この1年間で40.8%の飲食店が賃金を引き上げ。業務効率化、各従業員のスキルアップが鍵に

株式会社シンクロ・フードのプレスリリース

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、飲食店.COM会員を対象に、従業員への給与など賃金にまつわる実情についてアンケート調査を実施いたしました。

<本調査について>
調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:458名
調査期間:2022年5月27日~2022年6月1日
調査方法:インターネット調査

回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち70.3%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は52.4%(首都圏の飲食店の割合は69%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。

<調査結果について>
飲食店の約7割が人材不足を実感。求人募集への応募数自体が少なく
新型コロナウイルス感染防止規制の緩和にともない、飲食店のイートインを利用する客足は増えつつあります。そうした中、再び問題となっているのが人材不足です。飲食店においては、業務オペレーションの見直しを行うとともに、従業員への賃金額を再考する店舗も少なくないと予測されます。そこで今回は、従業員への給与に関係する飲食店の実情を調査するため、アンケートを実施いたしました。

まず、アンケート回答者の店舗における従業員数の充足状況を尋ねたところ、現状は「やや不足している」が最も多く、48.9%。次いで、「充分である(32.5%)」、「不足している(13.3%)」、「かなり不足している(5.2%)」との結果になりました。集計すると、67%以上が人材不足を実感していることがわかります。

そのうえで直近1ヶ月間の求人募集とその応募状況を聞くと、最多は「直近1ヶ月は募集していない」で47.4%でした。求人募集を行っている飲食店(n=241)のうち、56.8%は応募数が少ないと感じており、35.7%は応募自体がないことも明白となりました。

また、直近1ヶ月で求人募集をしたと回答した方に、どのような手段で募集を行ったか伺ったところ、最も多かったのは「求人情報サイト(Web媒体)」で66.8%でした。次いで「店頭の張り紙(34.4%)」、「自店ホームページ(28.6%)」、「Instagram(19.5%)」と続くことから、WebやSNSを使った求人募集が主流になるなか、アナログの手段も並行して活用されている現状が見えてきます。

次に、正社員(または月給契約の従業員)の平均月給を聞いたところ、「正社員を雇用していない」との回答が最も多く、26.9%でした。一方、正社員を雇用している店舗では「21万円〜25万円(23.6%)」が最多となり、次いで「26万〜30万(22.7%)」、「31万〜35万(12.2%)」と続きました。

アルバイト(または時給契約の従業員)の平均時給については、「1,000円〜1,100円未満」が最も多く35.2%。次いで「1,100円〜1,200円未満」が20.1%となりました。これは、本アンケートの回答者が経営する飲食店の52.4%が東京都にあること、東京都の最低賃金時間額が1,041円(2022年6月現在)であることなどを鑑みると、妥当な結果と捉えられます。

さらに、職種別の平均月給について尋ねると、「料理長・シェフ」、「店長・マネージャー」では、「26万〜30万円(22.8%、21.7%)」が最も多い結果に。同様に「調理・キッチンスタッフ」では「21万〜25万円(35.4%)」、「ホール・サービススタッフ」では「20万円以下(39.8%)」が最多となりました。

賃金の総額を上げた飲食店のうち、約6割にポジティブな影響
次に、直近1年間で雇用者に支払う賃金の総額に変化があったかを尋ねたところ、最多は「上がった」との回答で、40.8%。次いで、「変わらない(36.2%)」、「減った(10.7%)」と続きました。

「変わらない」、「減った」と答えた方に、今後1年以内に賃金を上げる予定があるか聞いてみると、「一部雇用者の賃金を上げる予定」が最も多く、34.9%との結果に。さらに、「上げる予定はない(33.5%)」、「わからない(24.2%)」と続きました。ちなみに、賃金を上げる予定はないとした72店舗のうち、51.4%が「正社員の平均月給21万円以上」、83.3%が「アルバ​イトの平均時給1,000円以上」と回答しており(いずれも本アンケートの最多以上)、現状で可能な限りの支払いがなされている結果とも読み取れます。

また、「上がった」と回答した方におおよその増額率を尋ねたところ、「5%以上」が最も多く、32.6%でした。続いて「1.0〜1.4%(19.8%)」、「0.5%〜0.9%(13.4%)」となり、地域や業態の差が顕著に示される結果となりました。

さらに、雇用者の賃金を上げることで、どのような効果があったかを伺いました。最も多かったのは「特に効果がみられていない(42.8%)」だったものの、「従業員の士気が上がったと感じる(28.9%)」、「求人への応募が増えた(17.1%)」、「離職者が減った(14.4%)」など、「賃金の総額が上がった」と回答した飲食店のうち、6割近くの店舗でポジティブな影響があったこともわかりました。

​■機械化の促進やコストバランスの調整で、賃金を上げる工夫も
現在、政府が実施する政策のひとつに、飲食店経営者にも関わりのある「賃上げ促進税制」があります。これは賃上げに取り組む企業や個人事業主を支援するための制度で、従業員への給与支払い額が前年度より1.5~2.5%以上増加すれば、15~30%の税額控除が認められるというものです(中小企業の場合)。

そこで、この「賃上げ促進税制」の認知状況について尋ねたところ、最多は「知らない」で、49.1%。概要まで含めると、8割以上が認識していないという結果になりました。さらに、前述した賃金の総額の変化や増額率に関する回答をみると、適用要件に当てはまる店舗は26%と、3割にも満たないことがわかりました。

