【星野リゾート】行き場を失う生乳のフードロス問題への取り組み ~リゾナーレ那須でミルクジャムの製造を開始・提供予定~

星野リゾートのプレスリリース

日本の伝統や文化を活かしたおもてなしを追求し、国内外に42施設を運営する星野リゾート(長野県軽井沢町/代表 星野佳路)は、新たな「食」への取り組みとして、「星野リゾート リゾナーレ那須」(栃木県・那須町)でミルクジャムの製造を開始しました。生乳の生産量は、4月から6月にかけてピークを迎える中、昨今の新型コロナウイルス感染症による影響で、学校給食や外食産業における牛乳および乳製品の消費量の低下とフードロスが問題視されています。今回は、「森林ノ牧場(栃木県・那須町/代表 山川将弘)」で今後生じる可能性がある牛乳のフードロスを防ぐべく、星野リゾートが「ミルクジャム」として製品化し、行き場を失う生乳の廃棄の減少を目指します。あわせて、安心して旅をすることができる時期に備えて提供の準備を進めています。

(写真提供:森林ノ牧場)
(写真提供:森林ノ牧場)

実施背景

新型コロナウイルス感染症が拡大し、全国の学校給食や外食産業における牛乳および乳製品の消費量の低下が生じています。生乳生産のピークでもある4月から6月にかけて、乳業メーカーの乳製品の製造能力を超えてしまい、行き場を失った生乳を廃棄せざるを得ない状況に陥るおそれがあります。(農林水産省:国内の牛乳・乳製品の需給状況)。生乳生産は、乳牛の病気を防ぐため毎日搾乳し続ける必要があり、生産量を短期的にコントロールすることができません。そんな中、農林水産省は、日本の牛乳を救う「プラスワンプロジェクト」を2020年4月21日よりスタートしました。当リゾートでも、この状況化における危機回避に賛同し、協力したいという思いから、本活動を開始させました。栃木県・那須町で運営する日本初のアグリツーリズモリゾート「星野リゾート リゾナーレ那須」では、地域の生産活動を軸とした滞在の提案をしています。今回は、リゾナーレ那須が位置する那須町の牧場「森林ノ牧場」で、今後生じるかもしれない牛乳のフードロスを防ぐために、搾乳した牛乳を乳製品へと加工し、行き場を失う生乳の廃棄の減少をさせたいと考えています。

搾乳した牛乳を「ミルクジャム」へ

今回、牛乳を活用する方法としてあがったのは、「ミルクジャム」の製品化です。使用する牛乳は、ジャージー牛。ジャージー牛の牛乳は、香り・味が良いことが特徴のため、この特徴を生かした製品化を目指します。また、搾乳した牛乳を加工することで、長期保存することができ、さまざまな用途で活用することができます。昨今のコロナウイルス感染症の状況からも、すぐに当リゾート内での消費を目指す訳ではなく、安心して旅をすることができる時期に備えて準備を進めています。

星野リゾート リゾナーレ那須

本取り組みの舞台となる「星野リゾート リゾナーレ那須」は、2019年11月に開業した日本初のアグリツーリズモリゾートです。アグリツーリズモとは、イタリア語のアグリクルトゥーラ(農業)×ツーリズモ(観光)の造語。生産活動を軸に、アクティビティや食事などのリゾートでの体験を通して、那須の大自然に触れながら滞在を満喫することができます。施設内の農園「アグリガーデン」では、年間約180種類の野菜やハーブを育てるほか、田んぼでは米も育てます。

(日本初のアグリツーリズモリゾート 「星野リゾート リゾナーレ那須」)
(日本初のアグリツーリズモリゾート 「星野リゾート リゾナーレ那須」)

浜田統之(はまだのりゆき)

本取り組みのリーダーを務めるのは「浜田統之」です。フランス料理で培った経験を活かした手法で、那須で搾乳された牛乳をミルクジャムへと昇華させます。

■プロフィール

1975年、鳥取県生まれ。18歳からイタリア料理の世界で腕を磨き、24歳でフランス料理に転身。2013年、ボキューズ・ドール国際料理コンクールフランス大会本選で世界第3位となり銅メダル獲得。2016年、星のや東京料理長。2017年、ボキューズ・ドール国際料理コンクール30周年記念ガラディナーで、約1,500名の世界の食通を前に魚料理を提供した経験をもつ。

那須の自然と人とジャージー牛の牧場「森林ノ牧場」

栃木県・那須町にある森林ノ牧場は、リゾナーレ那須と、朝食の牛乳の出荷・提供を行っているという提携関係にあります。当牧場では、日本の乳牛の0.6%しか飼育されていない希少な牛ジャージー種を飼育し、放牧で飼育することで、四季によって風味が異なる牛乳の生産をしています。また、搾乳された牛乳は、「低温殺菌」で自社にて加工し、より搾りたての生乳に近い風味を保った牛乳の生産にこだわりをもっています。昨今のコロナウイルス感染症の影響を受け、自身でも乳製品の加工などを行いながら、当牧場も搾乳した生乳の廃棄を検討しなくてはならない状況にありました。できることを考えている中、星野リゾートからの取り組みの提案に賛同し、ミルクジャム製作のための牛乳を新たに出荷いただくこととなりました。

(ご参考)

本取り組みリーダーの浜田、リゾナーレ那須の総支配人松田が、4月某日森林ノ牧場へ訪問し、代表の山川氏へ牛の特徴、牛乳の品質についてお話を伺いました。その後、今後の取り組みに関しての議論を行いました。
同日、リゾナーレ那須内の農園「アグリガーデン」で、使用できそうなハーブを収穫し、ミルクジャムの試作をいたしました。

今後の展開(予定)

製造したミルクジャムは、皆さまが安心して旅を楽しめる時期に向け、当リゾート内の施設およびレストランにて提供する方法を検討し、実施を目指します。また、星野リゾートは、これまでに「旅」を形作る上で欠かせない要素として、その土地ならではの食材や食文化の提供を大切に考えてきました。今回の取り組みを皮切りに、星野リゾートでは、「もったいないプロジェクト」を立ち上げます。今後は、リゾナーレ那須のみならず、様々な食材で発生することが懸念されるフードロス問題へ取り組んでいきたいと考えています。

星野リゾート

ラグジュアリーブランド「星のや」、温泉旅館「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO」、ルーズなホテル「BEB」の5ブランドを中心に、国内外で42施設を運営。
URL:https://www.hoshinoresorts.com/

星野リゾート リゾナーレ那須

2019年11月に開業した日本初の「アグリツーリズモリゾート」。那須岳の山裾に位置する広大な大自然の中で、地域の生産活動に触れる体験を軸に、コースやビュッフェで楽しむ食事、四季の自然を遊ぶアクティビティ、快適な客室で過ごす時間を満喫することができます。
URL:https://risonare.com/nasu/

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