直し(塗り直しや補修)、メンテナンスにもきちんと対応しています。

今、SDGsが注目を集めていますが、大量生産品を使い捨てにしていく暮らしではなく、丁寧に作られたものを(その背景を知りながら)長く使い、自然を守り、文化を育てる暮らしへ。そのような新しい消費のかたち、そしてエシカルなライフスタイルの提案が、私たちが「めぐる」に込めた思いです。

「十月十日(とつきとおか)」システムでの受注スタートに合わせて、公式ウェブサイトが全面リニューアルされました。詳細については、公式ウェブサイトよりご確認いただけます。

【めぐる公式サイト】
https://meguru-urushi.com/

基本が美しく整う 三つ組の椀

【ご注文からお使い頃までの年間サイクル】
・毎年12月15日~3月15日の3ヶ月間のみの受注(年1回)
・春分の日(3月20日)が十月十日(とつきとおか)のスタート
・3月~10月まで会津の各工房で丁寧に製作します
・製作期間中は毎月あなたの器が生まれるまでの様子が届きます
 (メール&動画:毎月配信、ハガキ:2ヶ月に1回お届け)
・11月中にお届け
・12月いっぱいはご家庭で「枯らし」をしていただきます
・お使い頃は、ちょうどお正月からとなります

器の制作過程を毎月お知らせします

共に育っていく人生の器

【十月十日、お待ちいただきたい理由】
(1) 持続可能な「中量生産」を目指すために
確かな作り方の漆器は、それぞれの器によって、木地の調達、漆の調合、塗りの技法などが異なるため、少量を少しずつ作るのは効率が良くありません。かと言って、自然素材を使った手しごとのため、大量生産もできません。少なすぎず、多すぎす、適した量を作る「中量生産」を目指すことが、持続可能なものづくりへと繋がります。年間300組の受注生産とすることで、無理なく材料を確保でき、作り手への負担も減らし、品質を保つことができます。この十月十日(とつきとおか)システムは、みんなで日本のものづくりの現場を支える、新しい「共同購入」の仕組みでもあります。

(2) 自然を感じる「エシカル消費」として
本来、日本のものづくりには季節のリズムがあります。漆器も春に木地を挽き、夏から秋まで漆塗りや蒔絵をして、冬に店頭に並んで、お正月の使用に合わせる。昔から繰り返されてきたこの1年間の製作サイクルは、木や漆といった自然素材をよく理解し、四季のリズムや日本の気候に合ったものでした。十月十日(とつきとおか)の期間、作る時間に寄り添っていただくことで、一つの器が、地域の風土と現代の暮らしの橋渡しになれたらと考えています。十月十日(とつきとおか)システムは、自然や文化を育むエシカルなライフスタイルの提案です。

(3) 長く使うものだからこそ、出会いも丁寧に
漆器はお直しをしながら長く使っていくことのできるものです。「めぐる」は、これからの人生のお守りのような存在として、暮らしに寄り添って欲しいと願いを込めています。ですから、自分の器がどのような季節を経て作られ手元に届くのか、できるだけ丁寧に出会ってほしいと願っています。現代は少し急ぎ過ぎていて、インターネットでクリックすればなんでも次の日には届いてしまう時代です。そんな現代だからこそ、ゆっくりと待つという間や余白を楽しむ。大量消費社会の中で失われた、そのような時間を取り戻していきたいと考えました。

確かな素材と製法 -日本の漆を未来へ-

【製作工程と季節】
産地の年配の職人さんと話をしていると、よく「昔は1年かけて作るリズムが決まっていたんだよなァ」という話を聞くことがあります。
春に木地を挽き、夏から秋まで漆塗りや蒔絵をして、冬に店頭に並んで、お正月の使用に合わせると。実は、この1年間の製作サイクルは自然のリズムや日本の気候に合ったものでもあります。漆器の素地となる日本の広葉樹は、木の活動が止まっている冬の時期に山から切り出され、1年ほど寝かされて水分を抜いていきながら、まず荒型という大まかなかたちに削られ、その状態で乾いた春の季節を過ごした後で器のかたちに整形して「木地」が出来上がります。その後、塗師によって漆が塗られますが、漆は湿度と温度の影響を受けながら乾く塗料のため、よく乾く夏の時期に下地を施して、気候が安定した秋の時期に繊細な上塗りを行うことで、丈夫で美しい仕上がりとなっていきます。
そういった自然素材に適した季節のサイクルで作っていくことを取り戻していきたい、そのための仕組みが「十月十日(とつきとおか)」です。

将来はお直しをしながら子や孫へ

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