次に人手不足の解消や、従業員の賃金を上げるために工夫していること、導入しているものについて聞くと、以下のような声が寄せられました。

<人手不足を解消するための工夫>
報酬による還元で従業員のモチベーションを上げ、離職を防ぐ
・インセンティブ制を導入。店舗売上が基準額を越えた場合に、越えた分の10%を正社員の人数で割ってインセンティブとして月給の他に支給している(新潟県/フランス料理・洋食/1店舗)
・高い売り上げを叩き出した際は賞与という形をとってモチベーションを上げる(東京都/その他/1店舗)

<従業員の賃金を上げるための工夫>
業務を効率化し、人件費以外のコストを下げる
・工数を減らし、外注を模索。職人レスでの営業を目指す(広島県/そば・うどん・カフェ/6~10店舗)
・機械化できるものは機械化しながら効率化を行い、コストを削減しながら賃金に反映するように努力している(愛知県/寿司・和食/1店舗)
売上を上げる
・賃金上げるためには売上も上げなければいけないので、客単価が上がるような接客を目指している(東京都/イタリア料理・居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・新たな収益を上げ、雇用も行う体制を作るためキッチンカーを導入した(神奈川県カフェ・テイクアウト/1店舗)

少人数で店を回せるよう従業員教育を行い、過分な人件費を削減
・スタッフを教育し、オペレーションを工夫。少数精鋭で一人当たりの月収を上げる(埼玉県/フランス料理・イタリア料理・専門料理/1店舗)
・個人のスキルアップを手助け(大阪府/ラーメン・中華・アジア料理・居酒屋・ダイニングバー・専門料理・和食・その他/1店舗)

最後に、雇用について最も困っていることや懸念していることを尋ねると、「飲食業で働きたい人が少なく、募集しても来ない」、「若い社員(後継者)が不足している」など、業界自体が抱える課題のほか、以下のようなコメントも寄せられました。

良い人材がなかなか集まらない
・リーダーとなる人材の不足感を感じます(東京都/焼肉・アジア料理・居酒屋・ダイニングバー・和食/3~5店舗)
・スキルの高い人材が少ない(北海道/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
現在の従業員の離職
・現在経験豊富なスタッフに恵まれており、辞められてしまうとお店が成り立たない部分がある(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・現在のアルバイトが退職する時に、また新たにいちから教育することの不安。その間のオペレーションの低下や、フォローによるこちらのパフォーマンス低下など、様々な課題がある(京都府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

予算を人件費に回せない
・売り上げが上がらない事には雇用を増すことができない(福岡県/洋食/1店舗)
・コロナ禍で売上が落ちてしまい、元の水準にまで回復していない今、給与アップなどはかなり厳しい(東京都/フランス料理・アジア料理/2店舗)

調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに、「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。

<問い合わせ先>
■飲食店リサーチについて
・URL:https://www.inshokuten.com/research/company/
「飲食店リサーチ」は、飲食店に特化したリサーチサービスです。飲食店出店者・運営者に対してアンケートを実施し、マーケティングデータを取得することが可能です。飲食店向けの新しい商品・サービスの企画や食品・飲料の研究・開発等の際に、ニーズの把握・データの裏付けといった様々な形で、マーケティングデータを活用いただけます。

■飲食業界に向けたマーケティングなら
・URL:https://www.inshokuten.com/promotion/
<シンクロ・フードの直近の飲食店支援の取り組み>
シンクロ・フードでは新型コロナウイルスによる外食業界への影響を鑑み、飲食店の皆さまの店舗運営の一助となるべく新サービスの提供、キャンペーンの実施などを行っております。

株式会社シンクロ・フードについて
当社は “食の世界をつなぎ、食の未来をつくる”を経営理念としており、「飲食業界に関わる人々をつなぎ、幸せにしていきたい」という想いを社名に込め、当社を設立いたしました。インターネット、テクノロジーの力を最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・サービス」をタイムリーに結びつけ、今後も食に関わる人々から必要とされるサービスを提供し続けることで、飲食業界の労働生産性を向上させ、業界全体のさらなる発展、成長に貢献したいと考えております。

【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
【代表者】 代表取締役 藤代 真一
【上場市場】 東京証券取引所プライム市場
【URL】 http://www.synchro-food.co.jp/
【運営サイト】
飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店.COM」(https://www.inshokuten.com/
飲食業界専門の求人サイト「求人@飲食店.COM」(https://job.inshokuten.com/
食材仕入業者情報提供サイト「食材仕入先探し」(https://www.inshokuten.com/supplier/
オンライン食材発注ツール「PlaceOrders」(https://www.inshokuten.com/placeorders/
店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/
食の世界をつなぐWebマガジン「Foodist Media」(https://www.inshokuten.com/foodist/
飲食店専門のM&Aサービス「飲食M&A」(https://www.inshokuten.com/ma/
居抜き店舗の買取査定サイト「居抜き情報.COM」(https://www.inuki-info.com/
フランチャイズ比較サイト「飲食FC比較」(https://www.inshokuten.com/hikaku/fc/)
キッチンカーシェア・マッチングサイト「モビマル」(https://mobimaru.com/

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本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
株式会社シンクロ・フード
住所:東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
TEL:03-5768-9522 Mail:support@synchro-food.co.jp
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