シーバスリーガル、ペリエジュエ等世界トップブランドを傘下におさめる洋酒メーカーペルノ・リカール グループ 2019/20の業績結果発表 

ペルノ・リカール・ジャパン株式会社のプレスリリース

売上は前期比9.5%減の実質的減退(為替を加味した決算発表ベースでは同8.0%減)。
営業利益も前期比13.7%減の実質的減退(為替を加味した決算発表ベースでは同12.4%減)。

【2020年6月期決算】
売上
ペルノ・リカール・グループの2020年6月期の通期売上は84億4800万ユーロとなり、前期比9.5%減(為替の影響を加味した決算発表ベースでは同8.0%の減収)の実質的減退となりました。主にドル高ユーロ安に連動した為替による好影響も受けました。

上半期の売上増は堅調でしたが、下半期は新型コロナウイルスの影響を受けました。2020年6月期の動向は下記のとおりです。
・北米・南米地域:6%減 米国[※1] とカナダではわずかに増加し好調に回復しましたが、中南米と免税市場で二桁の減少となりました。
・アジアおよびその他地域:14%減 主に中国、インド、免税市場に牽引されましたが、前期の高水準と比較すると減少となりました。
・欧州:6%減 免税市場、スペイン、フランスの低迷の影響はあったものの、ドイツ、英国、東欧では増加による好調な回復が見られました。
[※1] 売上2%増(社内推計値)

主要カテゴリーは新型コロナウイルスの世界的流行の影響を受けましたが、スペシャルティブランドは好成績でした。
・戦略的インターナショナルブランド:10%減 主にマーテル、シーバスリーガル、アブソルート、バランタインが好調だった上半期は広範囲にわたって伸びました。
・戦略的ローカルブランド:9%減 第3四半期末時点でわずかな伸びが見られましたが、高水準だった前期と比較して、第4四半期には主にシーグラムのインディアン・ウイスキーの低迷により大きく落ち込みました。
・スペシャルティブランド:7%増 新型コロナウイルスの影響を受けながらも、各市場に合わせた露出が好評で、リレ、アルトス、レッドブレストが大きく伸びました。
・戦略的ワイン:4%減 カンポ・ヴィエホは伸びましたが、主にジェイコブス・クリークの低迷が原因です。

直近の第4四半期の売上は12億3800万ユーロで、前年同期に対し36.2%の実質的減退(為替の影響を加味した決算発表ベースでは同37.9%減)となり、全世界での新型コロナウイルスの著しい影響を、特に免税市場と料飲市場において受けました。小売市場の回復は予想以上で、特に米国および欧州で顕著でした。

下半期は新型コロナウイルス感染症対策下での危機管理を実行しながら、下記のとおり長期的改革計画を遂行しました。
・従業員および取引先の健康と安全を優先する
・堅調な需要管理および持続したサプライチェーンにより6月末時点での健全な在庫水準を確保する
・積極的なリソース管理および厳しいコスト削減を進めることで、新型コロナウイルス流行下の状況に適応することを目指す
・危機的状況下においてステークホルダーを支援するための新たな施策を策定し、サステナビリティ・企業の責任に関する2030年までのロードマップの展開を継続する
・フランスでの成長復活のためにデジタルトランスフォーメーションを実施して「再征服」プロジェクトを完了し、業績回復を目指してワイン事業を再編する
 

2020年6月期において、ペルノ・リカールは上位10市場で市場シェアを獲得または維持しました。[※2] [※2] 2020年6月の直近12か月のNielsen/IWSR/OTC(社内推計値)

利益
上半期は堅調で、高水準だった前期(2018/19年度上半期12.8%増)に対して4.3%の実質的営業利益増を達成しました。これは「トランスフォーム&アクセラレート(変革と加速)」戦略計画の成功によるものです。

下半期に新型コロナウイルスの影響を受けたため、2020年6月期の営業利益は22億6000万ユーロとなり、13.7%の実質的減退(為替の影響を加味したベース で12.4%減)でした。

2020年6月期の実質的営業利益の利益率低下は1.31ポイントの悪化にとどまりました。この背景として挙げられるのは下記のとおりです。 
・戦略的ブランドの価格回復:1%値上げ
売上総利益額の減少: 1.40ポイント悪化(要因は下記のとおり)
 ▷ 戦略的インターナショナルブランド(特にマーテルとシーバスリーガル製品群)の影響が起因
 ▷ アガベの価格が押し上げられたこととインドでのガラスやGNSの値上がりを主な原因とする売上原価の上昇、低水準の固定費吸収(オペレーショナル・エクセレンスによる節減で相殺できたのは一部のみ)
広告・販促費: 0.88ポイント増(下半期のきわめて強力な削減計画によるもの)
固定費:0.79ポイント減(コスト管理規範を強化したにもかかわらず、売上減少により固定費吸収も減少)

経常項目に対する当期の法人税率は約24%(前期26%)でした。

グループ全体の既存事業における純利益持分は14億3900万ユーロ(前期比13%減)で、グループ全体の純利益持分は3億2900万ユーロ(前期比77%減)でした。これは、新型コロナウイルスを原因とする10億ユーロの資産価値低下の影響を受けたもので、特にアブソルートにおいて影響が顕著です(総額9億1200万ユーロ、税引後7億200万ユーロ)。

