守りたい食文化がある

Ydepsのプレスリリース

-京都の料亭から始まる― 行動制限緩和に向けた飲食店の技術実証実験

10月18日某所にて、岸田内閣総理大臣による飲食業界を代表した複数の飲食店オーナーへのヒアリング面談が行われました。多店舗展開をしている複数の大手飲食チェーン店オーナーと共に招聘されたのが京都料理芽生会の現会長であり、料亭旅館 嵐山温泉 嵐山辨慶の主人である磯橋輝彦さん。岸田総理との面談では、行動制限の緩和に向けた技術実証実験が飲食店で開始される事を受けての展望と新型コロナウィルス感染症拡大によって甚大な被害を受け、今なお先行きが不透明な現状と切実な想いに加え、日本特有の食文化に建築美と空間を合わせ持つ“料亭”業界の危機的状況と抱える問題、存続するための取り組みやコロナ禍における活動などについて話されました。面談終了後には岸田総理から技術実証実験を京都の料亭を皮切りに開始するよう要請が出されました。

-文化的要素を担う飲食店に対しての意識改革を-
「料亭は時代の背景と共に、料理を提供することに重きを置いた上で日本伝統文化の芸を極めた芸舞妓をお座敷に設定し、お酌をするだけでなく伝統技芸を披露させることでエンターテイメントを楽しむことで文化に触れ親しむ習慣を築き上げてきた。しかし現行の飲食店営業許可では、このような持続的に文化をたしなむ習慣を併せ持った料亭と、性的な要素を主たる目的として飲食が提供される風俗料亭店が同等の職業分類になっており、規制内容や対象が明確にならない。現に、昨年秋より実施のGo To Eat事業では風俗営業許可を有し接待飲食等営業に当てはまる料亭は一時的に対象外となった経緯がある。日本標準産業分類では分かれてはいるものの、許可申請が同じでは区別が曖昧。日本特有の食文化に携わる者として、文化的要素を含む飲食店の分離と産業分類下における料亭の区分確立と改革を政府に訴え続けていく必要がある」と磯橋さんは話す。

 

京都料理芽生会 会長 磯橋輝彦 氏京都料理芽生会 会長 磯橋輝彦 氏

【100項目の認証基準を国の認証制度に】
- 未来の衛生 -
食と空間の安心を“見える化”

磯橋さんが会長を務める京都料理芽生会の派生組織として16名の料亭主人・料理人が発足した「安心の食プロジェクト準備委員会」は大学・研究機関・専門家等の助言と科学的検証を基に -Chef’s Criteria of New Normal-  (以下CCNN)を制定しました。CCNNは、コロナ禍において必要不可欠となった換気の重要性を具現化する空間衛生基準やニューノーマル(新生活様式)に適合するコンプライアンスを具体化した“独自基準”と基準食品衛生法やHACCPに定められた義務を併せ持った100ヵ条にもおよぶ厳格な認証基準。これは、国が推奨・提言する認証基準以上の厳格な内容となっており、第三者機関による監査によって認証を行う事で飲食店の最高安全基準として全国でも類の見ない新たな感染症防止対策認証基準です。今般の行動制限緩和に向けた技術実証実験ではCCNNの認証を受けた全ての料亭が政府からの要請対象となりました。

 「国や地方自治体による認証制度を尊重し、順守する事は当然の事。その上で、CCNNが政府の認める飲食店の最高安全基準となり、ゆるぎない営業保証となる事を切に願っています。既存の認証制度とCCNNが共存する事により、私たち料亭を含む大小様々な飲食店の安心基準がランク分けされ、日本の外食産業全体の底上げとお客様に対しての“安心の見える化”につながることを確信している。そして、これは世界に向けて日本の食文化を発信する大きな要素となる。」と磯橋さんは語る。

飲食店の最高安全基準 -Chef’s Criteria of New Normal- 略称:CCNN
<紹介ドキュメンタリー>
ダイジェスト:https://www.youtube.com/watch?v=67NGsnWXls8
全編 : https://www.youtube.com/watch?v=soWewj9RX18
全編(英語字幕):https://www.youtube.com/watch?v=5HpSQAoC3w4

京料理は文化財。私たちが担い手。
守りたい料亭文化
“リビングミュージアム”としての使命

「私たち京都の料亭は日本の食文化のシンボルともいえる京料理の担い手です。京料理を絶やさないために次世代そしてまた次の世代に綿々と繋ぐため、京料理の文化財登録を目指しています。日本の食文化の象徴的な空間であり建築物としても文化的価値の高い料亭はお城と同様ですぐには作り直しができません。お皿の上の料理を楽しむだけではなく、空間も含めて食を楽しんで頂く料亭文化は日本人の精神が宿った食文化の最終形態 “リビングミュージアム”と言われる料亭特有の空間で食事をすることで日本の衣・食・住の歴史と文化を体感することができます。伝統産業と密接な関わりを持つ料亭文化。令和2年度補正予算にて文化庁より受託いただきました京料理および料亭文化を次世代に伝え“文化の結び”プロジェクトでは親世代と小中学世代のお子様を対象に料亭を中心とする日本の食文化体験事業を現在京都市内で実施しており、今後は日本全国に波及を目指し活動しています。失われつつある、失ってはいけないこの文化を守るために私たちは挑戦を続けていきます。」

京都料理芽生会 会長 / 安心の食プロジェクト準備委員会 代表 /
株式会社 嵐山辨慶 代表取締役社長  磯橋 輝彦 談

-京都料理芽生会-
日本料理の発展、伝統と格式のある京都の食文化を次世代へ継承するために1955年設立。料理人たちが研鑽・研究を行い、伝統を守ると同時に未来へ向けた挑戦を積極的に行っている。
会員55名 賛助会員37名 名誉会員31名
 
<現在の主な取り組み>

  • 京料理の文化財登録を推進
  • 料亭文化の保護・継承・発展を推進
  • 日本料理・京料理と料亭文化の発信
  • 京料理を継承する料理人の育成と「国家料理人資格制度」の提唱
  • 日本のおもてなし文化を継承する「接客人材資格制度」の提唱
  • 京料理および料亭文化を次世代に伝える「文化の結び」プロジェクト(文化庁受託事業)
  • 飲食店の最高安全基準 Chef’s Criteria of New Normal – CCNN – 認証制度の奨励

CCNNに関するお問い合わせ:
「安心の食プロジェクト準備委員会」事務局/京都料理芽生会
総務委員長 田中 良典
☎090-5884-5195
yoshinori@toriyone.com
(松尾温泉 京料理鳥米 代表取締役)京都市西京区嵐山朝月町66

取材・記事作成:​-Ydeps-
株式会社 Yourbility Developers
 

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