フリーキャッシュフローおよび負債
経常的なフリーキャッシュフローは10億300万ユーロで、新型コロナウイルスによる事業への影響が反映されています。

平均負債コストは3.6%(前期3.9%)でした。新社債による資金調達の割合が低下したことは2020年6月期に完全には反映されていません。

社債発行とクレジットライン追加により、キャッシュフローを積極的に管理し、流動性ポジションを強化しました。2020年6月30日時点の流動性資産は53億ユーロで、そのうち34億ユーロのクレジットラインが引き出されませんでした。

積極的なポートフォリオ管理が年度を通じて継続され、下半期にはイタリカスへの出資や季の美との資本提携を行い、カフェ・ド・パリを売却しました。

純負債は2019年6月30日から18億400万ユーロ[※3]増加して84億2400万ユーロになりました。この原因となったのは、フリーキャッシュフローの低下、M&Aによるキャッシュアウトの増加、5億2300万ユーロの自己株式の買い戻し(4月のプログラム中止前)、配当性向の約50%(前期41%)への引き上げ、IFRS16号の基準適用を受けてのリース負債の追加、主にユーロ対ドル展開の影響による換算調整勘定のマイナス計上です。

期中平均為替レートによる2020年6月30日時点のEBITDAに対する純負債の比率[※4]は3.2でした。

2020年11月27日に開催予定の年次株主総会において、当期の1株当たりの配当を2.66ユーロとすることを提案いたします。
[※3] IFRS16号の基準適用に基づく6億300万ユーロの追加リース負債を含む。
[※4] ユーロに対する米ドルの当期平均レート1.11に基づく

ペルノ・リカール・グループ会長兼最高経営責任者(CEO)のアレクサンドル・リカールは次のように述べました。
「当グループは2019/20年度を通じて回復力の高さを証明し、サプライチェーンの継続的なオペレーションとコストコントロール、キャッシュ管理によって、敏捷性と可能性を最大限に発揮しました。この場を借りて、この困難な時期における各チームの並外れた努力を称えたいと思います。
2021年6月期は、特に衛生面と、それが人が集まる飲食の機会に及ぼす影響に関して、さらには厳しい経済状況に関しても、先行き不透明で不安定な状態が続くと予想しています。免税市場については低迷長期化を予測していますが、米国と欧州においては小売市場の回復、また中国やインド、そして世界中の料飲市場でも順次改善を見込んでいます。
当グループは目的に基づく明確な投資判断の下、厳格な規律を維持しながら戦略的方針を堅持し、デジタルトランスフォーメーションを加速させていきます。迅速に調整できる敏捷性を生かして新たな機会を掴みます。確固たる基盤、チーム、ブランドポートフォリオを持つペルノ・リカールは、この危機においてさらに強力に存在感を示すことができると確信しています。」

ペルノ・リカール・ジャパンの業績
● 実質的売上は全体で7%減少しました。
● 今期最初の9か月の業績が非常に好調だったため、4月初めに出された緊急事態宣言後の第4四半期における落ち込みの影響があったものの、一桁減にとどまりました。
● ジェムソン、ザ・グレンリベット、シーバスリーガル ミズナラが大きく成長しました。

ペルノ・リカールについて
ペルノ・リカールは世界第2位のワイン&スピリッツメーカー[※5]であり、スピリッツとワインの世界市場におけるリーディングカンパニーです。2019/20年度の連結売上は84億4800万ユーロでした。1975年にリカールとペルノの合併により設立された後、ペルノ・リカール・グループは実質的成長に加え、シーグラム(2001年)、アライド・ドメック(2005年)、ヴィン&スプリト(2008年)などの買収を経て、現在に至ります。ペルノ・リカールは、アブソルートウオッカ、リカール(パスティス)、バランタイン、シーバスリーガル、ローヤルサルート、ザ・グレンリベット(スコッチウイスキー)、ジェムソン(アイリッシュウイスキー)、マーテル(コニャック)、ハバナクラブ(ラム)、ビーフィーター(ジン)、マリブ(リキュール)、マム、ペリエ ジュエ(シャンパン)、ジェイコブス・クリーク、ブランコット・エステート、カンポ・ヴィエホ、ケンウッド・ヴィンヤーズ(ワイン)など、世界のトップ100スピリッツブランドのうち16[※6]を含む業界内でも特に有名なブランドを数多く保有しております。
ペルノ・リカールは、約19,000名の社員と、6社の「ブランドカンパニー」、そして各市場に設立された86社の「マーケットカンパニー」からなる分社化された組織です。ペルノ・リカールの戦略と熱意は、「企業家精神」「相互の信頼関係」「強い倫理観」という3つの主要な価値観に基づいており、これに従って事業を展開しています。
また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を支持する「サステナビリティ・企業の責任に関する2030年までのロードマップ―楽しい時を安心の現場から」に示すとおり、持続可能な発展を目指すと同時に、責任ある飲酒の普及に努めています。その精力的な取り組みが認められ、エコヴァディス社からゴールド評価を受けた、国連のグローバルコンパクトのリーダー企業でもあります。
NYSEユーロネクストに上場しており(ティッカー:RI、ISINコード:FR0000120693)、CAC40指数のメンバーでもあります。
[※5] IWSR 2019による
[※6] IWSR 2019による

連結財務諸表は監査済みです。法定監査訳による報告書は、監査報告書のレビュー後に発行されます。当社の2020年6月期連結決算の詳細は下記ウェブサイト(英語のみ)に掲載しております。
www.pernod-ricard.com

注:本プレスリリースに明記した売上、利益の前期比は、別段の表記がない限り、事業売却および為替変動などの影響を除いた本業についてものです。

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